山縣、桐生らが登壇!いよいよ明日国立競技場にて!セイコーゴールデングランプリ陸上2020 東京【前日記者会見】
8月23日に開催される「セイコーゴールデングランプリ陸上2020東京」(GGP)の前日記者会見が、8月22日午後、競技会場となる国立競技場(東京)において行われました。
会見は、新型コロナウイルス感染防止の観点から、今回はオンラインでの実施に。男子と女子の2部に分けられ、第1部には男子100mに出場する桐生祥秀(日本生命)、山縣亮太(セイコー)、多田修平(住友電工)、ケンブリッジ飛鳥(Nike)の4選手が、第2部には女子1500mに出場する卜部蘭(積水化学)、女子走幅跳に出場する秦澄美鈴(シバタ工業)、女子やり投に出場する北口榛花(JAL)の3選手が臨み、現在の自身の状況や大会に向けての抱負などを述べました。
各選手の主なコメントは、以下の通りです。
【第1部:男子トラック種目選手】
※会見時のコメント順に掲載
・多田修平(住友電工) エントリー:男子100m
今年のシーズン序盤は、あまりいい結果が出せていないが、試合を重ねるたびに少しずつ(調子が)上がってきている。明日はしっかり走って、もちろん優勝を目指して頑張っていきたい。
前回のレース(8月12日、10秒37、+0.5)では、全体を通して、すごく力の入った走りになっていたので、この大会に向けては、まずは、リラックスして(走りに)キレを出すことを意識してやってきた。明日は、自分のレースに集中しつつ、リラックスして走ることができたらいいなと考えている。
(この国立競技場は)レースで走るのは初めて。タータン(走路)の感触とか、自分の走りに対してどんな反発が返ってくるのかといったことを、ウォーミングアップのときから確認したい。
徐々に調子も上がってきているので、自分のレースができれば、自己ベスト近くのタイムは出せるのではないかと思っている。ハイレベルな戦いになると思うが、自分のレーンだけを見て、自分のレースに集中することができたら力まずに最後まで走れると思うので、自分のレースだけに集中して走りたいなと考えている。
・桐生祥秀(日本生命) エントリー:男子100m
今シーズンは、あと何本走れるかわからないので、しっかり1本1本走るつもりだし、(コロナウイルス禍の)こういう時だからこそ、(見ている人の)元気が出るような走りをしたい。
今季はここまで100mで1試合(8月1日:10秒04、+1.4)、200mで1試合(8月10日:20秒51、+1.4)に出場している。去年から課題にしていたトップスピードを今年も目標にしているので、この大会でもそれを意識しながら走りたい。
(新国立競技場での初めての公認レースとなるが)自分には(建て替える前の)旧国立競技場では、これといった思い出がないので、この新国立で、思い出に残るような走りがしたい。
明日は(レース)中盤から後半の部分で、自分の(イメージする)いい走りができたら、いい結果もついてくると思う。このメンバー(のなかで)で優勝するとなると、(それなりの)タイムが絶対に必要になってくる。タイムは気にせずに、優勝を目指して走りたい。
・山縣亮太(セイコー) エントリー:男子100m
今シーズン初戦ということで、しっかりと、次に繋がるレースができればいいなと思っている。昨年は(故障等で)不本意なシーズンだったので、そこから少しでもいい走り、変わった走りができるようにしたい。去年のセイコーGGPが10秒11だったので、それを上回るタイムを目指して頑張る。
自分は(昨年末に行われた新国立競技場オープニング)イベントにも参加できなかったので、今回が初めての国立競技場となる。サブグラウンドからメイン(会場)までの雰囲気や、ウォーミングアップからレースに向けての流れとか、そういったところを主に確認し、来年のオリンピックのイメージトレーニングに繋げたい。
・ケンブリッジ飛鳥(Nike) エントリー:男子100m
初戦(7月下旬の東京選手権:10秒22で優勝)をいい形で入ることができた。去年あたりから、しばらく自分の納得のいく走りから遠のいていたので、今回は、そういう走りができたらいいなと思っている。
初戦では、(レースの)前半で身体が起きるのが早かったことと、後半で少し乗り込みが甘かったかなという反省があったので、この大会に向けては、そのへんを重点的に修正してきた。前回のレースよりはいい状態になっていると思うので、自己ベスト(自己記録10秒08、2017年)…10秒0台あたりで走れたらいいなと考えている。
明日は、周り(の選手のことも)も少し意識しつつ、自分のレースに集中できれば…。自分は、後半が武器。そのへんをうまく出していけたら、(勝利の)チャンスはあると思う。
この競技場は、イベントに一度参加しているが、明日は、改めて競技場の雰囲気などを感じて、来年に向けていいイメージで(試合を)終われるようにしたい。
【第2部:女子選手】
※会見時のコメント順に掲載
・卜部蘭(積水化学) エントリー:女子1500m
