「シリア北西部では、学校への爆撃が増え子どもたちが紛争の前線に立たされている」セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナル事務局長ヘレ・トーニング=シュミット
シリア北西部のイドリブやアレッポでは、空爆と地上戦が激化しており、それに伴い、学校への攻撃が増えています。最近では、わずか1週間の間にセーブ・ザ・チルドレンのパートナー団体が運営する6校の学校が砲撃を受け、うち4校で校舎が損壊し、3校で生徒とスタッフに負傷者が出ました。
爆撃の被害を受けた学校校舎(アレッポ県)
セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナルの事務局長であるヘレ・トーニング=シュミットは、子どもたちを紛争の前線に立たせ、その生命や未来を脅かしている状況に対して、次のように述べました。
「シリアの子どもたちは、『教育を続ける』そのためだけに、大きなリスクに晒されています。スナイパーからの狙撃を逃れ、危険な検問所を通過しながら登校し、空爆から身を守るために地下の教室で学んでいます。
また、紛争地に留まっている先生たちは勇敢にも、課外授業を実施するなどの工夫をしながら、子どもたちが学び続けられるようにしていますが、残念ながら、シリアでは200万人の子どもたちが学校に通っていないのが現状です。紛争の中にあっても、子どもたちは命の危険に晒されることなく、学んだり、遊んだりする権利があるのです。毎週のように、学校や通学路が爆撃を受けているような今の状況から、一刻も早く停戦が実現されるべきです。」
セーブ・ザ・チルドレンが支援しているシリアのパートナー団体は、シリア国内で60の学校や、学習スペースを運営し、1万7,772人の子どもたちの学びを支えています。8月2日~8日の一週間に、イドリブとアレッポでは下記のような事故が起きました。
- アレッポ農村地帯では、学校から数百メートルしか離れていない場所への爆撃で、少年2人と10歳の少女1人が負傷しました。少女は目の負傷により難しい手術を受けて、いまだに入院中です。
- イドリブ農村地帯では、学校から数百メートルしか離れていない場所への爆撃で、少女1人が死亡しました。
- アレッポでは、セーブ・ザ・チルドレンが支援する学校が入居している建物が、爆撃を受けました。建物の上層階は完全に破壊されましたが、学校は一階にあったため、被害はわずかで済みました。
- イドリブ農村地帯の学校では、子どもたちが教室で授業を受けている時に校庭に爆撃が落下し、守衛が瀕死の重傷を負いました。
- イドリブ農村地帯の別の学校では、爆撃で窓と壁が損壊しました。この学校は、5日間に2度にわたる被害を受けました。
- イドリブ農村地帯のある学校では、百メートルと離れていない場所に爆撃があり、損壊の被害を受けました。
<ヘレ・トーニング=シュミット略歴>
1966年生まれ。 1994年から2004年まで欧州議会議員を、 2005年から2015年までデンマーク社会民主党党首を務め、 2011年から2015年までデンマーク首相として連立政権を率いました。夫はイギリスの下院議員スティーブン・キノック氏で、 2人の娘の母親。2016年4月、セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナルの事務局長に就任しました。
<セーブ・ザ・チルドレン概要>
セーブ・ザ・チルドレンは、すべての子どもにとって、生きる、育つ、守られる、参加する、「子どもの権利」が実現されている世界を目指して活動する子ども支援の国際NGOです。1919年に英国で設立され、現在、日本を含む29ヶ国の独立したメンバーが連携し、約120ヶ国で子ども支援活動を展開しています。
シリア危機への対応では、セーブ・ザ・チルドレンは、2016年6月までにシリア国内、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトで約410万人(うち、子ども260万人)に支援を届けました。
http://www.savechildren.or.jp/
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