Arm、5G時代のデジタルイマージョンを実現する、次世代モバイルデバイス向けプロセッサIPスイートを発表

「Cortex-A78」、「Mali-G78」、「Ethos-N78」プロセッサの提供により、新たなスマートフォン体験を実現

アーム株式会社

英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)は、次世代モバイルデバイス向けの最新プロセッサIP(半導体設計資産)スイートとして、CPU「Arm® Cortex®-A78」、GPU「Arm® Mali™-G78」、およびNPU「Arm® Ethos™-N78」プロセッサを発表しました。さらに、Arm Cortex CPUのカスタマイズと差別化を可能にする「Arm Cortex-X Custom」プログラムと、同プログラム初のCPUであり、ピーク時パフォーマンスが30%向上した「Arm Cortex-X1」を初公開しました。

発表の概要:
  • CPU「Arm Cortex-A78」: 従来性能を20%向上、次世代スマートフォンのユーザー体験を変革
  • 「Arm Cortex-X Custom」プログラム: Cortexのカスタム・ソリューションを可能にする最新のプログラムにより、ピーク時パフォーマンスが30%向上した「Arm Cortex-X1」を提供
  • GPU「Arm Mali-G78」: Valhallアーキテクチャをベースに、パフォーマンスを25%高めた最高性能のMali GPU
  • NPU「Arm Ethos-N78」: パフォーマンス効率を25%向上し、かつてないML処理能力を実現

この未曾有の世界的健康危機の中、人々をつなぎ、手助けし、支えてくれるテクノロジーとの関わり方やその活かし方に関して、私たちは急速な社会変化に直面しています。その結果、人々の暮らしの中でスマートフォンが果たす役割も大きくなっており、例えば食料品宅配アプリで家族に食事を届けたり、大切な人や同僚との日々のコミュニケーションをバーチャルで行う際に、スマートフォンは欠かせない存在となっています。Armベースのスマートフォンが、日々の暮らしを支えるコンピューティング・ハブとなっていることは間違いありません。

このように生活の中での依存度が高まる以前から、スマートフォンのさらなる可能性の探求に大きな期待が寄せられていました。これらの要因とともに5GとAIの時代が到来したことで、私たちの手に収まるスマートフォンには、より高いパフォーマンスと効率性が求められています。しかし、人々の日常生活で必要とされるアプリケーションで最高の体験を提供できるよう最適化されることで初めて、パフォーマンスや効率性の追求が意味を持ちます。現実的な使われ方の中で、これまで以上に没入感あふれるユーザー体験をパートナーエコシステムが提供できるよう、Armは現在、パフォーマンスと効率性の大幅な向上と、セキュリティやシステムの全体的な改善に取り組んでいます。次世代のモバイルソリューション(*1)に関する本日の発表は、こうした取り組みの最新の成果といえます。
*1) https://www.arm.com/solutions/mobile-computing/smartphones?utm_source=arm&utm_medium=press&utm_campaign=2020_client-premium-total-compute_mk04-3_na_na_arm_awa&utm_term=na&utm_content=blog

Cortex-A78: 次世代のスマートフォン端末で、PCレベルの生産性を実現
新しいArm Cortex-A78 CPUは、パフォーマンスの向上のみならず、消費電力とエリアサイズ両方の効率化の要求にも応えます。事実、Cortex-A78はモバイル向けに設計されたCortex-A CPUの中で最も効率的なプロセッサです。1Wのパワーバジェット内で前世代のCortex-A77ベースのデバイスに比べて従来性能が20%向上するほか、演算ワークロード管理の効率化や、オンデバイスの機械学習(ML)性能の向上により、没入感あふれる5G体験が1回の充電で数日にわたり持続します。さらに、Cortex-A78の優れたワットあたり性能は、複数の大画面を持つ折りたたみ型スマートデバイスという新たなカテゴリーにおける高い演算要件にも最適です。

Arm Cortex-A78の技術的な詳細については、次のブログ記事(英文)をご覧ください。
https://community.arm.com/developer/ip-products/processors/b/processors-ip-blog/posts/arm-cortex-a78-cpu

