パレスチナ・ガザ:一刻も早い停戦を求め日本のNGO等6団体が外務省に声明提出

日本政府として停戦に向けた外交的努力を

5月17日、パレスチナ支援に携わる日本の市民団体が、6団体合同で声明文を発出し、外務省に提出しました。
5月16日現在、ガザでは58人の子どもを含む192人が犠牲となり、イスラエルでもインド人移民労働者を含む10人が犠牲となっています。これ以上多くの生命が奪われることがあってはなりません。
私たちは、現在パレスチナのガザ地区で続いているイスラエル軍による空爆や砲撃や、ガザからイスラエルに向けたロケット弾の発射を即時停止するように求めます。一刻も早い停戦に向け、国連安全保障理事会および中東カルテット(国連、米国、ロシア、EU)が歩調を合わせて調停に乗り出すようはたらきかけるなど、日本政府としての停戦に向けた外交的努力を求めます。
また、この事態を打開するために、メディアからの取材を希望します。



ガザでは、5月10日から続く爆撃の下、市民は恐怖で一晩中眠ることができず、住宅地への爆撃で多くの人たちが家を失い、あるいは損害を受け、多くの犠牲者が出ています。

イスラエルのネタニヤフ首相は攻撃を継続すると表明していますが、これ以上の武力行使は、双方の市民の犠牲を増やすこととなり、2014年の戦争がもたらした事態(パレスチナ人民間人1,462人を含む2,251人が死亡し、1万1千人以上が負傷。イスラエル側も67人の兵士を含む73人が死亡)の再現につながります。ガザ地区は350平方キロほどの細長い狭い地域で、イスラエルによる封鎖下に暮らす約200万の人々はここに閉じ込められ、外へ逃げ出すことはできないからです。

 
私たち日本のNGOは、ガザ地区を含むパレスチナで、戦争で障害を負った子どもたちを含む民間人への保健支援や農業支援、職業訓練を含む自立支援等を続けてきました。現在も、封鎖によって破壊から復興しないまま厳しい生活を続ける乳幼児や障がい者、妊産婦などへの保健支援、職業訓練、教育支援を行っています。新型コロナウイルス感染拡大で増大した特に子どもや障がい者、妊婦などの脆弱性が、この事態でさらに深刻になることを大変に危惧しています。

衝突が激化したきっかけは、4月12日にイスラム教のラマダン(断食月)が始まると間もなく、エルサレム旧市街にあるイスラム教徒地区のダマスカス門前の広場を、イスラエル警察がセキュリティを理由にバリケードで封鎖したことです。イスラエル警察や軍への怒りからパレスチナ人による激しい抵抗デモが起こりました。5月10日には、イスラム教の聖地「アルアクサ・モスク」および「岩のドーム」のある境内で、パレスチナ人とイスラエル治安部隊が衝突しました。イスラム教徒にとっては断食期間の最後の週で、宗教的にも高揚する時期にあたり、またイスラエルにとっては、5月10日が1967年の第3次中東戦争で東エルサレムを占領した祝日にあたります。イスラエルは数千人規模の治安部隊を展開し、エルサレム旧市街へのパレスチナ人の入域を大幅に制限しただけでなく、5月7日以来、礼拝に参加している市民に催涙弾やゴム弾、閃光弾などを発射し、パレスチナ人1,200人以上に負傷者が出ています。

また、東エルサレムのシェイク・ジャラ地区のパレスチナ人家族(子ども46人を含む169人)に対して、イスラエル人入植者が実力行使で立ち退かせようとし、パレスチナ人と衝突したことも緊張を高める要因となっています。シェイク・ジャラは、1948年の第1次中東戦争でエルサレムを東西に引き裂いた停戦ラインに近く、立ち退きを求められている人々は、1948年に家を失い他の地域から逃げてきた家族などで、故郷に戻ることが許されないなかで、避難場所としてこの地区に70年以上住み続けてきたのです。なお、5月11日に日本政府が出した談話に「我が国が国際法違反として幾度となく撤回を求めてきたイスラエル政府による入植活動」とあるように、今回のイスラエル人入植者による行為は国際法に違反しています。

こうした状況の中、ガザ地区を実効支配している「ハマス」は9日夜以降、1,800発以上のロケット弾を発射、イスラエルに着弾し死傷者が確認されました。その報復として、イスラエル軍がガザ地区への空爆を続けています。

13日には、イスラエル国内でユダヤ人極右勢力によるアラブ系市民へのリンチ事件が起こりました。またアラブ系市民の家の扉に目印をつけ襲撃を予定していると報道されるなど、イスラエルの人口の約2割を占めるアラブ系市民への差別と分断がさらに増長することが懸念されます。また、その報復としてイスラエル人の店やホテルがアラブ人によって襲撃される事件も起き、双方の間で憎しみと暴力の連鎖が続いています。

イスラエルはガザを15年近く完全に軍事封鎖してきました。そのため、ほとんどの住民はガザから出ることができず、多くの物資もガザに搬入できません。電気や水といったインフラも整備されず、失業率が60%近くになる中、2008年、2012年、2014年とイスラエル軍の大規模な軍事攻撃が6年間に3度あり、多数の犠牲と破壊が残されたのは記憶に新しいところです。

1948年以来、国際社会はパレスチナ問題と難民問題を解決することができず、現在500万人以上のパレスチナ人がいまなお難民としての生活を余儀なくされていることも忘れてはなりません。5月15日は、パレスチナ人にとって難民となって73回目の「大惨事の日(ナクバ)」にあたります。ガザだけでなく、ヨルダン川西岸やレバノン、ヨルダンなどで難民生活するパレスチナの人々にとっても、現在の状況は二重三重の苦しみとなっています。

このような事態を受け、私たちは、過去の惨事が繰り返されないよう、双方が攻撃を自制するよう求めます。影響力のある米国が、特に圧倒的な軍事力をもつイスラエルに爆撃を即時停止するよう働きかけることが期待されるなか、国際社会の一員である日本政府として、それを強く後押しすることや、その他、即時停戦のために必要なあらゆる手を尽くすこと、具体的な行動をとることを求めます。

(呼びかけ団体:五十音順)
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
特定非営利活動法人 パルシック
特定非営利活動法人 パレスチナ子どものキャンペーン(CCP)
特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)

(賛同団体:賛同順)
北海道パレスチナ医療奉仕団
特定非営利活動法人 パレスチナの子どもの里親運動

■このプレスリリースに関する連絡先:
認定NPO法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
https://www.ngo-jvc.net/
〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル6F
FAX:03-3835-0519 / E-mail:info@ngo-jvc.net
広報担当:並木 / 海外事業グループ・パレスチナ事業担当:大澤

※JVCは1980年に設立され、アジア・アフリカ・中東の世界10の国・地域において活動しています。パレスチナでは1992年から活動を続け、ガザでの子どもの栄養失調予防・東エルサレムの女性エンパワメント支援活動を行っています。
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