港区三田二丁目「エル・アルカサル三田」マンション建替事業 権利変換計画認可のお知らせ
港区特定緊急輸送道路沿道のマンション建替え
■建替えに至った理由
本建物は1979年(昭和54年)に建築され、築後44年を迎えました。建物の安全面において、1981年(昭和56年)に改正された建築基準法の「新耐震基準」に対応しておらず、前面道路の桜田通りが、特定緊急輸送道路に指定されたため、義務に基づき耐震診断を実施した結果、震度5程度の地震で「倒壊、又は崩壊する危険性が高い」と診断されました。耐震改修工事には多額の費用を要し、耐震壁や外付けフレームの設置等により居住環境に影響がでる可能性が高い状況でした。加えて、築年数の経過に伴い、特に給排水管の劣化が進行し、2020年(令和2年)に実施した建物劣化診断では、今後建物の維持修繕には多額の費用が必要となることが報告されていました。その他、建物の床や壁の性能、階高等の構造部分、諸設備も現在の建物に要求される標準的な水準を満たすことができなくなっている等の社会的老朽化も進んでいました。2015年(平成27年)5月の臨時総会にて「建替えの検討を進める件」が承認可決され、建替えについて具体的な検討を進めてきました。こうした経緯を経て、2022年(令和4年)3月に建替決議を行い、同年9月に建替組合設立認可を受け、2023年(令和5年)11月に権利変換計画認可を取得しました。
■再生検討支援における旭化成不動産レジデンスの取り組み
2012年(平成24年)に管理組合理事会において再生検討専門委員会を立ち上げ、コンサルタントを選定し、改修と建替えの比較検討の勉強会を開始しました。以降、全体説明会を数回開催した結果、建替え推進決議で建替えに絞って検討を深堀りすることを可決し、事業協力者を募集しました。建替え後の余剰面積、事業規模が小さいため、参画を辞退する会社が多い中、旭化成不動産レジデンスは積極的に参画を希望し、選定されました。
事業協力者選定後、コンサルタントと管理組合との契約が更新されませんでしたが、旭化成不動産レジデンスが専門委員会とともに合意形成活動を推進しました。以降、数回にわたって建替え検討委員会による全体説明会、事業協力者による個別面談を行い、施行マンションの現状を説明し、各区分所有者への建替えに関する知識の普及に努めると共に、区分所有者の意向把握を行いました。
マンションの建替え等の検討に当たっては、組合施行方式と等価交換方式、敷地売却方式のメリット・デメリットを明確にしたうえで、説明会・個別面談を通じてその相違点の説明を行い、理事会にて透明性の高い組合施行方式に定めました。
再建マンションの住戸計画策定に当たっては、港区マンション建替円滑化法容積率許可要項の検討、建設費高騰の中、費用対効果の高い設計案の検討を行いながら、複数回の個別面談を実施して意向確認を徹底し、その都度計画に反映してきました。また、高齢者世帯の不安の払拭のため、数回にわたり、説明会(引越説明会、高齢者住宅・高齢者施設等の紹介、高齢者向け返済特例制度) も実施しました。
本事業は、港区の特定緊急輸送道路沿道建築物の建替え・除却の費用助成の申請をして交付決定通知を受領しています。
<参考>
緊急輸送道路とは、震災時に避難や救急・消火活動、緊急物資輸送の大動脈となる幹線道路をいいます。震災の被害を最小化し、早期復旧を図るためには緊急輸送道路沿道の耐震化を進め、建物の倒壊による道路閉塞を防止することがとりわけ重要です。耐震改修促進法では、都や区市町村が耐震改修促進計画で地震時の建築物の倒壊による通行障害を防ぐべき道路を定め、その沿道建築物の耐震化を促進することとしています。
このため、東京都は、特定緊急輸送道路を耐震改修促進法第5条第3項第2号に基づく「建築物集合地域通過道路等」として位置付け、同法第7条第1項第2号により特定緊急輸送道路沿道建築物を「要安全確認計画記載建築物」として耐震診断の実施を義務付けています。
■従前マンションの規模等概要
構造規模 | 鉄骨鉄筋コンクリート造 地上11階 塔屋1階造 |
建築面積 | 360.85㎡ |
延べ床面積 | 3,344.23㎡ |
専有面積 | 2,996㎡ |
戸数 | 64戸 |
■再建施行マンション計画概要
港区の桜田通り(国道)と区道に面する都会的な立地であるため、本計画は「都会の中の癒しの空間」をコンセプトとし、建物全体を計画しています。桜田通りの隣り合うグレーのガラスのカーテンウォールの建築に対して、バルコニー手摺の色調をリンクさせ、かつ細目のマリオンを採用。また、アースカラーの外壁色とすることで、都会的な要素を残しつつ、上質で暖かみの感じられる外観としました。
桜田通りから最も離れた西側に自然を感じられる庭とラウンジを造り込み、癒しの空間を演出した計画としています。また、共用廊下はホテルライクな内廊下設計、EVは各階着床制限を採用し、トリプルセキュリティとしたZEH-Orientedマンションです。
■これまでの流れと今後の予定
2012年 | 特定緊急輸送道路耐震診断 震度5程度の地震で「倒壊、又は崩壊する危険性が高い」との診断 |
2015年5月 | 臨時総会にて「建替え検討を進める件」承認可決 |
2015年12月 | 旭化成不動産レジデンスを事業協力者として選定 |
2020年8月 | 建物劣化診断 |
2021年10月 | 事業計画説明会 |
2022年3月 | 建替決議 |
2022年9月 | 建替組合設立認可 |
2023年11月 | 権利変換計画認可 |
2023年12月 | 解体着工予定 |
2027年3月 | 竣工予定 |
■案内図(国土地理院地図より)
■旭化成不動産レジデンス マンション建替えの取り組み
旭化成不動産レジデンスではこれまで多くのマンション建替えや再開発事業に参画し、都市の再生をお手伝いしてきました。特に、マンション建替えについては、NO.1の実績※を有し、規模や立地、用途など様々な建替えを実現しています。その中で、マンション建替えの当事者となる区分所有者の皆様を支援する必要性を痛感し、業界に先駆けて2011年に「マンション建替え研究所」を設立しました。現在では、建替えに関するあらゆる情報を収集・分析し発信するシンクタンク機能を果たすとともに、多くの実績の中で蓄積した知見を駆使して、様々なケースの建替えをサポートしています。
※「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」に基づく建替組合認可実績(2023年4月1日時点。株式会社工業市場研究所調べ)
以上
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