IBM、ハイブリッドクラウド環境でのデータアクセスと可用性をシンプルにする先進ストレージ・ソリューションを発表

日本IBM

• 複雑なハイブリッドクラウド環境でのデータの可用性を高め、ビジネスと回復力を向上させるために設計された新しいコンテナネイティブのソフトウェア・デファインド・ストレージの計画を発表
• エンタープライズ・データへの迅速なアクセス実現のために、従来モデルの2倍のパフォーマンスで拡張性を提供する、新しいIBM Elastic Storage Systemsをリリース
[米国ニューヨーク州アーモンク – 2021年4月27日(現地時間)発]
IBMは本日、複雑化するハイブリッドクラウド環境におけるデータアクセスとその管理を改善し、データの可用性と回復力を向上させることを目的としたストレージ・ポートフォリオの主要なイノベーションを発表しました。

まず、新しいコンテナネイティブなソフトウェア・デファインド・ストレージ(SDS)ソリューションであるIBM® Spectrum Fusionを2021年後半に発売する計画を発表しました。このソリューションは、IBMのGeneral Parallel File System技術とデータ保護ソフトウェアを融合させて設計されており、企業とそのアプリケーションに対して、データセンター内、エッジ、ハイブリッドクラウド環境全体でシームレスにデータにアクセスを行うための、シンプルでなアプローチ方法を提供します。

さらに、IBMは、拡張性が高く導入が容易な高性能ストレージ であるIBM Elastic Storage System (ESS) ( https://www.ibm.com/jp-ja/products/elastic-storage-system )ファミリーのアップデートも発表しました。機能拡張されたモデルESS 5000[1]は、ストレージ容量が10%増加し、新しいESS3200は従来の2倍の読み取り性能を実現しています[2]。

* ES3200の画像は、こちらからダウンロードいただけます:https://ibm.box.com/s/8t8l27j1bi52eurpulpm2f6tq32d7mh3

ハイブリッドクラウドの採用が拡大するにつれて、ネットワークのエッジを管理する必要性も高まっています。エッジコンピューティングは、地理的に分散したり、データセンターから切り離されたりすることが多いため、分析やAIに活用できるような膨大な量のデータが滞留する可能性があります。デジタルの世界と同様に、エッジも拡大し続けており、これまで以上に分離されたデータソースやサイロが生まれています。最新のIDCのレポート ( https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=US46942020&pageType=PRINTFRIENDLY ) [3]によれば、デジタルエンジニアリングによってIT/OTの融合が加速する中、エッジ・インフラストラクチャー上に展開される新しい運用プロセスの数は、現在の20%未満から2024年には90%以上[4]に増加すると考えられています。また、IDCの予測では、2022年までに、ハイブリッドビジネスに移行する組織の80%が、ビジネスの俊敏性と洞察をほぼリアルタイムで提供するために、AI対応のセキュアなエッジ・インフラストラクチャーへの支出を4倍に増やす[5]とみられています。

IBM Storage Systemsのゼネラル・マネージャーであるデニス・ケネリー(Denis Kennelly)は、次のように述べています。「アプリケーションを構築、展開、管理するためには、エッジからデータセンター、クラウドまでの組織全体でデータを迅速に利用できるように支援する高度な機能が必要であることは明確です。それは口で言うほど容易なことではありませんが、基礎となるデータ層、コンテナ化された情報アーキテクチャー、そして適切なストレージ・インフラストラクチャーを構築することから始まります」

Guardant Health社は、高精度がん臨床試験のリーディングカンパニーであり、独自の血液検査や膨大なデータセット、最新の解析技術を活用し、世界中でがん克服の支援を行っています。同社は、一連のがんのケアプロセスの患者様がより長く、そしてより健康的な生活を送るためのサポートをしています。Guardant Healthのデータとハイパフォーマンス・コンピューティング・プラットフォームにより、大量のゲノムデータを比類のないスピードとスループットで、がん専門医、研究者、バイオ製薬業界のための実用的な洞察に変えます。数年前同社は、世界中の数千万人もの患者に一連のサービスを提供するためには、データ基盤を拡張する必要があると考え、そのプラットフォーム用のデータ基盤の構築をIBMに依頼しました。

Guardant Health社のCIOであるクムッド・カリア(Kumud Kalia)氏は、次のように述べています。「当社は、大規模なコンピュート・クラスターを管理しており、多数の計算ノードに対して極めて高いデータ・スループットを要求しています。IBM Spectrum Scaleの並列ファイルシステムが高いパフォーマンスを実現し、ESSシステムは、当社のゲノムパイプラインが必要とするデータスループットを提供してくれます。IBMとの継続的な協力によってこのプラットフォームをさらに進化させていけることを楽しみにしています」

製品紹介:IBM Spectrum Fusion

IBM Spectrum Fusionの最初の製品化は、コンテナネイティブなハイパーコンバージド・インフラストラクチャー(HCI)システムになる予定です。2021年の後半にリリースされる予定で、コンピュート、ストレージ、ネットワーキングを単一のソリューションに統合します。また、Red Hat OpenShiftを搭載することで、仮想マシンとコンテナのいずれの環境にも対応できるようにして、クラウド、エッジ、およびコンテナ化されたデータセンター向けにソフトウェア・デファインド・ストレージを提供するよう設計されています。

