【プレスリリース】11月20日は『世界子どもの日』 『見えない問題を見えるようにする』責任を!水面下に潜む子どもへの暴力・虐待 ユニセフ 対応強化を訴える
「声を掛けてあげて!」尾木ママが呼びかける公共CM配信中
この日、「子どもの権利条約」が国連総会で採択されたことを祝して制定されました。この日を
迎えるにあたり、ユニセフは、人知れず暴力や虐待で苦しんでいる世界の何百万人もの子どもたち
全てに、焦点をあててほしいと訴えます。
※本信は、ユニセフ本部配信のプレスリリースhttp://www.unicef.org/media/media_70976.htmlを
日本ユニセフ協会で仮訳したものに、国内での関連情報を追記したものです。
【2013年11月20日 ニューヨーク発】
今日11月20日は、国連が定める『世界子どもの日』(Universal Children’s Day)です。1989年の
この日、「子どもの権利条約」が国連総会で採択されたことを祝して制定されました。この日を
迎えるにあたり、ユニセフは、人知れず暴力や虐待で苦しんでいる世界の何百万人もの子どもたち
全てに、焦点をあててほしいと訴えます。
「虐待は目立たない形で行われることがほとんどです。だから周りに気づかれず、報告もされません。
そしてもっと悪いことに、多くの場合、子どもへの虐待は容認されているのです」とユニセフ
のアンソニー・レーク事務局長は語ります。「我々は、『見えない問題を見えるようにする』
ことに、責任を持たなければなりません。そのためにとるべき方法は、政府が子どもへの暴力を
禁止する法律を制定・施行することから、一般市民が虐待を目撃したときやその疑いに気づいた
ときに、沈黙するのでなく声を上げることまで、様々です」
子どもに対する暴力は、家庭内暴力、性的暴力(レイプ)、厳しすぎるしつけなど多くの形態があり、
それらは戦争や紛争の状況下でよく起こります。暴力をうけた子どもは、身体的にも精神的にも
深い傷を負います。
「子どもに対する暴力は、子ども一人ひとりを傷つけるだけなく、社会組織を次第にそこなわせ、
社会の生産性や福祉、繁栄に悪影響を与えます。どの社会においても、子どもに対する暴力を
無視することはできないのです」(レーク事務局長)
子どもに対する暴力を防ぎ、適切に対処するためのアプローチがあります。例えば、両親や家族、
子どもを保護する人々を支援すること、暴力から身を守るためのスキルを子ども自身が強化する
こと、暴力や虐待を容認する考えや社会的規範に対し、毅然とした態度でその改善を働きかける
こと、そして、子どもたちを守るための政策や法律を強化し施行すること、などです。
ユニセフは今年初め、「子どもに対する暴力の根絶」キャンペーンを開始しました。この世界的
な問題に取り組むために、世間の子どもに対する暴力への問題認識を広め、支援の拡大や
地域運動との連携を促進しています。
今年の『世界こどもの日』は、『子どもの権利条約』24周年にもあたります。1989年に国連総会で
採択された『子どもの権利条約』は、すべての子どもに人権を保障する法的拘束力を持った
初めての国際条約となりました。本条約は、世界のすべての子どもが生存し、成長し、どのような
暴力からも保護される権利を認めています。
ユニセフは、「チャイルドライン」の世界的ネットワークであるChild Helpline International
(CHI)が果たしている重要な役割を認識しています。141カ国に173のヘルプラインをもつCHIも、
今日、創立10周年を迎えます。本日CHIより発表された報告書では、子どもや若者が
「子どもの電話」にかけてくる最も多い理由は、暴力、虐待、ネグレクトであり、過去10年間の
全問い合わせ件数の17%を占める、と伝えています。
■■■ 日本ユニセフ協会も公共CMで ■■■
今月11月は、厚生労働省が制定した「児童虐待防止推進月間」です。日本ユニセフ協会でも
子どもたちへの暴力や虐待を予防する活動を行っています。
2011年8月、東日本大震災以降に大きく変わった環境や長期化する避難生活により感じるストレス
などが、虐待という形として現れることを防ぐために、ラジオ公共CMを制作。東北沿岸部の
災害FM局のご協力などを得て、児童相談所への通報や相談などを呼びかけるメッセージを
発信しました。
今年7月の厚生労働省発表によると、平成24年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待の
相談件数は、過去最多の約6万6,807件(前年度比6,888件増)。子どもの命が失われる重大な
ケースも報告されています。
東日本大震災の被災地のみならず、こうした悲しい出来事を未然に防ぐために少しでもお役に
立てたら。そんな思いから、2年前に制作した公共CMのうち、尾木ママこと教育評論家の
尾木直樹さんにご出演いただいた『尾木ママ』編を、全国のラジオ局に改めてご案内。
岩手県の陸前高田災害FMや、宮城県山元町のりんごラジオ、けせんぬまさいがいエフエム、
わたりさいがいエフエムFMあおぞら、ラジオ福島などでご紹介いただいています。
明日11/21(木)13:00~13:20には、山元町りんごラジオに、日本ユニセフ協会 子どもの保護
小野道子アドバイザーも出演。被災地の子どもたちが置かれている現状を報告します。※
※この番組は、インターネットでもお聞きいただけます。http://www.simulradio.jp/
ユニセフ虐待防止ラジオ公共CM『尾木ママ編』(完全版・45秒)は、こちら
http://www.youtube.com/watch?v=5AfJhe0_XB4からお聞きいただけます。
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■本プレスリリースに関するお問い合わせ
(公財)日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 jcuinfo@unicef.or.jp
ユニセフ本部(ニューヨーク)
Rita Ann Wallace Tel: 1 212-326-7586, Mobile: 1 917-213-4034, rwallace@unicef.org
Madeline Eisner Tel: 212-326-7120, Mobile: 1917-2579616 meisner@unicef.org
Susannah Masur Tel: 212-326-7452
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、世界の子どもたちの命と健やかな成長を守るために
活動する国連機関です。現在、150以上の国と地域で活動しています。ユニセフは、子どもの権利を
守る主要な機関として、保健、教育、栄養、水と衛生、保護、緊急支援などの支援活動を実施して
います。活動資金は、すべて個人や企業・団体・各国政府からの任意拠出金でまかなわれています。
(www.unicef.org)
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、
日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、
政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)