『第41回日本栄養治療学会学術集会』において、ネスレ ヘルスサイエンスの栄養補助飲料(無脂肪タイプ)に関する研究成果が発表されました。
ネスレ日本株式会社 ネスレ ヘルスサイエンス カンパニー(本社:兵庫県神戸市、カンパニープレジデント:中島昭広、以下「ネスレ ヘルスサイエンス」)は、2026年2月13日(金)、14日(土)に神奈川県横浜市にて開催された『第41回 日本栄養治療学会※1学術集会(JSPEN 2026)』に参加し、ネスレ ヘルスサイエンスが販売、提供する栄養補助飲料(無脂肪タイプ)に関する研究成果を発表しました。

ネスレ ヘルスサイエンスは、科学的な根拠に基づき、顧客課題や社会課題の解決に向けた栄養に関する
ソリューションを提供し続けることを目指しています。今後も、研究活動や学術発表によって栄養療法の発展に寄与するとともに、科学的根拠に基づいた製品やサービス、情報提供を行っていきます。
※1日本栄養治療学会(英文名称 Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition Therapy(JSPEN)):静脈経腸経口栄養を中心とする栄養療法及びそれらを支える基礎的栄養学全般に関する会員相互及び内外の関連学術団体との研究連絡、知識の交換、提携の場となることを通して、代謝及び栄養学の進歩普及に貢献するための事業を行い、学術文化の発展と医学及び医療の向上に資することで国民の健康と福祉に寄与することを目的としています。
胃がんの術後における栄養補助飲料の有用性
研究の背景
胃がんに対する胃切除術後は体重減少に加え、健康関連QOLの低下が問題となります。本研究では、胃がん術後の栄養管理に栄養補助飲料を用いることで、術後早期の健康関連QOLに影響があるかを検討しました。
研究方法
根治的手術を実施した胃がん患者122名を対象に、栄養補助飲料を8週間 1日最大400kcal摂取する群(摂取群)と、摂取しない通常管理群に分け、体重減少率、健康関連QOLを評価しました。(ランダム化比較試験)
主な結果
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栄養補助飲料の摂取量は1日あたり平均309kcalで、85%の患者が200kcal/日以上の栄養補助飲料を摂取しました。
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体重減少率は、摂取群が-4.8%と、通常管理群の-6.4%に比べて有意に抑制されました。
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健康関連QOLは、摂取群で一部のスコア(不眠、食欲不振、下痢)が通常管理群より悪化していましたが、重度症状の割合に差はありませんでした。
まとめ
本研究結果から、胃がん術後における栄養補助飲料の体重減少抑制効果が示されました。ただし、不眠や下痢等の潜在的なQOL低下に留意し、個々の患者に応じた適切な摂取指導を行う必要があります。
‐発表概要‐
要望演題
演題名: 胃癌術後における経口栄養補助剤がHRQoLへ及ぼす影響
試験デザイン: ランダム化比較試験
発表者: 上野剛平(京都大学大学院医学研究科)、錦織達人(京都市立病院)、平井健次郎(大津赤十字病院)、畑啓昭(京都医療センター)、岡部寛(新東京病院)
食道がんの術前化学療法治療中における栄養補助飲料摂取の有用性
研究の背景
食道がんでは、術前化学療法前および術前のサルコペニアが術後合併症のリスク因子とされています。
本研究では、術前化学療法中の体組成(特に骨格筋量)変化に着目し、術前化学療法中の栄養補助飲料摂取による栄養介入が合併症(特に術後肺炎)の発生を減らすことができるかを探索的に検討しました。
研究方法
Stage II/IIIの食道がん患者(22名)を対象に、両群とも術前化学療法中にリハビリテーションを実施したうえで、栄養補助飲料を1日400kcal摂取する群と、通常の食事のみの群に分け、全身骨格筋指数、
栄養指標、術後合併症等を比較しました。(ランダム化比較試験)
主な結果
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本研究で用いた栄養補助飲料の摂取量は、患者の食欲不振の程度と相関しませんでした。
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全身骨格筋指数の変化量に明確な差はみられなかったものの、体重は栄養補助飲料摂取群で
「(体重変化量)増加傾向」 と 「体重の維持」が認められました。
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術後の肺炎は、食事のみの群の25%で発生しましたが、栄養補助飲料摂取群では発生しませんでした。
‐発表概要‐
要望演題
演題名: Stage II/III食道癌術前化学療法中の栄養補助飲料摂取に関するランダム化比較試験-探索的研究- *学会発表時の正式演題名とは異なり、特定の製品名を用いずに記載しています。
試験デザイン: ランダム化比較試験