2022年の早い時期に、ISDS限定バージョンのIBM Spectrum Fusionをリリースする予定です。

Spectrum Fusionは、完全にコンテナ化されたバージョンのGeneral Parallel File Systemとデータ保護ソフトウェアを統合することで、組織全体からデータを発見する合理的な方法を提供するよう設計されています。さらに、このソフトウェアを活用することで、既存のデータセットをより簡単に仮想化し、最適なストレージ層の利用を加速できます。 

IBM Spectrum Fusionにより、組織はデータの単一コピーのみを管理することが可能になります。アプリケーション・ワークロードを組織内で移動させる際に、重複したデータを作成する必要がなくなり、管理機能が容易になるとともに、アナリティクスやAIを効率化することができます。また、データのコンプライアンス(GDPRなど)もデータのコピーが単一になることでより強化され、複数のコピーがあることによるセキュリティー上のリスクも削減されます。

グローバルな可用性に加えて、IBM Spectrum Fusionは、IBM Cloud Satellite ( https://www.ibm.com/cloud/satellite ) と統合していくように設計されており、それにより企業は、単一の管理ペインでエッジ、データセンター、パブリッククラウドにおけるクラウドサービスを完全に管理できるように支援します。またIBM Spectrum Fusionは、複数のRed Hat OpenShiftクラスターの管理のために、Red Hat Advanced Cluster Manager (ACM)とも統合するよう設計されています。

先進のIBM Elastic Storage Systems

本日発表したIBM ESS ( https://www.ibm.com/products/elastic-storage-system ) の新モデルとアップデートはすべて現在入手可能で、以下のものが含まれています:
  • Global Data Boost:IBM ESS 3200は、ノードあたり毎秒80 GBのデータ・スループットを提供する新しい2Uストレージ・ソリューションで、前モデルのESS3000と比較して読み取り性能が100%向上[6]しています。加えて、ESS 3200は、最大8つのInfiniBand HDR-200またはEthernet-100ポートに対応し、高いスループットと低レイテンシーを実現しています。また、2Uノードあたり最大367TBのストレージ容量を提供します。
  • ペタバイトまで増大:また、IBM ESS 5000モデルはアップデートされ、従来より10%高い密度に対応し、合計ストレージ容量は15.2PBとなりました。加えて、すべてのESSシステムに、最新バージョンのRed Hat Ansibleで自動化した効率的なコンテナ化デプロイメント機能を備えています。
ESS 3200およびESS 5000のいずれも、コンテナ化されたシステム・ソフトウェアを搭載し、Red Hat OpenShiftおよびKubernetes Container Storage Interface (CSI)、CSIスナップショットとクローン、Red Hat Ansible、Windows、Linuxおよびベアメタル環境をサポートします。またこれらのシステムは、IBM Spectrum Scale ( https://www.ibm.com/products/spectrum-scale ) も標準装備しています。

さらに、ESS 3200とESS 5000は、IBM Watson Knowledge Catalog (WKC)およびDb2との統合のために、IBMのデータとAIサービスを統合した完全コンテナ化プラットフォームである、IBM Cloud Pak for Dataとも連携しています。WKCは、AI、機械学習、およびディープ・ラーニング用の情報を活性化するクラウド・ベースのエンタープライズ・メタデータ・リポジトリーです。ユーザーは、それを活用してデータ、知識資産、およびそれらの関連性にアクセスし、そのキュレート、分類、および共有を行います。IBM Db2 for Cloud Pak for Dataは、Red Hat OpenShift上に構築する、AIのためのデータ管理システムです。 

エッジコンピューティング、コアデータセンター、プライベートクラウドおよびパブリッククラウド環境のさらなる統合のために、ESS 3200およびESS 5000は、IBM Cloud Satellite ( https://www.ibm.com/cloud/satellite ) と完全統合しています。

以上

IBM Systems Blogとハイブリッドクラウド・ストレージのソリューションについては、以下のURLをご参照ください。
当報道資料は、2021年4月27日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳です。原文は下記URLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/2021-04-27-IBM-Launches-Advanced-Storage-Solutions-Designed-to-Simplify-Data-Accessibility-Availability-Across-Hybrid-Clouds (英語)

IBM、ibm.com、IBM Cloud Pak、IBM Cloud Satellite、 IBM Elastic Storage 、IBM Spectrum 、IBM Watson、Db2は、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。 現時点での IBM の商標リストについては、http://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml(US)をご覧ください。

Red HatならびにOpenShiftは、米国およびその他の国におけるRed Hat, Inc.およびその子会社の商標または登録商標です。

Windowsは Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標です。

注釈
[1] 以前のESS 5000の合計容量は13.5PB

[2] ESS 3200のパフォーマンスは、業界標準のベンチマークであるIORに基づくIBM Large File Sequential Read Bandwidthテストで測定。ESS 5000の容量パーセンテージは、より高密度のドライブに基づくもの

[3] IDC FutureScape: Worldwide Future of Operations 2021 Predictions、2020年10月

[4] Ibid

[5] Ibid

[6]ESS 3200のパフォーマンスは、業界標準のベンチマークであるIORに基づくIBM Large File Sequential Read Bandwidthテストで測定

会社概要

URL
https://www.ibm.com/jp-ja
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号  虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111
代表者名
山口明夫
上場
未上場
資本金
1053億円
設立
1937年06月