パーパス経営が仕事の満足度を高める効果とパーパスが従業員に伝わりやすい組織文化を実証
~明治大学・加藤拓巳専任講師と日本電気株式会社(NEC) 小泉昌紀ディレクター率いるcausal analysisグループが共同研究成果をJournal of Marketing Communicationsで報告~
明治大学商学部の加藤拓巳専任講師と、日本電気株式会社(NEC) 小泉昌紀ディレクター率いるcausal analysisグループによるパーパス経営に関する以下の共同研究成果が報告されました。
本研究成果のポイント
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かつては気候変動や健康などの社会問題解決と経済成長はトレードオフの関係とみなされてきたが、現在はその両立をしなければビジネスの持続が困難になっている。そこで、顧客価値と社会問題解決を満たすパーパスの定義の重要性が訴えられている。
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日本の10業界(自動車、家電、衣料、化粧品、食料品、IT、医療品、小売、銀行、行政)で働く正規社員に対する調査に基づいて、従業員に共感されるパーパスが仕事の満足度を高めることを明らかにした。
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パーパスがもたらす効果は大企業よりも中小企業で顕著であった。多くの事業を抱える大企業ではパーパスが抽象的になる傾向があるため、パーパスをアンブレラ構造にすることで、各事業に属する従業員が共感できるサブパーパスを設定することが有効だろう。
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一方で、競争力の高い商品を担当した経験は、外部にアピールしやすくなるため、その後の転職意向を高めるリスクがあることも判明した。よって、従業員の転職リスクを見積もる予測モデルには、担当してきた商品の知名度・魅力度を変数に投入することは有効な可能性がある。
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さらに、顧客第一主義よりも、従業員第一主義を銘打った経営メッセージの方が、従業員にパーパスを効果的に伝達できることが示された。
論文情報
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Kato, T., & Koizumi, M. (2024). Impact of corporate purpose and product attractiveness on job satisfaction and turnover: Evidence from Japanese industries. Journal of Marketing Communications, 1-16. Taylor & Francis. https://doi.org/10.1080/13527266.2023.2297354
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Kato, T., & Koizumi, M. (2024). Customers first vs employees first: Effective organizational culture contributing to empathy. Proceedings of the 6th International Conference on Artificial Intelligence in Information and Communication, 1-5. IEEE.
この記事に関連するページ
参照:ビジネスの羅針盤
https://jpn.nec.com/solution/causalanalysis/index.html
加藤拓巳専任講師ホームページ
加藤拓巳専任講師の研究紹介記事「マーケティングとは、販売を不要にする価値づくり」(Meiji.net)
https://www.meiji.net/business/vol429_takumi-kato
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