発表者: 三木友一朗(大阪公立大学医学部附属病院 消化器外科)、西智史(泉大津急性期メディカルセンター 外科)、宮本裕成(南大阪病院 外科)、石館武三(大阪公立大学医学部附属病院 消化器外科)、吉井真美(大阪公立大学医学部附属病院 消化器外科)、田村達郎(大阪公立大学医学部附属病院 消化器外科)、豊川貴弘(大阪公立大学医学部附属病院 消化器外科)、李栄柱(ハートライフ病院 外科)、高橋佳苗(大阪公立大学大学院医学研究科 医療統計学)、藤井比佐子(大阪公立大学大学院医学研究科 健康医療イノベーション学)、吉田寿子(大阪公立大学大学院医学研究科 医療統計学)、新谷歩(大阪公立大学大学院医学研究科 医療統計学)、池渕充彦(大阪公立大学医学部附属病院 リハビリテーション科)、前田清(大阪公立大学医学部附属病院 消化器外科)
ロボット支援膵切除術における術後回復期の栄養補助飲料摂取の有用性
研究の背景
ロボット支援下膵切除術手術における術後の早期回復プログラム(ERASⓇ:Enhanced recovery after surgery)において、栄養管理の有効性を検討した研究はこれまでありませんでした。本研究では、ロボット支援下膵切除術手術の周術期における栄養補助飲料摂取の有効性を検討しました。
研究方法
ロボット支援下膵切除術を行った患者(46名)を対象に、栄養補助飲料を術後から退院まで1日400kcal摂取する群と、従来の栄養管理群に分け、術後の体重減少率や術後成績を比較しました。(ランダム化比較試験)
主な結果
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術後14日目、および術後28日目の体重減少率は栄養補助飲料摂取群で抑制されました。
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術後の合併症、および入院日数に明確な差は認められませんでした。
‐発表概要‐
フェローシップ応募者プログラム
演題名: ロボット支援下膵切除術における半消化態栄養剤の有効性を検討するランダム化比較試験
試験デザイン: ランダム化比較試験
発表者: 高木弘誠(岡山大学病院)
集中治療室における外科術後患者に対する早期経口栄養補助の有用性
研究の背景
集中治療室における外科術後患者では、早期の栄養開始が、重症合併症の低減につながる可能性が報告されています。当院では、栄養管理体制のシステム改革により、外科術後患者に対する早期経腸栄養が標準的に行われるようになりました。
本研究では、このように早期栄養開始が定着した環境下において、栄養補助飲料の運用変更が重症合併症の発生および入院期間に与える影響を評価しました。
研究方法
集中治療室に入室した外科術後患者を対象とした後方視的観察研究を行いました。
従来使用していた栄養補助飲料(無脂肪、1本あたり100kcal、たんぱく質2.5g)を主に使用していた期間を従来群、新たな栄養補助飲料(無脂肪、1本あたり200kcal、たんぱく質10g)を第一選択とした期間を新規群とし、術後に栄養を開始するまでに要した時間を評価しました。
さらに、従来群260名、新規群122名において、重症合併症の発生率および入院期間を解析しました。
主な結果
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栄養補助飲料の運用変更後、栄養開始までの時間(中央値)は34.5時間から22.7時間へと短縮しました。
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30日時点での重症合併症発生率は、統計学的有意差は認められなかったものの、従来群10.3%に対し新規群では3.4%と低い傾向を示しました。
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入院期間の中央値は新規群で1日短縮され、14日間でした(統計的有意差なし(0.05))。
今後は症例数をさらに蓄積し、早期栄養補助が重症合併症の低減や入院期間に与える影響について、より詳細な評価を進めていく予定です。
‐発表概要‐
口演
演題名: 集中治療室における外科術後患者の重症合併症低減を目的とした、早期ONS(Oral Nutrition Supplement)の検討
試験デザイン: 後方視的観察研究
発表者: 髙橋敬子(医療法人徳洲会 湘南藤沢徳洲会病院)
消化管手術後の患者への栄養補助飲料使用による欠食期間短縮効果
研究の背景
消化管手術後の早期経腸栄養開始の有効性は報告されているが、臨床では欠食期間が長期化することも
経験します。本研究では、栄養補助飲料(無脂肪タイプ)を病院として導入したことによる、術後の欠食期間への影響について検討しました。
研究方法
胃切除、小腸切除、結腸切除、直腸切除及び膵頭十二指腸切除術の消化管手術について、栄養補助飲料導入した前後で、術後の欠食期間を比較しました。(後方視的研究)
主な結果
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欠食日数は胃切除、小腸切除、結腸切除、直腸切除、膵頭十二指腸切除の全ての手術において、栄養補助飲料の使用による有意な欠食期間短縮効果が認められました。
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栄養補助飲料の摂取量は概ね良好でした。
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在院日数は栄養補助飲料摂取の有無で明確な差を認めませんでした。
