船場とBIM分野グローバルリーダーの米Autodesk社、戦略的提携に関する覚書(MOU)を締結~船場のCDE構築と教育コンテンツの展開を通じて、内装業界のDX推進とBIMの普及に貢献~
空間創造企業の株式会社船場(本社:東京都港区、代表取締役社長:小田切 潤、以下、船場)と、米国 Autodesk 社(本社:米国カリフォルニア州/プレジデント兼 CEO:アンドリュー・アナグノスト、以下、Autodesk)は、共通データ環境(CDE)の構築と業務プロセス改革を目的とした、「戦略的提携に関する覚書」(以下、MOU)を締結しました。 本提携により、船場はAutodesk Construction Cloud®(以下、ACC)※1を基盤とした全社共通のCDE構築を進め、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用を一層推進します。さらに、船場が社内向けに独自開発したBIM教育プログラムをAutodeskと連携して外部展開し、業界全体のBIM普及と人材育成を支援していきます。

オートデスク株式会社 代表取締役社長 / Autodesk, Inc. Japan Sales Vice President 中西 智行(右)
〈業界の現状と課題:空間づくりの高度化に対応するBIMの重要性〉
空間づくりを取り巻く環境は大きく変化しており、持続可能性や安全性、労働力不足といった課題への対応が求められています。こうした中、業界全体での生産性向上と業務の高度化は喫緊の課題となっています。特に内装ディスプレイ業界では、設計・施工プロセスの複雑化が進み、従来の手法では対応が難しくなっています。このような背景から、BIMの活用が注目されています。BIMは、建物や空間に関わるあらゆる情報を一元管理し、設計から施工、運用までのプロセス全体を合理化・可視化するための中核的な手段です。また、協力パートナーを含めた業界全体でのBIM導入と運用の加速も強く求められています。
船場は、2019年にBIM推進室を設立して以降、BIM人材の育成やトレーニング基盤の整備、ビジュアライゼーションの活用を通じて、社内でのAutodesk Revit®※2の活用を着実に進めてきました。中期経営計画2024では、経営目標に「BIMを設計業務のメインツールとして標準化」することを掲げ、2024年時点で、設計職の76%がRevitの基本技術を習得し、約180件のプロジェクトでBIMを導入しました。これは単なるツール導入にとどまらず、社内文化としてBIMを定着させる実績として評価されています。
Autodeskは、建築・建設業界のデジタル変革を支援するグローバルリーダーとして、近年は国内の内装ディスプレイ業界におけるBIM活用やクラウドソリューションの導入の支援に注力しています。今回の提携は、日本の内装業界におけるBIM普及を加速させる重要なマイルストーンであり、空間設計と施工の未来を形づくる上で大きな一歩となります。
〈MOU締結によるBIM活用拡大と業界変革への貢献〉
船場は現在、ACCを基盤とした全社共通のデジタルプラットフォームの構築に取り組んでおり、BIMデータの一元管理と関連情報の連携を通じて、生産性の向上と新たなビジネス創出を目指しています。
今回のMOU締結は、こうした取り組みをさらに発展させ、BIM活用を社内外に広げるための重要な一歩です。ACCを活用し、船場での全社共通CDEの構築と、クラウドを通じた協力パートナーとの連携強化により、空間づくりの高度化と業界全体の業務プロセス改革を推進します。さらに、船場が社内向けに構築してきた独自の教育プログラムをAutodeskと連携して社外にも展開し、BIMの普及と定着を後押しすることで、持続可能で効率的な空間づくりの実現に貢献していきます。
〈MOUの柱:3つの重点領域〉
1. 全社CDEの構築による業務プロセスの変革
ACCを全社CDEとして社内標準化し、船場のITエコシステムと情報の一元管理を強化することで、設計・施工業務におけるプロジェクト推進プロセスの変革を図ります。さらにIT基盤システムとのAPI連携を進め、情報マネジメントの高度化と新たなデータ活用の可能性を広げていきます。
2. ACC活用の拡大による協力パートナーとの連携強化
ACCを中心にAutodesk BIM Collaborate Pro®※3を活用したクラウドワークシェアリングで共同設計を加速します。さらにAutodesk Build※4を用いて、設計・施工プロセスにおけるコミュニケーションやプロジェクト管理を効率化し、社内外のプロジェクト関係者との連携を強化します。
3. 内装ディスプレイ業界でのBIM活用促進に向けた教育コンテンツの展開
業界パートナーがRevitやACCを活用しやすくし、円滑にコラボレーションできる環境を整えるため、船場が社内向けに構築してきた教育コンテンツをAutodeskと連携して社外にも展開します。
