日本音楽著作権協会(JASRAC)は、第12回JASRAC音楽文化賞を発表しました

日本音楽著作権協会(本部:東京都渋谷区、理事長:伊澤 一雅、以下「JASRAC」)は、11月18日、第12回JASRAC音楽文化賞を発表しました。受賞者は次のとおりです。

<第12回JASRAC音楽文化賞 受賞者>

・ぐらもくらぶ 様

・一般社団法人 HOPEプロジェクト 様

・株式会社 矢川ピアノ工房 様

・北海道農民管弦楽団

JASRAC音楽文化賞は、売り上げや利用実績などの数字には表れない地道な活動を行っている個人・団体・作品等に光を当て、音楽文化の発展に寄与した功績を称え顕彰することにより、今後の活動への励みとしていただくことを願い、2014年11月に創設しました。受賞者には表彰盾と副賞(50万円)が贈られます。

顕彰候補は全国各地の報道機関等から寄せられ、有識者で構成する選考委員会で選考が行われました。

JASRACは、今後も音楽風土を支え育む活動等に注目し、顕彰することを通じて、音楽文化の発展に寄与する取り組みを進めてまいります。


<第12回JASRAC音楽文化賞受賞者>
ぐらもくらぶ 様

顕彰理由

SPレコードでしか聴くことのできない貴重な音源をCDで復刻するレコードレーベル。日本人によるジャズやタンゴ、ラテンなどにとどまらず、昭和初期に流行した秘曲や、日本の庶民芸能の聖地「浅草六区」や「大大阪」などにゆかりのある芸人や歌手など、日本のポピュラー音楽の源流となる音源を多数復刻している。これら明治・大正・昭和戦前期の音源の発掘は史料としての価値も高く、日本の音楽文化の豊かさを示す意義のある取り組みを顕彰する。

略歴・実績

アーカイブ・プロデューサー、戦前レコード文化研究家の保利透氏(写真)が主宰するレコードレーベル。2010年、保利氏が協力者とともに、同氏の保有するSPレコード音源を通して歴史の中に埋もれている社会や文化、世相をユニークな切り口で紹介する活動を開始。大手レーベルの復刻企画を皮切りに、2012年には独自のレーベルとして昭和戦前期までのSP音源を復刻し、これまで50作のCDを世に送り出している。近年では現代の演奏家が戦前の録音方法を再現する活動『大土蔵録音』が注目されたほか、関連書籍の発行や図書館や美術館でのSPレコードの実物展示などの活動を盛んに行っている。レーベル名は昭和9年に大阪の蓄音器商により設立された「ぐらも・くらぶ賞」に由来する。2022年「第34回ミュージック・ペンクラブ賞最優秀作品賞」受賞。


一般社団法人 HOPEプロジェクト 様

株式会社 矢川ピアノ工房 様

顕彰理由

原爆が投下された広島と長崎で、原爆の爆風、熱線、放射能などの被害を受けた「被爆ピアノ」を修復・保存し、各地で演奏会などを開催している。戦後80年を迎え、戦争に関する人びとの記憶の風化が進む中、「被爆ピアノ」は戦争の悲惨さ、平和を祈る尊さについて考える機会を生み出し、記憶をとどめる装置として機能し続けている。「被爆ピアノ」の保存と活用に尽力してきたそれぞれの取り組みは、未来に音楽の可能性を託し、ピアノの音色を通じて平和への思いを次の世代につないでいる。

略歴・実績

一般社団法人 HOPEプロジェクト 様

法人名は、Hiroshima Overplaces People's Educationの頭文字から。代表理事は二口とみゑ氏(写真左)。広島への原爆投下で亡くなった河本明子さん(当時19歳)が愛用し、原爆で傷ついたピアノを、明子さんの両親と親交があった二口とみゑ氏が譲り受け、2005年、調律師の坂井原浩氏によって修復、「明子さんのピアノ」として保存・管理し、人々に伝える取り組みを行っている。このピアノを2005年8月に被爆60周年祈念「被爆ピアノチャリティコンサート」で演奏使用して以降、コンサートや平和学習の場に貸し出してきた。ピアノは現在、広島市平和記念公園内のレストハウスに被爆遺品として常設展示され、マルタ・アルゲリッチ氏らもこの地を訪れ、演奏している。2019年「第21回国際交流奨励賞」受賞。


