遺伝子組み換えダイズ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する審査結果についての意見を提出しました
生活クラブ連合会は12月4日、遺伝子組み換えダイズ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する審査結果について、農林水産省ならびに環境省にあてて意見を提出しました。意見の全文は次のとおりです。
2013年12月4日
遺伝子組み換えダイズ、トウモロコシ及びワタの第一種使用等に関する審査結果についての意見
除草剤アリルオキシアルカノエート系及びグルホシネート耐性ダイズと除草剤ジカンバ及びグルホシネート耐性ワタについて
アリルオキシアルカノエート系除草剤の2,4-Dは、ベトナム戦争で使用された枯葉剤としても知られ、人体や野生生物に対して有害な除草剤です。除草剤アリルオキシアルカノエート系耐性ダイズを栽培すれば、2,4-Dの使用が増加すると考えられますが、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(以下、カルタヘナ国内法)では、農薬使用の環境影響は審査の対象ではありません。カルタヘナ国内法が生物多様性の確保を目的としていることを考えると、このような審査では不十分です。除草剤を長期・短期で使用した場合、野生の動植物、昆虫、農作物、人体などにどのような影響があるのか、幅広い環境影響調査を求めます。
アリルオキシアルカノエート系除草剤とジカンバ耐性作物は、先行する除草剤グリホサートとグルホシネート耐性作物の普及によってこれらの除草剤に耐性を持つ雑草が出現したことに対応するために開発されたと認識しています。除草剤アリルオキシアルカノエート系耐性作物とジカンバ耐性作物を承認することによってこれらの除草剤の使用量が増加すれば、いずれは耐性雑草が発生することは、グリホサートとグルホシネートの例からも明らかです。耐性雑草対策として他の除草剤に抵抗力をもつ遺伝子組み換えを開発するのは、生物多様性に対する影響の観点からは、とるべき手段ではないと考えます。
ステアリドン酸産生及び除草剤グリホサート耐性ダイズMON87769 系統及びMON89788 系統の掛け合わせ品種について
カルタヘナ議定書が人体への影響を対象としているのに対し、カルタヘナ国内法は対象としていません。ステアリドン酸産生ダイズは、オメガ-3脂肪酸の供給源として開発企業は推進していますが、長期にわたる過剰摂取が人体に与える影響をきちんと調べる必要があります。そのためには、カルタヘナ議定書を確実に実施するためのカルタヘナ法の改正が必要です。このダイズを栽培した場合、野生の動植物、昆虫、農作物、人体などにどのような影響があるのかについて、幅広い審査を求めます。
以上