休眠預金を社会変革の原資に ― 官民共創型「ソーシャルXインパクトファンド」、2025年グッドデザイン賞受賞
官民共創による伴走支援と、休眠預金を社会変革の資金へ転換する新金融モデルが高評価
株式会社ソーシャル・エックス(東京都渋谷区、以下、当社)及び株式会社QRインベストメント(石川県金沢市)が共同GPとして設立・運営する官民共創型インパクト投資ファンド「ソーシャルXインパクトファンド(以下、当ファンド)」が2025年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞いたしました。
当ファンドが有する、社会課題解決に取り組むスタートアップの成長を行政とのオープンイノベーションにより後押しするという“効果的な伴走支援手法”と休眠預金を活用した社会課題解決の“革新的な金融スキーム“など、従来のVCやインパクト投資ファンドの枠を超えた独創性が高く評価されました。今回の受賞を契機に、当ファンドが取り組む官民共創やインパクト投資に対する認知・理解増進に向けて取り組むとともに、想いに共感いただけるスタートアップ企業や投資家の皆様の輪を広げてまいります。

◆<審査委員評価コメント(全文引用)>
休眠預金を原資に組成された国内初だというインパクト投資ファンドは、活用されてこなかった資金を社会課題解決に循環させる仕組みを生み出した点で評価できる。特に行政をパートナーと位置づけ、データやフィールドを提供する官民共創のスキームを組み込むことで、資金に加え現場知見を活かした成長支援を実現した点がユニークである。さらに、社会的インパクトを測定・管理するIMMを導入し、投資の成果を可視化・最大化するプロセスを確立している。従来の高リターン志向の投資では支援が難しかったインパクトスタートアップに対し、リターンと社会的価値の両立を可能にした設計は先進的であり、2021年の受賞作「逆プロポ」からの発展形としても説得力を持つ。社会と経済を結び直す新たな金融デザインとして、今後の広がりが期待される。
◆受賞を受けてのコメント
当社 代表取締役 伊藤 大貴
このたび「ソーシャルXインパクトファンド」がグッドデザイン賞を受賞できたことを、大変光栄に思います。私たちは、官民共創を「企業と行政によるオープンイノベーション」と定義し、創業以来「逆プロポ」「コンシェルジュ」「ソーシャルXアクセラレーション」といったサービスを送り出してきました。本ファンドは、これらの取り組みを通じて培われた有形無形のアセット――信頼と知見の蓄積――の上に成り立つものであり、その点を評価いただけたことを嬉しく思います。今回の受賞を励みに、社会的リターンと経済的リターンを両立する投資の仕組みをさらに発展させ、社会と経済を結び直す新しい資金循環のデザインを追求してまいります。
株式会社QRインベストメント 代表取締役 浜野 文雄 様
今回の受賞を嬉しく思うとともに、共創いただいているソーシャルXさんとJANPIAさんに感謝しております。リスクが高い一方でリターンが小さいと思われがちな社会課題解決型のスタートアップ企業が銀行から融資を受けるハードルは高いのではないでしょうか?リスクとリターンの2軸では計り知れないインパクト評価を第3軸とした投資手法が地方銀行に広まれば、多くの地域課題が解決できると信じています。
日本民間公益活動連携機構(JANPIA)出資事業部 部長 小崎 亜依子 様
このたびのグッドデザイン賞のご受賞、心よりお祝い申し上げます。社会課題の解決に挑むスタートアップを官民連携で支援し、休眠預金を新たな社会変革の資金として活用するという取組が高く評価されたことを大変嬉しく思います。本ファンドは、行政だけでは解決が難しい社会課題に対し、自治体とスタートアップが共創しながら事業の成長と社会的インパクトの創出を両立する先駆的なモデルです。こうした取組が各地に広がり、出資を通じた社会課題解決の新たな仕組みがさらに発展していくことを期待しております。JANPIAとしても、引き続きその挑戦を応援してまいります。
◆ファンド設立の経緯
官民共創によるインパクトスタートアップへの金銭的支援は、世界的に見ても、政府や行政など公的機関によるものが主となっている中、この度立ち上げる「ソーシャルXインパクトファンド」は、民間による金銭的支援へのシフトに挑戦する新たな取り組みです。また、「ソーシャルXインパクトファンド」は2023年の休眠預金等活用法改正に基づく出資事業の初採択事業(休眠預金等を活用した出資)でもあり、政府や経済界からの注目と期待も非常に大きいと感じています。
◆「ソーシャルXインパクトファンド」の特徴
・官民共創による伴走支援(逆プロポによる実証実験の組成等)
通常のVCによる伴走支援では、スタートアップの事業に対する共感が形成されにくく、十分にステークホルダーを巻き込んだ支援を行うことは困難です。官民共創オープンイノベーションの仕組みである「逆プロポ ※1」により社会課題解決型スタートアップが自治体と共創した実証実験を組成することで共感が得られやすくなり、より多くのステークホルダーを巻き込んだ形で事業推進を図る事が可能となり、社会的インパクトの創出と事業成長を最大化します。
・投資及び伴走支援を通したインパクト測定・管理(IMM)の実践
投資検討段階から投資実行、投資後の伴走支援の各プロセスにおいて、インパクト測定・管理(IMM)に誠実に取り組みます。また、自治体との共創による実証実験に当たっては、IMMに取り組む中で作成するロジックモデルやインパクトレポートを活用し、事業の社会的インパクトを説明し合意形成を図ることで、更なる事業成長・インパクト創出に繋げていきます。
◆ファンドの概要
名称:ソーシャルXインパクト投資事業有限責任組合
投資テーマ:自治体だけでは解決が難しい社会課題(官民共創によるアプローチで解決できる社会課題)
投資分野:子ども・子育て、教育、健康・医療、福祉、防災、エネルギー、農林水産業・観光・交通・コミュニティなど幅広い分野を想定
ファンド運用規模:6億円~
ファンド運用期間:12年(延長最大3年)
出資予定額:500~5000万円程度
出資対象:主にシード~アーリー
ファンドHP:https://fund.socialx.inc/
※1 逆プロポについて
「逆プロポ」は、企業が「関心のある社会課題」を提示し、自治体がその課題に対する「アイデア」を提案する、従来の公募プロポーザルや入札のベクトルを逆転させた画期的な仕組みです。社会課題への深い洞察を有する自治体と課題解決の仕組み化を強みとする企業をテンポよくマッチングし、自治体と企業が受発注の関係を超えて官民共創を進めることが可能となります。(2021年度グッドデザイン賞受賞)
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グッドデザイン賞とは
1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を継承する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の向上を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。

会社概要
社名:株式会社ソーシャル・エックス
住所:東京都渋谷区渋谷2-21-1渋谷ヒカリエ32F
わたしたちは、企業と自治体とのオープンイノベーションを専門とする、社会課題解決型ビジネスの伴走者です。官民共創のパイオニアとして、全国の自治体とのネットワークを活用し、企業の新規事業創出とその社会実装を支援します。
<SOCIALXが提供する主なサービス>
・逆プロポ:企業の新規事業支援
・ソーシャルXアクセラレーション:インパクトスタートアップ支援プログラム
・Voice:アイデア共創プラットフォーム
https://voice.gyaku-propo.com/
・ソーシャルXスタジオ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000098.000088249.html
・ソーシャルXインパクトファンド:日本初、休眠預金を活用したインパクト投資ファンド
【本件問い合わせ先】
プロジェクト担当:投資担当・マネージャー 山野広貴
広報担当:Director 志賀久美子
メール:info@socialx.inc
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