まずは、こういう状況のなかで大会を開催していただけることに感謝したい。また、新しくできた国立競技場で走れるということにワクワクしている。その気持ちを力に変えて、明日は自己ベスト(自己記録4分14秒52、2019年)、さらには日本記録(4分07秒86、小林祐梨子、2006年)を更新できるように頑張りたい。
明日は、まず、競技場のトラックの感触を味わいたいと思っている。また、周りの雰囲気なども含めて、「オリンピック当日では、どういうふうになるのかな」といったことを想像しながら走ることができたらいいなと思う。また、私は東京都の出身なのだが、実家はここから3km圏内ということもあって、この国立競技場は、以前からずっと思い入れのある場所だった。その競技場で、いい走りができたらな、と思う。
・北口榛花(JAL) エントリー:女子やり投
今季初めての試合を、ここ新国立競技場でできることがすごく楽しみ。来年のオリンピック会場でもあるので、そのためにも会場の雰囲気などを感じながら、試合に臨めたらいいなと思う。(状態としては)まだ日本記録(=自己記録66m00、2019年)の更新とかを目標にできる段階ではないのだが、精いっぱい最善を尽くしていきたい。また、(同じ競技場で行われるオリンピックのために)明日は、ピットの地面の固さなどをチェックすることと、競技場の風の抜け方をしっかり把握して臨めたらいいなと思っている。
(コロナ禍による自粛期間中は)6月から競技場が使えるようになり、そこから専門的練習を始めたが、その段階では出場できる試合も決まっていなかったので、ゆっくりと練習をしてきた。今回、オリンピックが1年延期となったことで、「1年あるからこそ取り組めること」としてチャレンジしている。具体的には、助走歩数の配分の変更。全体の歩数は変化していないが、前向きに走る保持走を2歩増やして、横向きに走るクロス走を2歩減らした。それによって助走スピードが速くなると考えての変更である。助走が速くなるぶん投げるのが難しくなり、数日前には「元に戻したら?」というアドバイスもいただいたが、元の助走のリズムは忘れてしまっているので、もうあと戻りはできない状態(笑)。このまま突っ走ろうと思っている。
・秦澄美鈴(シバタ工業) エントリー:女子走幅跳
明日は、今季2戦目となる試合。自分は、試合などであまり緊張しないほうなのだが、今、すごく緊張している。また、(オリンピック会場にもなる)新国立でのセイコーゴールデングランプリということで、すごく気合いも入っているので、その緊張と気合いをうまくコントロールして、自分の納得のいく跳躍ができたらいいなと思う。
とても大きな会場なので、明日は、ピットに立ったときの感覚…スタンドにお客さんが入ったときに、どのくらい圧倒されるのかといったことを想像しながら臨みたい。また、(走路の)反発なども、しっかりと確認しておきたい。
GGPは、当初5月10日に開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、延期の措置がとられました。その後、日本陸上界は、7月から競技会開催などの活動を再開。GGPについても、日本陸連が策定した「陸上競技活動再開のガイダンス」に沿った準備や運営の導入、無観客試合とするなど、万全の感染防止対策をとることによって、開催を実現させることができました。
例年のように、海外のトップアスリートの来日は叶いませんでしたが、2020年屋外シーズン初の全国規模の陸上競技会として、全20種目それぞれに国内のトップ競技者が多数エントリー。1年延期となった東京オリンピックに向けて、新たなスタートを切る大会となります。さらに、未来の陸上界を担う高校生から選抜した競技者がトップアスリートとともに競う「ドリームレーン」の実施など、従来になかった新たな取り組みも予定されています。
新型コロナウイルス感染拡大防止のために、残念ながら無観客での実施となりますが、その一方で、テレビ放送やインターネット配信での“リアルタイム”観戦がより充実するよう、さまざまな工夫も凝らされました。11時35分から開始(男子走高跳)となる競技の模様は、TBS系全国ネットでの生中継(15時~)、民放ポータルサイトTVer、TBSFreeでのライブ配信(13時~)が予定されているほか、自分の見たい種目や選手インタビューを選ぶことのできる「TBSマルチアングルライブ」の配信や、“みちょぱ”の愛称で知られる人気タレントの池田美優さん、クロスフィットトレーナーのAYAさん、陸上競技経験者で現在女優として活躍する朝比奈彩さん、日比麻音子アナウンサーによるYouTubeライブ配信イベント『陸上好き女子会』などでも楽しむことができます。
これらの配信情報のほか、出場選手情報、タイムテーブルやスタートリスト、結果速報等については、大会の特設サイト(http://goldengrandprix-japan.com/)をご参照ください。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
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