2023年度 東海3県主要集客施設・集客実態調査の結果を公表

～新型コロナ5類移行によるイベント再開・規模回復で約6割の施設が対前年度比集客数増　 団体旅行の回復や”あいち県民の日・あいちウィーク”も好影響～

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：池田 雅一）は、「2023年度 東海3県主要集客施設・集客実態調査」の結果をとりまとめましたので、お知らせいたします。

1. 本調査について

本調査は、東海3県（愛知県、岐阜県、三重県）の集客施設における集客実態を把握するため、毎年実施しているものです。今回は2024年4月～5月に各施設に対してアンケート調査を実施し、2023年度（23年4月～24年3月）の集客実態について73施設から回答がありました。

今年度の調査では、新型コロナウイルス感染症（以下、新型コロナ）流行前※[1]との状況比較のため、19年度、22年度、23年度の3カ年度分の集客状況を掲載しています。

※[1] 新型コロナ流行防止のための「新型コロナウイルス対策の特別措置法」は2019年度（20年3月）に成立したが、本調査では1回目の緊急事態宣言の発出（20年4月）前の2019年度を「新型コロナ前」と設定

2. 調査結果の要旨

(1) 集客数上位施設について

集客数上位5施設の集客状況は下表の通りとなりました。

	施設名 （所在地）	集客数 （対22年度比）	結果分析
1	ナガシマリゾート  （三重県桑名市）	約1,300万人※[2]  （8.3％増）	18年連続で首位。団体旅行の回復が集客数増に寄与したが、新型コロナ前の水準には戻っていない。
2	刈谷ハイウェイオアシス  （愛知県刈谷市）	約766万人  （4.0％増）	新型コロナで規模縮小していたイベントの規模回復等により集客力を増強。新型コロナ5類移行による国内旅行者の行動範囲拡大に伴う、高速道路利用者の立ち寄り増も寄与。
3	中部国際空港セントレア  （愛知県常滑市）	約640万人  （32.9％増）	新型コロナで休止・規模縮小していたイベントの再開・規模回復等も集客増を後押ししたが、国際線の回復遅れに伴い、新型コロナ前の水準には戻っていない。
4	河川環境楽園  （岐阜県各務原市）	約419万人  （1.5％増）	施設でのイベント再開が特に好影響となったが、親水遊具の利用規制、夏期豪雨に伴う駐車場の利用規制などが悪影響。
5	バンテリンドームナゴヤ （旧 ナゴヤドーム）  （愛知県名古屋市）	約360万人  （13.6％増）	野球日本代表“侍ジャパン”のWBC（ワールド・ベースボール・クラシック）優勝による野球人気の高まりがプロ野球試合への動員に好影響。

※[2] 「ナガシマリゾート」は年度値（23年4月～24年3月）ではなく、年間値（23年1月～12月）

(2) 対22年度比増減および対19年度比増減の傾向について

対22年度比では、73施設※[3] 中42施設（57.5％）で集客数が増加、31施設（42.5％）で減少となりました。新型コロナが5類感染症に移行されたことに伴う、施設でのイベント再開・規模回復や、団体旅行の回復等が集客数増に寄与しました。増加した施設の割合を施設種別で見ると、屋内型施設では、84.2％を占める一方、屋外型施設では28.6％にとどまりました。これは、お盆期間中の台風直撃や猛暑による出控えが、特に屋外施設にとって悪影響となったものと思われます。

対19年度比では、71施設※[3] 中20施設（28.2％）で集客数が増加しており、新型コロナ前の水準を上回りました。特に屋外型施設で対19年度比増の施設割合が低く（14.3％）、台風や猛暑の天候が影響したと見られます。

 ※[3] 過年度の数値と比較可能な施設

調査結果の詳細につきましては、当社ホームページ掲載のレポートをご覧ください。

<https://www.murc.jp/library/report/seiken_240716/>