株式会社 矢川ピアノ工房 様
1995年、前代表(現取締役)の矢川光則氏(写真右)が創業。ピアノの販売・調律とともに、古いピアノの再生を行い、福祉施設などへ寄付する奉仕活動を始める。その活動の中で「被爆ピアノ」と出会い、2001年から広島市の平和記念公園でコンサートを始める。2005年からは全国から依頼を受けて各地に「被爆ピアノ」を運び、演奏会などで活用する取り組みを開始。現在修復した「被爆ピアノ」を7台所有し、演奏会回数は3,500回を超える。2010年にニューヨークのコンサートで、2017年にオスロで開催された「ノーベル平和賞コンサート」でも使用された。また子どもたちがいつでも学ぶ機会を持てるようにとの願いから、2021年、同社敷地内に「被爆ピアノ資料館」を開館し、平和学習の場として提供している。


北海道農民管弦楽団 様

顕彰理由

北海道在住の農家や農業関係の仕事に携わる音楽愛好家が集い、結成されたオーケストラ。宮沢賢治が執筆した芸術論『農民芸術概論綱要』に共感し、「鍬(くわ)で大地を耕し、音楽で心を耕す」をモットーに演奏活動を続けている。賢治の夢を現代によみがえらせ、生活に根差した芸術を掲げた理念の体現は、地域や職業と深く結びついた音楽活動として豊かな音楽風土を築き、地域の音楽文化振興に大きく寄与している。

略歴・実績

現代表の牧野時夫氏(写真)が中心となり、1994年結成。農閑期に一堂に会して演奏会を行うことにより、自らの研鑽と地域文化の発展に寄与することを目的に活動するアマチュアオーケストラ。1995年1月、初の演奏会を開催、以降北海道内各地で年1回の演奏会を開催する。2011年デンマーク公演、2013年宮沢賢治没後80年を記念し、岩手県花巻市で公演を行った。農村文化の担い手との交流を図るとともに、都市住民に農村と農業への理解を深めてもらうため、積極的に各地での公演を行っている。2000年「第6回ホクレン夢大賞」、2007年「第15回北海道地域文化選奨特別賞」、2012年、2015年、2019年「ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」、2018年「第28回イーハトーブ賞」を受賞。


<JASRAC音楽文化賞選考委員(報道社名五十音順)>

河村 能宏 氏(朝日新聞東京本社 文化部 次長)

佐竹 慎一 氏(共同通信社 編集局文化部 部長)

高橋 俊雄 氏(日本放送協会 解説委員室 解説委員)

堤 篤史  氏(日本経済新聞社 総合解説センター 編集委員)

清川 仁  氏(読売新聞東京本社 編集局文化部 次長)


<推薦協力>

一般社団法人 日本新聞協会


■一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)について
JASRACは作詞家、作曲家、音楽出版社等の権利者から音楽の著作権の管理委託を受け、音楽を利用する方々に利用を許諾し、その対価としてお支払いいただいた著作物使用料を著作権者に分配しています。1939年に国内初の著作権管理団体として設立され、85年以上にわたり、著作権管理のプロフェッショナルとして音楽文化の発展に向けた努力を続けています。

団体名 :一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)
代表者 :理事長 伊澤 一雅
本部所在地:東京都渋谷区上原3-6-12
設立 :1939年11月18日
URL : https://www.jasrac.or.jp
事業内容 :音楽の著作物の著作権に関する管理事業、音楽著作物に関する外国著作権管理団体等との連絡及び著作権の相互保護、私的録音録画補償金に関する事業、著作権思想の普及事業、音楽著作権に関する調査研究、音楽文化の振興に資する事業

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会社概要

URL
https://www.jasrac.or.jp
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都渋谷区上原3-6-12
電話番号
03-3481-2121
代表者名
伊澤一雅
上場
未上場
資本金
-
設立
1939年11月