Arm Cortex-X Customプログラムを発表
今日のコンピューティング機器のあらゆるカテゴリーの中でも、スマートフォンの性能は最も急速に進化しています。究極のパフォーマンスに向けた、この飽くなき需要に応えるべく、Armはこのたび、Cortex-X Customプログラムと呼ばれる新たなエンゲージメント・プログラムを発表します。これは、CPUのパフォーマンスを高めるための柔軟性と拡張性に優れた選択肢をArmのパートナー企業に提供するものです。

Cortex-X Customプログラムにより、Arm Cortex製品の既存ロードマップの枠組みを越えたカスタマイズと差別化が可能となり、パートナー企業は、特定の用途向けに究極のパフォーマンスを実現できるソリューションが得られます。Arm Cortex-X1は、同プログラム初のCPUであると同時に、これまでで最も強力なCortex CPUです。本製品は、Cortex-A77との比較でピーク時のパフォーマンスが30%向上しており、ハイエンドのスマートフォンや大画面デバイス向けの、これまで以上に競争力の高いソリューションが実現します。

新プログラムについての詳細は、次のブログ記事(英文)をご覧ください。
https://community.arm.com/developer/ip-products/processors/b/processors-ip-blog/posts/arm-cortex-x-custom-program

Mali-G78:没入感あふれるエンターテインメントを持ち運ぶ
昨年、Armの最新GPUアーキテクチャであるValhallアーキテクチャを採用したMali-G77 GPUが登場し、Armのグラフィックス性能と効率性は著しい向上を遂げました。そして、ValhallアーキテクチャのGPUである最新のMali-G78においても、その勢いは衰えず、Mali-G77に比べグラフィックス性能は25%向上しています。本製品は最大24コアをサポートし、より効率的なグラフィックス処理が実行されるために、非同期トップレベルを採用、タイル処理部の強化、フラグメント依存性トラッキングを向上、グラフィックス性能にさらなる進化がもたらされました。加えて、Mali-G78の優れた電力効率によりモバイルデバイスのバッテリーライフが向上し、ユーザーは、より長い時間、お気に入りのエンターテインメント体験を外出先でも楽しむことができます。一方、開発者にとっては、Performance Advisorなどの、Arm開発者向けツールの強化により、ボトルネックの迅速な検出やリアルタイムレポートが可能になり、継続的な統合と開発ワークフローの高速化が実現できコンテンツを簡単に最適化し、Arm Mali GPU上でシームレスに実行できるようになります。

また、パートナー企業からの要望に基づき、Mali-G78に加えて、新たにサブプレミアム・クラスのGPUを提供開始します。その第1弾となるのが、シェーダコアを1コアから最大6コアまでをサポートし、Mali-G78のすべての最新機能を継承した「Arm Mali-G68」です。これによりArmのパートナー企業は、開発者やコンシューマーマーケットのより幅広い要求に対して、ハイパフォーマンス体験を提供できるようになります。

Arm Mali-G78の技術的な詳細については、次のブログ記事(英文)をご覧ください。
https://community.arm.com/developer/tools-software/graphics/b/blog/posts/arm-mali-g78-gpu

Ethos-N78:かつてないML処理能力を自在に
最新のAR対応スマートフォンアプリやスマートホーム・ハブなど、拡大を続けるMLの用途に対応するため、Armはニューラルプロセッシングユニット(NPU)であるEthos-N78を提供開始します。この拡張性と効率性に優れたNPUは、前世代のEthos-N77の成功を基礎としたもので、オンデバイスのML処理能力を強化しつつ、パフォーマンス効率は最大25%向上します。さらにEthos-N78は、1TOP/秒から最大10TOP/秒までの構成が用意されており、かつてない構成の柔軟性を提供します。

Arm Ethos-N78の技術的な詳細については、次のブログ記事(英文)をご覧ください。
https://community.arm.com/developer/ip-products/processors/b/processors-ip-blog/posts/arm-ethos-n78-npu

