ドイツの「レッド・ドット・デザイン賞2021(プロダクト部門)」と「iFデザインアワード」をダブル受賞!パラスポーツ専用体育館「日本財団パラアリーナ」に設置した「Band Sofa」
~車いすユーザーと健常者のコミュニケーションがとりやすいよう工夫されたソファ~
「Band Sofa」は、新国立競技場整備事業建設現場の職長会が中心となった作業員の飲料空き缶・ペットボトル等の分別徹底等の「リサイクル活動」による寄付金を活用し、wahがデザイン、 2019年6月7日にパラスポーツ専用体育館である「日本財団パラアリーナ」に贈呈されました。
当日の様子は、下記プレスリリースよりご確認ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000023445.html
- 受賞について
レッド・ドット・デザイン賞は、ドイツ・エッセンのDesign Zentrum Nordrhein Westfalen(ノルトライン=ヴェストファーレンデザインセンター)が主催し、1954年に設立された世界最大かつ最も有名なデザインコンテストの1つであり、毎年18,000点以上のエントリーの中から選定されます。iFデザイン賞は、ドイツ・ハノーバーのiF International Forum Designが1953年に設立されたもので、毎年5,000点以上の中から優れた工業デザインを選出するものです。
【掲載ページ】
レッド・ドット・デザイン賞(プロダクト部門)
https://www.red-dot.org/project/band-52608
iFデザイン賞
https://ifworlddesignguide.com/search?q=band%2Bsofa&search=band%20sofa#/page/entry/314709-band-sofa
- ソファについて
エントランスに設置した「Band Sofa」は、利用者の使いやすさとモチベーション向上が意識されたデザインが施されています。
側面が斜めにカットされた座面は車いすユーザーが移乗する際にアプローチしやすく、また両サイドに飛び出したテーブルは車いすのまま使用でき利用者同士のコミュニケーションがとりやすい設計。
3つのテーブルは金・銀・銅の3色を採用し、表彰台を目指すアスリートを後押ししています。
ソファは、汚れにくく傷つきにくい加工処理を施した、合皮や塗装を取り入れています。車いすユーザーと健常者のコミュニケーションがとりやすい設計になっているのが最大の特徴です。加えて、分割し移動しやすい利点があり、様々な場で使用することが可能です。
日本財団パラアリーナにおける設置ということから、設置箇所の条件と高いレベルの使用性、安全性、耐久性を考慮し、修正と改善を繰り返し、完成しました。
まず、分割した際に限られたスペース内に収めるため、全体の外形やテーブルの幅に変更を加えて、安全性を考慮し、ソファとテーブル部分双方の角の丸みを大きく設計しています。また、座り心地を考慮し、背もたれ部分の厚みを徐々に先細りにするテーパー設計を取り入れました。さらにテーブルの底部には、耐久性を考慮し、1.5mmのスチールプレートも設置しています。
- 日本財団パラアリーナ
パラサポは車いすが床を傷つける等の理由による利用拒否やバリアフリーの懸念で練習場所の確保が困難な状況にあったパラアスリートの練習環境整備を目的に、パラスポーツ専用体育館である「日本財団パラアリーナ」の運用を2018年6月に開始しました。
オープン以来、パラリンピック競技の日本代表やクラブチームの日常練習場所として稼働日率ほぼ100%という状況で活用されてきましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い2020年4月に日本財団からの要請を受け「日本財団災害危機サポートセンター」の一部として提供。2021年4月よりパラスポーツ練習用体育館として段階的に再開し、同年5月から本格運用しています。
日本財団パラアリーナは、デザイン面では、使いやすさとかっこよさにこだわり、選手のモチベーションが上がる施設になることを意識しています。
バリアフリー面については、特殊な設備等ではなくても、既存の設備を車いすユーザーなど選手の使いやすさを意識した工夫をし設置することで、選手の練習環境を整えており、全国の自治体などからも多くの視察を受け入れてきました。
- 日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)
設立以来、パラリンピック競技団体の運営支援をはじめ、パラアスリートや障がいのある当事者と一緒に知る、学ぶ、体験する、パラスポーツを活用したD&Iプログラムを展開し、2019年にはスポーツ庁長官表彰を受賞しました。
パラサポ公式サイト|https://www.parasapo.or.jp/
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