ABBの知見が、創業100年の送風機メーカーの持続可能性における取り組みを促進

ABB株式会社

  •  大阪送風機は排ガス再循環(EGR)ブロワの製品ライフサイクルアセスメント(LCA)を実施し、ABBはモータとインバータの評価を支援

  • LCAの知見に基づいて次世代の送風機が開発され、従来モデルと比較して1台当たり1,188トンのCO2排出量を削減

  • 独立した第三者機関によって認証された環境製品宣言(EPD)とLCAの結果は、調査結果の信頼性を実証

EGRブロワ

ABBは、株式会社大阪送風機製作所(以下、大阪送風機) の主力製品であるEGR(排ガス再循環)ブロワの主要部品のライフサイクルアセスメント(以下LCA) に貢献しました。これにより、大阪送風機の製品の信頼性の向上に貢献し、カーボンニュートラルの側面での付加価値がもたらされました。

大阪送風機は、船舶市場向けの送風機の分野で業界をリードするメーカーです。同社は、日本の大手舶用エンジンメーカーに幅広い種類の送風機を供給しています。今回の評価対象となったEGRブロワは、排ガスの一部をエンジンに再循環させることで、窒素酸化物の排出を大幅に削減し、燃料ガスの温度上昇を防ぐように設計されています。窒素酸化物は、窒素が高温で酸素と反応して生成されるため、その削減は環境規制の準拠に不可欠です。

世界的な脱炭素化への取り組みが加速する中、船舶業界でも国際海事機関(IMO)が定めた2050年までにネットゼロ排出量達成に向けた取り組みを進めています。一方、日本では上場企業でScope3を実施している企業はまだ少ないですが、大阪送風機は、経営戦略にサステナビリティの要素を組み込み、この変革の先駆けとなっています。その第一歩として、同社はScope3を算定し、EGRブロワのLCAを実施しました。これは、2050年までにネットゼロを目指す同社の目標に沿った取り組みです。

大阪送風機の製品LCAは、原材料調達、製造、使用、廃棄の4つの段階に分かれています。送風機の主要部品であるモータとインバータには、製造工程と輸送を含むABBのEPDデータが使用されています。この包括的な評価では、原材料の加工、輸送、製造、組み立て、試験、塗装、梱包、保管、およびリサイクルの実現可能性が対象となっています。

LCAを通じて、大阪送風機は現在の取り組みを評価し、効果的なサステナビリティ戦略を策定し、業界のサステナビリティ目標を支援する製品強化を目指しています。次世代の送風機は、この取り組みにおける大きな一歩です。これらの送風機には、過酷な環境下での高い信頼性、効率、サステナビリティの要件を満たすように設計されたABBの効率クラスIE5の SynRM(同期リラクタンスモータ)の採用が検討されています。さらにこのアプリケーションで使用されるACS880インバータは、各種船級に対応し、耐振動性に優れた設計が施されており、船舶向け用途で機械の運転を中断することなく、作業者の安全も確保します。 

大阪送風機 代表取締役社長 枩山聡一郎氏は「今回のプロジェクトでは、他社に先駆けてEGRブロワのLCAに取り組みました。ABBは優れた製品の供給だけでなく、LCAの情報を提供していただき感謝しています。2050年までにネットゼロエミッションを目指し、革新的な製品を世界に供給することに貢献するため、今後もABBと協力していきたいです」と述べています。

「大阪送風機は、ABBにとって大事なお客さまにとどまらず、日本の船舶業界においても重要なパートナーです」ABB株式会社モーション事業本部 IECLVモータ&NEMAモータ事業部 事業部長の高橋優介は述べています。「EGRブロワの総重量の大きな割合を占めるモータとインバータについて、透明性および信頼性の高いLCA情報を提供することで、大阪送風機の製品LCAやScope3に貢献できて光栄です。当社は、今後も高い性能や信頼性を有した製品の提供に加え、同社の持続可能性の実現に貢献できることを嬉しく思います」

LCA活動により、ABBのサステナビリティへの取り組みがお客さまの目標を効果的にサポートできることが実証されました。産業がよりリーンでクリーンであり続けることを支援するテクノロジーリーダーとして、ABBはサーキュラリティ指標や第三者機関による検証を受けたEPDに関する完全な透明性を提供することで、お客さまやパートナーがより持続可能な意思決定を行えるようサポートしています。

その取り組みをさらに強化するために、大阪送風機は2024年にEnergy Efficiency Movementに参加しました。Energy Efficiency Movementは、スイスのチューリッヒに本部を置く非営利団体で、ABBとAlfa Lavalが設立しました。Energy Efficiency Movementは、同じような考えを持つステークホルダーが協力し、革新し、よりエネルギー効率の高い世界を実現するための行動を起こすためのフォーラムです。現在、579社のムーバーがおり、そのうち7社が日本からの参加企業です。

ABBモーションは、モータとドライブのグローバルリーダーであり、より生産的で持続可能な未来を加速する中核を担っています。 私たちは、お客さま、産業界、社会のために、エネルギー効率、脱炭素、循環型ソリューションに貢献するため、革新的な技術を開発し、その可能性を押し広げています。 デジタル技術を駆使したドライブ、モータ、サービスにより、ABBは、お客さまとパートナーが、より優れた性能、安全性、信頼性を実現できるようサポートします。ABBは、世界の産業がよりリーンでクリーンであり続けることを目指し、あらゆる産業分野の幅広い用途にモータ駆動ソリューションを提供しています。 140年以上にわたる電動パワートレインに関する専門知識を活かし、世界100カ国で23,000人以上の従業員が日々学び、成長しています。 

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会社概要

ABB株式会社

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URL
https://new.abb.com/jp
業種
製造業
本社所在地
東京都品川区大崎2-1-1 ThinkParkTower22階
電話番号
03-4523-6151
代表者名
ロイック・ペコンドン-ラクロワ
上場
未上場
資本金
1000億円
設立
1960年06月