第1回「業種別標準財務指標」分析結果発表! ~コロナ禍の影響を財務指標で検証-サービス業は多くの項目が悪化~

リスクモンスター

 法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本太一)は、リスモン調べ第1回「業種別標準財務指標」分析の結果を発表いたしました。

調査の背景

 財務省が2024年9月に発表した2023年度(2023年4月~2024年3月)の「法人企業統計調査」をもとに、リスクモンスターが保有する倒産分析データを用いた調査です。新型コロナウイルス感染症流行前後における業種別の倒産傾向や、財務指標データの変動を比較分析しました。

「業種別標準財務指標」分析結果サマリー

●2018年度(コロナ禍前)と2023年度(5類移行後)を比較すると、景気回復要因があるにもかかわらず、2023年度の倒産件数は4,000件以上増加(増加率36.1%)。

 

●倒産増加が最も顕著な「サービス業」では、多くの財務指標が悪化し、業界全体にコロナ禍の影響が及んだことが明らかに。

 

●一方で、「製造業」「建設業」では倒産件数が大幅に増加したにもかかわらず、標準財務指標上の悪化は限定的との結果に。取引において、個社別の財務分析の重要性が示されました。

 

▼本調査の詳細は、「リスモン調べ」掲載サイトにてご覧いただけます。

 https://www.riskmonster.co.jp/study/research/

 

▼動画版はこちら 「YouTube リスモンちゃんねる」

 https://youtu.be/cgPRsVmmFTY

調査結果

 (1)倒産件数の推移

 リスクモンスターが独自に集計した2023年度の倒産件数(※)16,522件は、新型コロナウイルスが拡大する以前の2018年度の倒産件数12,143件から、4,379件(増加率36.1%)増加していることがわかりました。

 業種別に倒産件数を集計し比較したところ、13業種中11業種において倒産件数が増加しており、そのうち6業種で100件を超える倒産件数となっています。

 中でも「サービス業」は2,982件の増加となっており、増加率とともに突出して増加していることがわかります。これに続いて、「製造業」と「建設業」では、500件を超える倒産件数となっています。(図表A)

図表A

※倒産件数は、負債総額にかかわらず、法的倒産および休業、廃業を含みます。

(2)倒産件数増加業種の財務指標 変動状況

 倒産増加件数が100件以上となった6業種について、安全性、収益性、効率性の観点から9つの標準財務指標を算出し、2018年度の水準と比較したところ、倒産の増加傾向が最も顕著に表れた「サービス業」において、多くの悪化が見られる結果となりました。特に、安全性指標である「自己資本比率」、「流動比率」、「当座比率」、「固定比率」の全てが悪化し、収益性指標の「売上高営業利益率」と「売上高経常利益率」のいずれも2018年度の水準から2ポイント近く低下していることが分かります。

 飲食店などを中心に小資本企業が多数存在する「サービス業」では、コロナ禍での行動制限による収支悪化や、それに伴う資本の毀損が表われており、これらが倒産件数の著しい増加の要因となったことがうかがえます。

 他方で、「サービス業」以外の業種については、標準財務指標の顕著な悪化がさほど表れていないものの、「製造業」や「建設業」などにおいて倒産件数が大幅に増加しているため、実態としては財務状態が悪化している企業が相当数存在していると考えられます。標準財務指標は、あくまで業界内の平均値であり、良化企業と悪化企業が同程度存在すれば数値の変動が小さくなり得ます。そのため、数値の変動だけでは業界の実態を正確に読み取れないことがあり、個々の現状をあわせて確認することが必要です。(図表B)

図表B

総評

 コロナ禍前の2018年度と、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行した後の2023年度の倒産件数を比較したところ、2023年度はコロナ禍の収束や円安によるインバウンド需要の拡大など、景気回復要因が見られたにもかかわらず、倒産件数は2018年度を4,000件以上上回りました。

 

 最も倒産が増加した「サービス業」では、飲食店や宿泊業を中心にコロナ禍の影響が強く、その対策として実施された「持続化給付金」や「雇用調整助成金」、「ゼロゼロ融資(無利子・無担保)」などが積極的に活用され、多くの企業が経営破綻を回避することができました。しかし、その後の収支回復が思うように進まない中で、支援金の終了や借入金返済の開始によって資金繰りが逼迫し、2023年度は倒産する企業が大幅に増加しました。これらは、標準財務指標の安全性・収益性指標の数値変動として表れており、業界全体で広く影響が生じていたことが読み取れます。

 

 一方で、「サービス業」以外の倒産増加業種である「製造業」や「建設業」などにおいても、コロナ禍の影響があったと考えられますが、標準財務指標上では、さほど悪化が表れていません。標準財務指標は、業界内の平均値であり、業界の実態が標準財務指標上の変動として必ずしも反映されるわけではありません。そのため、倒産に至る企業では財政状態が悪化しているはずという前提を踏まえ、財務分析に活用することが重要です。

 

 今後も、人手不足の深刻化や人件費の上昇、円安による原材料費・燃料費の高騰など、企業を取り巻く環境は厳しさを増すことが予想されます。倒産件数が増加傾向にある中、経営基盤の脆弱な企業では、引き続き倒産リスクが高いことが予想されます。

こ うした状況下では、財務情報を企業の実態とあわせて多面的に分析し、企業や事業ごとのリスク特性を把握することが重要です。的確な分析を通じて、自社の与信管理体制の強化と取引リスクの低減につなげていくことが求められます。

▼本調査の詳細は、「リスモン調べ」掲載サイトにてご覧いただけます。

 https://www.riskmonster.co.jp/study/research/

 

▼動画版はこちら 「YouTube リスモンちゃんねる」

 https://youtu.be/cgPRsVmmFTY

リスモン調べとは

 リスモンが独自に調査するレポートのことです。これまで企業活動関連の調査として「100年後も生き残ると思う日本企業調査」「環境への配慮が感じられる企業調査」や「この企業に勤める人と結婚したいアンケート調査」などを発表しており、今後も「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでいます。

掲載サイトはこちら:https://www.riskmonster.co.jp/study/research/

リスクモンスター株式会社

リスクモンスター株式会社

2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPクラウドサービス事業を開始しました。以来、法人会員向けビジネスを要として、教育関連事業(定額制の社員研修サービス「サイバックスUniv.」)やビジネスポータルサイト事業(グループウェアサービス等)、BPOサービス事業、海外事業(利墨(上海)商務信息咨詢有限公司)にサービス分野を拡大し、包括的な戦略で事業を展開しています。
リスモングループ会員数は、2025年6月末時点で14,501(内、与信管理サービス等7,918、ビジネスポータルサイト等3,049、教育事業等3,018、その他516)となっております。

【会社概要】
社名:リスクモンスター株式会社
本社所在地:東京都中央区日本橋2-16-5 RMGビル
代表取締役社長:藤本 太一
設立:2000年9月
上場区分:東証スタンダード市場(証券コード:3768)
HP:https://www.riskmonster.co.jp/

<報道関係の方からのお問い合わせ先>
リスクモンスター株式会社 広報担当
TEL :03-6214-0350
MAIL: press@riskmonster.co.jp

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
東京都中央区日本橋2-16-5 RMGビル
電話番号
03-6214-0350
代表者名
藤本 太一
上場
東証スタンダード
資本金
11億8816万円
設立
2000年09月