微細藻類ユーグレナの特有成分パラミロン摂取が寿命延伸と加齢による運動機能の低下を抑制する研究結果を確認しました
健康寿命を延伸する可能性があることを示唆
※1 キイロショウジョウバエは、ヒトと共通のシグナル伝達経路を多く持つ上に寿命が短いため、老化研究のモデル生物として広く用いられています※2 第43回日本基礎老化学会大会は、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえて、大会の現地開催が中止となりましたが、大会要旨集の発刊をもって発表は成立したとみなされています http://www.jsbmg.jp/
■研究の目的
健康寿命は、WHO(世界保健機関)によって提唱された健康指標で、心身ともに自立し、健康的に生活ができる期間のことを示します。健康寿命と平均寿命の差、すなわち日常生活に制限のある「不健康な期間」は、日本では男性が約9年、女性が約12年あるとされています※3。年々、平均寿命は長くなっていますが、それ以上に、健康寿命を延ばすことが望まれています。当社ではこれまでに、ユーグレナ粉末を継続的に摂取することにより、健康寿命を支える機敏さや、心の健康を維持できる可能性、アルツハイマー型認知症患者やうつ病患者では量が減少することが知られている神経栄養因子(BDNF)を上昇させる可能性※4、老化や寝たきりで筋肉がやせてしまう症状を抑えられる可能性※5など、健康寿命延伸の可能性につながる研究成果を報告しています。
本研究は、パラミロンの継続的な摂取が寿命や運動機能に与える影響について、キイロショウジョウバエを用いて検討しました。
※3 厚生労働省 平成30年「第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会」
※4 2019年5月28日のリリース https://www.euglena.jp/news/20190528/
※5 2018年5月18日のリリース https://www.euglena.jp/news/180518-2/
■研究の内容と結果
① パラミロンの摂取により、キイロショウジョウバエの中間寿命※6が延伸しました。
パラミロンを含むエサを羽化後から摂取させたキイロショウジョウバエと、通常のエサを摂取させたキイロショウジョウバエ(コントロール群)の生存率を比較しました。その結果、パラミロンを摂取させたキイロショウジョウバエでは、コントロール群に対して、中間寿命の延伸が見られました。さらに、パラミロン含有量を様々な濃度(0.1~3%)に調整して検討したところ、特に、パラミロンを3%含むエサを摂取させたキイロショウジョウバエでは、中間寿命がコントロール群と比較して2週間ほど長い49日となり、延伸が顕著でした(図1)。
※6 個体群の50%が死亡するまでの期間
② パラミロンの摂取により、加齢によるキイロショウジョウバエの運動機能の低下が抑制されました。
パラミロンを含むエサを羽化後から摂取させたキイロショウジョウバエと、通常のエサを摂取させたキイロショウジョウバエ(コントロール群)で、運動機能をクライミング・アッセイ※7により評価しました。コントロール群では加齢にともない運動機能は低下しましたが、パラミロンを含むエサを摂取させたキイロショウジョウバエでは、運動機能の低下が抑えられました。さらに、パラミロン含有量を様々な濃度(0.1~3%)に調整して検討したところ、特に、パラミロンを3%含むエサを摂取させたキイロショウジョウバエでは、中高齢期に相当する28日目や35日目で有意に運動機能の低下抑制が観察されました(図2)。
※7 クライミング・アッセイは、加齢に伴う運動機能の低下や、アルツハイマー病などの神経変性疾患の症状を評価する方法です。ハエをバイアル瓶に入れ、バイアル瓶をタップしてバイアル瓶の底にハエを配置して、10秒以内に、バイアル瓶の底から3cmのラインより上まで登ることのできたハエの数をかぞえて評価しました
パラミロンを含むエサを摂取していないキイロショウジョウバエでは、35日目には生存率が約50%となり、加齢に伴い運動機能も低下しました。一方で、パラミロンを3%含んだエサを摂取したキイロショウジョウバエでは、中間寿命が2週間ほど延伸しただけでなく、加齢による運動機能の低下の抑制も確認されました。すなわち、パラミロンを含むエサの摂取により、より多くのショウジョウバエが長生きし、なおかつ、運動機能を維持している個体がより多く観察されたことから、パラミロンの摂取がキイロショウジョウバエの健康寿命を延伸したことを示唆しています。
今後も当社では、医療分野等での利活用や食材としての付加価値向上を目指し、ユーグレナおよびユーグレナの特有成分パラミロンの摂取における健康寿命延伸への可能性について研究開発に取り組んでまいります。
<ユーグレナ(和名:ミドリムシ)について>
石垣島ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持っており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んでいます。なお、ユーグレナ特有の成分でβ-グルカンの一種であるパラミロンは、近年機能性についての研究が進み、食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。当社は、「栄養不足」「心身の疲労」「免疫力低下」の相互関係の事実をとらえ、健康の基盤を妨げる複合的要因に着目しています。健康の基盤を妨げる要因に左右されずに、からだが本来持つ“つくる・はたらく・まもる”のサイクルを保ち、よりよい状態へ高めることで、一時的ではなく、持続的な健康を叶えることが大切と考えています。
<株式会社ユーグレナについて>
2005 年に世界で初めて石垣島でユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功。石垣島で生産したユーグレナ・クロレラなどを活用した機能性食品、化粧品等の開発・販売を行うほか、バイオ燃料の生産に向けた研究を行っています。2012 年 12 月東証マザーズに上場。2014 年 12 月に東証一部市場変更。経営理念は「人と地球を健康にする」。https://euglena.jp
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