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WWFジャパン
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地球の健康診断書『生きている地球レポート2020』発表 生物多様性回復シナリオで環境政策と持続可能な生産・消費策の組合せを明示― 50年で生物多様性が約7割減少 ―

WWFジャパン

●地球上の生物多様性の豊かさを包括的に示す「生きている地球指数」が1970年~2016年の間に平均68%減少。一方で、人間の消費は地球の生産力を超え、地球1.6個分の自然資源が必要
●科学的根拠に基づいた生物多様性の回復シナリオを初めて提示。回復には環境保全策に加えて、持続可能な生産・消費策との組合せが必須と判明
●世界の政策決定者が一同に会する生物多様性条約第15回締約国会議(2021年5月)において、野心的で計測可能な2030年目標の設定が重要
WWFインターナショナルは、本日、『生きている地球レポート 2020』を発表しました。この報告書は、生物多様性の豊かさ(生きている地球指数:LPI)と、人間の消費と廃棄が地球に与える負荷(エコロジカル・フットプリント)という観点から、地球環境の現状を包括的に報告するもので、1996年以来、2年に一度のペースで発表しています。2020年版では、4,300を超える脊椎動物種の約21,000の個体群調査の結果、LPIは地球全体で1970~2016年の間に平均68%減少しました。一方で、人間による消費は地球が生産できる範囲を約60%超過。つまり、今の生活を維持するには地球1.6個分の自然資源が必要です。

今回初めて、本報告書にて、減少を続ける生物の多様性を回復させるシナリオを、科学的な根拠に基づいて明らかにしました。WWFは、約40の大学、保護団体、政府間機関と共に、陸域の生物多様性の減少をくい止め、回復する方法の研究に参加(*1)。図1は、このまま何もしなかった場合と対策をとった場合の将来予想仮説(シナリオ)をたて、生物多様性の回復傾向を調べたものです。生息地保護などの環境保全策を強化するだけでなく、持続可能な生産と消費の施策とを組み合わせることが生物多様性回復には必須であることを示しました。

 

図1 生物多様性の回復シナリオ図1 生物多様性の回復シナリオ

・(灰色線)このままの場合:社会、経済はこれまでどおり、環境保全と持続可能な生産と消費への取り組みは限定的
・(緑線)環境保全強化シナリオ:環境保全地域の拡大と管理強化、回復保全計画強化の対策をした場合
・(黄線)環境保全+持続可能な生産+持続可能な消費シナリオ :環境保全の強化、持続可能な生産対策、持続可能な消費対策のすべてを組み合わせた場合
・(赤点)生物多様性の回復が始まる時機


WWFジャパンのエコロジカル・フットプリント担当 清野比咲子(きよの ひさこ)は次のように述べています。

「人類の歴史のなかで、今ほど、大きな変革に迫られているときはありません。ウィズ/ポストコロナ時代を考えるとき忘れてならないのは、自然の回復なくして未来を語ることはできない、という点です。これまでのような地球の限界を無視した経済のしくみは続けられなくなります。日本でも、生物多様性を回復させ、気候変動を抑える、新たな経済のしくみやライフスタイルの転換を求める『グリーン・リカバリー』という考え方が重要です。」

人間の健康な暮らしは、自然に支えられています。湿地がもつろ過や浄化機能によって淡水が供給されたり、植物から伝統薬や医薬品などが開発されたりすることがなければ、人々の健康は維持できないのです。つまり、自然の衰退は人間の健康に大きく影響します。最近では、ワンヘルスという考えが提唱され、人の健康と地球環境とが密接な関係にあることを再認識し、健康、福祉の増進と公平な社会をめざすことが求められています。

世界の有識者も、生物多様性の豊かさが減り続ける状況を憂慮し、今後の目指す方向を発信しています。今回、各界の方々からメッセージを寄せていただきました。ドイツのポツダム気候影響研究所共同所長 ヨハン・ロックストローム氏や、日本の国立研究開発法人森林研究・整備機構理事長 中静透氏など、いずれも、新型コロナウィルス感染症の出現と拡大を受け、これから人類はどのように行動すべきか示唆に富んだメッセージとなっています(*2)。

2020~2021年は、2030年までの生物多様性回復策を決める国際的取り組みがある重要な時期です。2021年5月に開催予定の生物多様性条約第15回締約国会議では、生物多様性回復のための2030年目標が合意されることになっています。今回、本報告書が示したように、生物多様性を元に戻すまで回復するには、環境保全策の強化と持続可能な生産・消費策の両方をセットで組み合わせた、統合的な取り組みを確実にする目標である必要があります。WWFは、持続可能で豊かな未来をつくるために、政策決定者、ビジネスリーダーたちに対して、野心的で測定可能な2030年目標を設定し確実な実行を働きかけていきます。

★詳細は下記の資料をご高覧ください!
ファクトシート「生きている地球レポート2020~ 生物多様性の減少から回復へ ~」
https://www.wwf.or.jp/activities/data/lpr20_01.pdf

註)
*1 『Nature』に掲載の論文:‘Bending the curve of terrestrial biodiversity needs an integrated strategy’ (9/10に下記URLに掲載予定)
https://doi.org/10.1038/s41586-020-2705-y
*2 有識者からのメッセージ:地球球危機-未来の選択(今後順次、追加していきます)
https://www.wwf.or.jp/activities/activity/4402.html#section8

▼関連情報:
・WWジャパン ウェブ記事
過去50年で生物多様性は68%減少。地球の生命の未来を決める2020年からの行動変革
https://www.wwf.or.jp/activities/activity/4402.htlm
・WWFインターナショナルの『Living Planet Report 2020』に関するウェブサイト(英語)
https://livingplanet.panda.org/

 

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本社所在地
東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル3階
電話番号
03-3769-1714
代表者名
末吉竹二郎
上場
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資本金
-
設立
1971年09月
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