新たな現実を創出
5Gが到来し、速度やコネクティビティの向上、レイテンシーの低減が約束されることで、想像できないほどの新たなユーザー体験が実現し、次世代のコンピューティング機器のパフォーマンスと効率性は、これまでの限界を超えるものになると期待されます。自動運転車、AI、XR、スマートフォンなど、新たなユースケースの到来が予想される一方、これらはいずれも、高いパフォーマンスとセキュリティを備え、開発者が広範かつ簡単に利用できるテクノロジーを必要とします。Armは、こうした要件に対して独自のアプローチを採用しています。Armの「Total Compute」(*2)アプローチを通じて、将来的なイノベーションに必要なすべてのビルディングブロックが連携できるよう、最適化を図っています。
*2) https://www.arm.com/why-arm/total-compute

今日のモバイルの世界と、そのソフトウェアやアプリケーションは、Armアーキテクチャ上で動作しています。そして、モバイルの未来が今後もArmベースで構築される中、Armはエコシステムパートナーとの協力に基づき、5G時代の真のデジタルイマージョン体験の実現に取り組んでいます。

エコシステムパートナーからの賛同コメント
「SamsungとArmは、テクノロジー面での強力なパートナーシップを有しています。Cortex-X CustomプログラムによりArmは新たな方向性を示しており、Androidエコシステムにおける次世代のユーザー体験に向けたイノベーションの実現に大きな期待を寄せています」 – Samsung Electronics社、SoC設計部門バイスプレジデント、Joonseok Kim氏

「Armの新たなプレミアムソリューションは、パフォーマンスと電力効率に優れたプラットフォームであり、Unityの多数のクリエイターは今後、あらゆる人々の日々の暮らしを形作る、没入感あふれる次世代のネットワーク体験をシームレスに提供できるようになります」 – Unity社、研究開発部門バイスプレジデント、Ralph Hauwert氏

「FacebookとArmは現在、極めて広範に利用される機械学習フレームワークをCPUの枠を超えて拡大すべく、コラボレーションを展開しています。Armの演算プラットフォームとPyTorch Mobileの組み合わせにより、エッジデバイスでは、新しい魅力的なMLアプリケーションが実現します」 – PyTorch Mobile社、プロダクトマネージャー、Christian Keller氏

「ArmとCrytekは共通のビジョンを掲げており、CRYENGINEエンジンをAndroidエコシステムに導入し、デスクトップクラスのグラフィックスをモバイル機器で実現するために協力しています。Armが新たに提供する強力なプレミアムモバイル向けIPスイートは、エッジデバイスではこれまで不可能と考えられていた、かつてない忠実度の視覚効果を実現するための柱となります」 – Crytek社、CRYENGINE担当技術ディレクター、Theodor Mader氏

Armについて
Armのテクノロジーは、コンピューティングとデータによる革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れた高度なプロセッサ設計は、1,600億個以上のチップを通してインテリジェントなコンピューティングを実現してきました。Armのテクノロジーは各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、さまざまな製品をセキュアにサポートしており、世界人口の70%以上に使用されています。さらに、このテクノロジーにIoTソフトウェアやデバイス管理プラットフォームを組み合わせ、顧客がコネクテッドデバイスからビジネス価値を生み出すことを可能にしています。Armは現在1,000社以上のテクノロジーパートナーとともに、チップからクラウドまで、演算が行われるあらゆる分野における設計、セキュリティ、管理を支える技術の最先端を担っています。

全ての情報は現状のまま提供されており、内容について表明および保証を行うものではありません。本資料は、内容を改変せず、出典を明記した上で自由に共有いただけます。ArmはArm Limited(またはその子会社)の登録商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれのホールダーの所有物です。© 1995-2020 Arm Group.

 

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


関連リンク
http://www.arm.com/
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

アーム株式会社

12フォロワー

RSS
URL
http://www.arm.com/
業種
情報通信
本社所在地
神奈川県横浜市港北区新横浜2-3-12 新横浜スクエアビル17F
電話番号
045-477-5260
代表者名
内海 弦
上場
-
資本金
-
設立
-