ノーベル賞受賞研究“オートファジー(自己修復システム)”による皮膚機能維持に関する研究 長寿遺伝子サーチュイン6の皮膚抗老化機能の新知見
株式会社アテニア(所在地:神奈川県横浜市中区 代表取締役社長:須釜憲一)は、皮膚へのアンチエイジング効果を実現するために、長寿遺伝子で知られるサーチュイン6に着目し、研究を行いました。その結果、サーチュイン6が、皮膚の生まれ変わりに関わる表皮細胞内のミトコンドリア*1のオートファジーに関わることで、皮膚の老化防止に重要な役割があることを立証しました。
このデータは、2018年9月24~26日、「日本生化学会大会」にて発表。
このデータは、2018年9月24~26日、「日本生化学会大会」にて発表。
<研究の背景>
老化による細胞の生まれかわりは、細胞内で生成される「不要たんぱく質」を細胞自身がリサイクルし、新しいたんぱく質を作る材料にしたり、細胞内をきれいに保つ自己修復システム「オートファジー」が調整しています。また、老化制御には、長寿遺伝子サーチュインが深く関わっていることが知られています。
その中のひとつであるサーチュイン6は、真皮のコラーゲン合成に関わるなど老化制御に働きますが、 紫外線などの外部ストレスを受ける表皮角化細胞の生まれ変わりとの関連は不明でした。そこで、表皮細胞のミトコンドリアのオートファジーに着目し、サーチュイン6の影響について検証実験をしました。
【用語説明①】
*1<ミトコンドリア>
細胞呼吸をつかさどる器官で、エネルギーを産みだす。細胞内で分裂増殖する
<評価方法>
培養表皮細胞のサーチュイン6遺伝子をノックダウン*2し、働きを低下させました。この細胞に紫外線を照射し、表皮細胞の生まれ変わりに重要なミトコンドリアのオートファジーの誘導を、蛍光顕微鏡で観察し、さらに、活性酸素の発生を確認しました。
<結果>
図1に示すように、紫外線照射によりオートファジーの誘導(上左写真、赤い部分)が起こります。しかし、サーチュイン6を低下させると、オートファジーの誘導が阻害され(上右)、さらに、活性酸素の発生(黄色い部分)が多くなる(下左→右)ことがわかりました。
①と同様の方法でサーチュイン6を低下させた表皮細胞に、紫外線を照射し、ミトコンドリア関連タンパク質の評価をウエスタンブロッティング法*5で評価しました。
<結果>
図2に示すようにサーチュイン6を低下させた状態でBNIP3、FIS1のいずれのミトコンドリア関連タンパク質も減少しました。この結果は、紫外線による表皮細胞のオートファジー誘導において、サーチュイン6が減少することで、ミトコンドリアの機能異常が発生し、オートファジーの誘導が阻害されていることを意味します。
【結論】
①、②の結果から、図3に示すようにサーチュイン6は、紫外線等でダメージをうけた表皮細胞のミトコンドリアのダメージを回復することで、オートファジーの誘導を正常化していると考えられます。
【用語説明②】
*2<遺伝子ノックダウン>
特定の遺伝子からのタンパク合成過程を阻害する遺伝子操作方法。特定のタンパク量を減少できる
*3<BNIP3>
ミトコンドリア外膜タンパク。低酸素時においてオートファジーの惹起に不可欠なタンパク
*4<FIS1>
ミトコンドリア外膜タンパク。損傷したミトコンドリアの分裂に不可欠なタンパク
*5<ウエスタンブロッティング法>
タンパク混合物を電気的に分離して、タンパクをそれぞれ認識する試薬(抗体)を使用して目的のタンパクを測定する方法
アテニアはこの研究結果を、今後のスキンケア商品に広く応用していきます。
老化による細胞の生まれかわりは、細胞内で生成される「不要たんぱく質」を細胞自身がリサイクルし、新しいたんぱく質を作る材料にしたり、細胞内をきれいに保つ自己修復システム「オートファジー」が調整しています。また、老化制御には、長寿遺伝子サーチュインが深く関わっていることが知られています。
その中のひとつであるサーチュイン6は、真皮のコラーゲン合成に関わるなど老化制御に働きますが、 紫外線などの外部ストレスを受ける表皮角化細胞の生まれ変わりとの関連は不明でした。そこで、表皮細胞のミトコンドリアのオートファジーに着目し、サーチュイン6の影響について検証実験をしました。
【用語説明①】
*1<ミトコンドリア>
細胞呼吸をつかさどる器官で、エネルギーを産みだす。細胞内で分裂増殖する
- 検証① サーチュイン6の表皮細胞におけるオートファジー誘導への関与
<評価方法>
培養表皮細胞のサーチュイン6遺伝子をノックダウン*2し、働きを低下させました。この細胞に紫外線を照射し、表皮細胞の生まれ変わりに重要なミトコンドリアのオートファジーの誘導を、蛍光顕微鏡で観察し、さらに、活性酸素の発生を確認しました。
<結果>
図1に示すように、紫外線照射によりオートファジーの誘導(上左写真、赤い部分)が起こります。しかし、サーチュイン6を低下させると、オートファジーの誘導が阻害され(上右)、さらに、活性酸素の発生(黄色い部分)が多くなる(下左→右)ことがわかりました。
- 検証② サーチュイン6の表皮細胞におけるオートファジー誘導メカニズムの解明
<評価方法>
①と同様の方法でサーチュイン6を低下させた表皮細胞に、紫外線を照射し、ミトコンドリア関連タンパク質の評価をウエスタンブロッティング法*5で評価しました。
<結果>
図2に示すようにサーチュイン6を低下させた状態でBNIP3、FIS1のいずれのミトコンドリア関連タンパク質も減少しました。この結果は、紫外線による表皮細胞のオートファジー誘導において、サーチュイン6が減少することで、ミトコンドリアの機能異常が発生し、オートファジーの誘導が阻害されていることを意味します。
【結論】
①、②の結果から、図3に示すようにサーチュイン6は、紫外線等でダメージをうけた表皮細胞のミトコンドリアのダメージを回復することで、オートファジーの誘導を正常化していると考えられます。
【用語説明②】
*2<遺伝子ノックダウン>
特定の遺伝子からのタンパク合成過程を阻害する遺伝子操作方法。特定のタンパク量を減少できる
*3<BNIP3>
ミトコンドリア外膜タンパク。低酸素時においてオートファジーの惹起に不可欠なタンパク
*4<FIS1>
ミトコンドリア外膜タンパク。損傷したミトコンドリアの分裂に不可欠なタンパク
*5<ウエスタンブロッティング法>
タンパク混合物を電気的に分離して、タンパクをそれぞれ認識する試薬(抗体)を使用して目的のタンパクを測定する方法
アテニアはこの研究結果を、今後のスキンケア商品に広く応用していきます。
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