トレーディング勘定の抜本的見直し(FRTB):銀行は準備を進めるも、データやリスク管理モデルで高いハードルに直面
日本のセルサイドにも影響力高い、バーゼル銀行監督委員会による規制改革対応をブルームバーグが調査
【ニューヨーク-2021年3月16日】新型コロナウイルスをきっかけとした激動の一年を経て、銀行はトレーディング勘定の抜本的見直し(FRTB:Fundamental Review of the Trading Book)の実施に向けて準備を続けています。しかし、業界全体の取り組みは一様ではなく、FRTBの実施に向けて組織全体で行うべき重要なデータやリスク管理モデルの決定が最も困難な課題となっていることが、ブルームバーグが実施した最新の調査で明らかになりました。
バーゼル銀行監督委員会(BCBS: Basel Committee for Banking Supervision)が発表したFRTBは、世界中の銀行のトレーディング部門における市場リスクへの対応方法を見直すことを目的としており、バーゼルⅢとして知られる金融危機後の一連の改革の中で最も重要な規制改革案の一つと位置付けられています。パンデミックの影響で、バーゼル銀行監督委員会はFRTBの実施期限を1年遅らせて2023年1月としましたが、最初の報告期限は2021年第3四半期に迫っており、依然として銀行規制の最重要議題となっています。
先日開催されたオンラインイベント「FRTB – Nearing the Finish Line(FRTBのゴールは目前)」で、ブルームバーグはセルサイドのトレーディング、コンプライアンス、規制関連のシニアプロフェッショナル100人以上に、自社がFRTBに向けてどのような準備をしているかを調査しました。実施期限の延期の結果、回答者[1]の半数以上(57%)が導入プログラムを遅らせたと答え、47%が「やや遅らせた」、10%が「大幅に遅らせた」と回答しました。実施を早めたと答えたのはわずか2%で、41%はペースを変えなかったと答えています。
最初の報告期限が年内に迫る中、各銀行の準備状況についても同様の見解が示されました。回答者[2]の半数(50%)は、些少な課題を除けば、年内の報告期限に向けて順調に進んでいると感じており、3%はソリューションを最終的に決定し、未解決の問題はないと答えています。一方、残りの47%の回答者は今後の課題があると答え、その内の25%が分析システムの導入とリスク感度の計算、22%がデータのバケット化とファンドの取り扱いに課題があると考えています。
ブルームバーグのエンタープライズ・コンテンツ責任者のブラッド・フォスターは次のように述べています。「FRTBは、データのクリーニングから分類、そして最終的にはリスク管理や規制の遵守に適用できるようにするまで、銀行が直面する主要なデータの全ての課題を示しています。この影響力の大きいFRTBの実施を控え、銀行はデータ戦略全体を評価し、トレーディングデスクからコンプライアンス部門まで、フロント、ミドル、バックオフィス全体でデータの整合性を確認する必要があります」
実際、FRTB導入の際の課題としては、データ関連事項が圧倒的に多く、回答者[3]の59%は、データのクリーニング、ボラティリティーやカーブなどのヒストリカルデータの取得、データのバケット化、内部モデル法(IMA)のための実勢価格の観測データの取得など、FRTBのデータ面が主な課題であると回答しています。その他の課題としては、標準的手法(SA)と内部モデル手法(IMA)の決定(34%)、銀行全体でのマーケット・リスクとフロント・オフィスのプライシング・モデルの調整(28%)などが挙げられました。
ブルームバーグのマーケット・リスク・プロダクト責任者であるユージン・スターンは、「今回の延期にもかかわらず、銀行はFRTBの導入を引き続き重要視するべきです。FRTBを期に、銀行はリスク管理プロセスやデータの取り扱いについて、市場リスクをはるかに超えた大きな決断が必要となります。現在進行中のLIBORからのトランジションと相まって、今後2年間、世界のセルサイドは変革を迫られるでしょう」と述べています。
FRTBへの準備について、より詳細な情報が必要な方はこちら(https://about.bloomberg.co.jp/solution/frtb/)をクリックしてください。
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[1] 回答者数188
[2] 回答者数111
[3] 回答者数131
バーゼル銀行監督委員会(BCBS: Basel Committee for Banking Supervision)が発表したFRTBは、世界中の銀行のトレーディング部門における市場リスクへの対応方法を見直すことを目的としており、バーゼルⅢとして知られる金融危機後の一連の改革の中で最も重要な規制改革案の一つと位置付けられています。パンデミックの影響で、バーゼル銀行監督委員会はFRTBの実施期限を1年遅らせて2023年1月としましたが、最初の報告期限は2021年第3四半期に迫っており、依然として銀行規制の最重要議題となっています。
先日開催されたオンラインイベント「FRTB – Nearing the Finish Line(FRTBのゴールは目前)」で、ブルームバーグはセルサイドのトレーディング、コンプライアンス、規制関連のシニアプロフェッショナル100人以上に、自社がFRTBに向けてどのような準備をしているかを調査しました。実施期限の延期の結果、回答者[1]の半数以上(57%)が導入プログラムを遅らせたと答え、47%が「やや遅らせた」、10%が「大幅に遅らせた」と回答しました。実施を早めたと答えたのはわずか2%で、41%はペースを変えなかったと答えています。
最初の報告期限が年内に迫る中、各銀行の準備状況についても同様の見解が示されました。回答者[2]の半数(50%)は、些少な課題を除けば、年内の報告期限に向けて順調に進んでいると感じており、3%はソリューションを最終的に決定し、未解決の問題はないと答えています。一方、残りの47%の回答者は今後の課題があると答え、その内の25%が分析システムの導入とリスク感度の計算、22%がデータのバケット化とファンドの取り扱いに課題があると考えています。
ブルームバーグのエンタープライズ・コンテンツ責任者のブラッド・フォスターは次のように述べています。「FRTBは、データのクリーニングから分類、そして最終的にはリスク管理や規制の遵守に適用できるようにするまで、銀行が直面する主要なデータの全ての課題を示しています。この影響力の大きいFRTBの実施を控え、銀行はデータ戦略全体を評価し、トレーディングデスクからコンプライアンス部門まで、フロント、ミドル、バックオフィス全体でデータの整合性を確認する必要があります」
実際、FRTB導入の際の課題としては、データ関連事項が圧倒的に多く、回答者[3]の59%は、データのクリーニング、ボラティリティーやカーブなどのヒストリカルデータの取得、データのバケット化、内部モデル法(IMA)のための実勢価格の観測データの取得など、FRTBのデータ面が主な課題であると回答しています。その他の課題としては、標準的手法(SA)と内部モデル手法(IMA)の決定(34%)、銀行全体でのマーケット・リスクとフロント・オフィスのプライシング・モデルの調整(28%)などが挙げられました。
ブルームバーグのマーケット・リスク・プロダクト責任者であるユージン・スターンは、「今回の延期にもかかわらず、銀行はFRTBの導入を引き続き重要視するべきです。FRTBを期に、銀行はリスク管理プロセスやデータの取り扱いについて、市場リスクをはるかに超えた大きな決断が必要となります。現在進行中のLIBORからのトランジションと相まって、今後2年間、世界のセルサイドは変革を迫られるでしょう」と述べています。
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