‐発表概要‐
口演
演題名: 栄養補助飲料の導入による消化管手術後の欠食期間短縮効果の検討
*学会発表時の正式演題名とは異なり、特定の製品名を用いずに記載しています。
試験デザイン: 後方視的観察研究
発表者: 大平正典(東京都済生会中央病院 外科)、山田愛梨(東京都済生会中央病院 栄養管理科)、城克彦(東京都済生会中央病院 栄養管理科)、清藤貴子(東京都済生会中央病院 栄養管理科)、宮﨑絵美(東京都済生会中央病院 薬剤部)、吉原正和(東京都済生会中央病院 薬剤部)、本濱諭(東京都済生会中央病院 薬剤部)、青山雄太(東京都済生会中央病院 栄養管理科)、羅本彩奈(東京都済生会中央病院 栄養管理科)、中澤敦(東京都済生会中央病院 消化器内科)
経口補助飲料による全身麻酔導入後の術中体温低下に対する抑制効果
研究の背景
全身麻酔の導入後は体温が低下することが知られており、術中の36度以下への体温低下は創傷感染等の合併症をもたらすことが報告されています。本研究では、栄養補助飲料の術前炭水化物負荷による、術中体温への影響について検討しました。
研究方法
消化器癌に対する全身麻酔導入施行、低侵襲手術患者を対象に、栄養補助飲料(無脂肪タイプ、ホエイプロテイン含有)を術前に摂取した群(42名)と、摂取しなかった患者(57名)について、手術前の体温と全身麻酔導入以降の体温を測定し、比較しました。(後方視的研究)
主な結果
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栄養補助飲料摂取群で、非摂取群に比べて全身麻酔導入60分後、90分後、120分後の体温低下を有意に抑制していました。
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術中に36度未満となった患者について、摂取群と非摂取群で有意差は認められませんでした。
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摂取群は、非摂取群に比べて術中に35度以下となることを有意に抑制していました。
‐発表概要‐
口演
演題名: ホエイプロテイン含有クリア飲料による術前炭水化物負荷と術中体温の関連:後ろ向き観察研究
試験デザイン: 後方視的観察研究
発表者: 中西一起(市立ひらかた病院)、餅康樹(済生会泉尾病院)、笠舞和宏(市立ひらかた病院)
胃がんに対する胃切除術後の栄養強化パス導入効果
研究の背景
本研究では、従来の胃切除術後の栄養パスから、絶食期間を短縮し栄養補助飲料(無脂肪タイプ)を含む栄養強化パスを導入したことによる影響を検討しました。
研究方法
胃がんに対する胃切除術を行った患者を対象に、3日間の絶食後に4日目から流動食を開始し、術後輸液として3号輸液のみを使用する従来のパス(従来群、19名)と、術後1日目から7日目まで輸液を使用し(時期により使用する輸液を調整)、2日目から栄養補助飲料(無脂肪タイプ)を開始、3日目から流動食を開始するパス(変更群、19名)について、周術期因子(術後合併症発生率、平均在院日数など)を比較しました。(後方視的研究)
主な結果
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対象患者の年齢は、従来群77歳、変更群70歳と変更群のほうが若く、術前治療の実施率は変更群のほうが高い結果でした。
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中等度以上の術後合併症発生率、術後平均在院日数、術後の体重変化に両群で有意な差は認められませんでした。
‐発表概要‐
口演
演題名: 胃切除術における術後栄養強化パス導入の効果について
試験デザイン: 後方視的観察研究
発表者: 高松愛梨(国立病院機構大阪医療センター)、竹野淳(国立病院機構大阪医療センター)、山本昌明(国立病院機構大阪医療センター)、大野宏枝(国立病院機構大阪医療センター)、勝本恵理香(国立病院機構大阪医療センター)、源藤真由(国立病院機構大阪医療センター)、岸田花奈(国立病院機構大阪医療センター)、古田実花(国立病院機構大阪医療センター)、真鍋悟(国立病院機構大阪医療センター)

ネスレ ヘルスサイエンス
■ネスレ ヘルスサイエンスについて
ネスレ ヘルスサイエンスは、2011年食品飲料業界のリーディングカンパニーである「ネスレ」によって創設された、先進的なヘルスサイエンスカンパニーです。世界140カ国以上で、12,000人以上の社員が在籍し、消費者向け健康製品、医療介護施設向け栄養補助製品、科学的知見を取り入れたビタミンやサプリメントなど、幅広いブランドを展開しています。「高い付加価値」と「グローバルな研究開発力」を強みとし、「栄養の力」を基軸に、総合的に健康をサポートする提案をしています。
■ネスレ ヘルスサイエンスのパーパスについて
ネスレ ヘルスサイエンスは、“Empowering healthier lives through nutrition(栄養を通じて、人々のより健康的な生活を支援すること)”をパーパスとしています。消費者、医療・介護現場が願う健康的な生活のため、高品質で科学的根拠に基づく栄養ソリューションを顧客に提供しています。
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