〈株式会社船場 代表取締役社長 小田切 潤〉
Autodeskとの戦略的提携に関するMOU締結は、船場の「BIM経営」を次のステージへと導く重要な一歩です。船場は業界では早期にBIMを経営戦略の中軸に据え、オペレーションにビルトインし、現場レベルで様々なBIMの活用経験を重ねてきました。その知見を基盤にCDEでの連携を強化することで、関係各社との協働をさらに深め、業界全体のDX推進と人材育成に貢献してまいります。
これまで通りBIMを経営戦略の中核に据えながら、今後は全社的なCDEの構築を通じてエコシステム化を進めていきます。これにより、各業務フェーズがシームレスにつながり、業務効率が劇的に向上することで、空間創造企業としてのコアコンピタンスである「創造性」や「クリエイティビティ」により一層特化できる体制を整え、トップとして打ち出している「Borderless Creativity & Innovationへの絶えまない挑戦」をさらに強化していきます。
〈オートデスク株式会社 代表取締役社長 / Autodesk, Inc. Japan Sales Vice President 中西智行〉
この度は、内装業界において積極的にBIM/DXを推進しておられる船場とMOUの締結に至りましたことを大変光栄に思います。ACCによるCDEの構築や業務プロセス改革、教育コンテンツの社外展開を通じて船場様の「エシカルとデジタル」 をテーマとした「未来にやさしい空間づくり」をご支援すると共に、内装業界全体でのBIM導入と運用拡大、ひいては建設業界全体のBIM活用加速に貢献できるよう努めてまいります。
株式会社船場 概要
1962年設立。社員数377名(2024年12月31日現在)。東京証券取引所スタンダード市場上場。商業施設をはじめオフィスや教育、ヘルスケア、余暇施設等のさまざまな空間づくりにおいて、調査・企画・デザイン・設計・施工・メンテナンスまでをトータルでサポートしています。2021年よりビジョンに「Good Ethical Company」、ミッションに「未来にやさしい空間を」を掲げています。人や地域社会、自然環境へ“おもいやり”の視点を持ち、サプライチェーン全体で未来にやさしい空間の共創を目指すエシカルデザインを推進しています。
Autodesk, Inc. 概要
1982 年に設立した Autodesk は、米国サンフランシスコに本社を構え、現在世界約 40 カ国・地域で事業を展開している「デザインと創造」のプラットフォームカンパニーです。サステナブルな建築物から次世代自動車、デジタルファクトリー、最先端技術を駆使した映画やゲームにいたるまで、ありとあらゆるものづくりのデザイン・設計・創造をテクノロジーの力でサポートしています。 建設、製造、メディア & エンターテインメント業界における業務の効率化・自動化を促進する業界に特化したソリューションを搭載したインダストリークラウドを提供するほか、部門間のみならず業界全体の連携を実現し、業務プロセスを横断的にサポートする「デザインと創造のプラットフォーム」を展開し、より良い未来を築くべく、新たな可能性に挑戦するすべてのイノベーターを支援しています。詳細については、https://www.autodesk.com/jpをご覧になるか、Autodesk のソーシャルメディアをフォローしてください。 #MakeAnything
※1 Autodesk Construction Cloud®:Autodesk が提供する建設業向けプロジェクト管理のクラウドサービス。図面データのビューイング機能や業務管理機能などでデジタル化・見える化されたプロジェクト管理を実現します。多数のAPIsにより外部アプリケーションともシームレスに連携するデータプラットフォームとしての機能も併せ持ちます。
※2 Autodesk RevitⓇ:Autodesk が提供する BIM ソフトウェア。意匠、構造、設備の多分野に対応しています。Revit API による様々なソフトウェアとの連携や部材の属性情報管理機能により、高次元なデータの利活用を実現します。現在 14 ヵ国語に対応しています。
※3 BIM Collaborate Pro®:クラウドベースのBIMプロジェクト協業ツール。設計・施工に関わるチームが、RevitなどのBIMモデルをクラウド上で共同編集・レビュー・管理できるようにするサービスです。
※4 Autodesk Build:建設プロジェクト管理クラウドプラットフォーム。プロジェクト全体かつ現場とオフィスをつなぐためのドキュメント管理・進捗管理・品質管理ツールです。
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