「アメリカによる支配」はなぜつづくのか?原因は、岸首相がアメリカと結んだ3つの密約にあった!
“いま”旬な本情報&著者インタビューをお届けします。by本TUBE
1億人の本と本屋の動画投稿サイト「本TUBE」では、矢部宏治さんの単行本知ってはいけない2 日本の主権はこうして失われた』(講談社)の著者インタビューを開催! 同時に、サイン本を2名様にプレゼントするインタビューキャンペーンを12/25よりスタートしました。(〆切は1/2)
矢部宏治さんの新刊『知ってはいけない2 日本の主権はこうして失われた』(講談社)が11月14日に発売された。本作は、10万部を突破したベストセラー『知ってはいけない』の著者が、「戦後日本の“最後の謎”」を解く、衝撃の一冊。かつて占領下で結ばれた、きわめて不平等な旧安保条約――、それを対等な関係に変えたはずの「安保改定」(1960年)が、なぜ日本の主権をさらに奪いとっていくことになったのか?「アメリカによる支配」はなぜつづくのか?安倍首相の祖父が“日本を売った”3つの密約とは?知ってはいけない、だが知らなくてはならない、日本に潜むいくつもの事実について、4コマまんがも用いて、わかりやすく解説している。
本TUBE編集部×矢部宏治インタビュー
――今回、ベストセラー『知ってはいけない』の二作目ですね。
1のほうは何を書いたかというと、なぜ日本とアメリカにここまでおかしな関係が生まれたのか?ということ。首都圏の上空が全部米軍に支配されたり、1952年に独立した戦後日本というのは、もともと朝鮮戦争への軍事支援を条件に米軍が独立を認めた国だったんです。カーター・B・マグルーダー陸軍少将、この人が旧安保条約と行政協定を書いた。軍人が書いているんですよ。朝鮮戦争を戦うために、米軍の思い通りに作られたのが旧安保条約だったというわけです。
――不平等な旧安保条約について、最初にできてしまったものは仕方がないですが、改正してもなお続くおかしな関係性に問題があると指摘されています。
旧安保条約には「アメリカは米軍を日本およびその周辺に配備する権利を持つ」とありますが、これは日本の国土の自由使用と自由出撃を意味しています。つまり、日本全体を基地として使えるし、国境を越えて自由に他国を攻撃できる。こんな条約を結んでいる国はないんですよ。それがどうして続いているのかというと、1960年に安倍首相の祖父にあたる岸首相が安保改定をしているんですけど、実はその3年前の1957年に、首相になってすぐアメリカに行って、ある合意をしていたんです。それは安保改定に先立つ日米共同声明というもので、「日本国内の米軍の配備と使用については、アメリカが実行可能な場合はいつでも協議する」という内容でした。
――「実行可能な」というところが引っかかります。
はい、ここが最大のポイントなんです。今までそういう協議は一回もされたことがないです。外務省の官僚は国民には伝えないだけで、こういった事実の重大性をちゃんと理解していると思いがちですが、実際は全くわかってないという衝撃的な事実があります。どうしてそういうことになっているのか、なぜ日本の外務官僚はそれを知らないのかっていう歴史を明らかにした本です。
――アメリカが一枚も二枚も上手だったというのもあるんでしょうか?
日本の偉い人間は外国との交渉を密室でやりたがるんです。海外でももちろん隠すところもあるけれど、主権が関わるような基本的な問題はオープンなところでやるというのが原則です。そうすれば、どんなに小さい国でも、無茶苦茶な主権侵害な状況にはならない。なぜ日本がそういうことになっているかというと、もともと岸さんはA級戦犯容疑者として獄中にいて、そこから出てわずか7年で首相になった人物なんです。その過程でCIAから資金的にも人脈的にも、ものすごく支援をしてもらっていたということが、アメリカの国務省が発表した資料でわかっている。最初にものすごい後ろ暗いところがあるから、交渉を密室でやろうとするんですよね。
――なぜアメリカは岸さんを選んだんですか?
一つとして、能力が高いこと。頭がいいし体も強いんです。もう一つは徹底した反共思想の人だから。そしてもう一つは、そういう風にするためにずっと育ててきた人間だということ。この三つですよね
――さらに衝撃的だったのは、アメリカは日本を防衛する義務はない?
ないです。旧安保条約の下に、行政協定という軍事的な取り決めがあって、新安保条約の下には、地位協定というものがある。この二つは、“内容を変えない”っていう合意が最初からされています。だから条文は一対一で対応していてほとんど一緒なんだけど、条文の数が違う。
――一個違うんですよね?
行政協定のほうは29条あるのに、地位協定のほうは28条しかないのです。何がなくなっているかっていうと、行政協定の24条。それが新安保条約で岸の最大の功績とされる、アメリカによる日本の防衛義務、それと事前協議制度です。冷戦期は米軍が日本を見捨てることはあり得なかったのですが、今は違います。武器を買わされて、社会に貧困が生まれているのに、買った武器が日本の安全じゃなくて危険を高めているという現状がありますね。
――『知ってはいけない』というタイトルですが、日本人として知っているべきと思える本でもあります。怖いかもしれないけど、ぜひ手にとってほしい一冊です。ありがとうございました
■矢部宏治
1960年兵庫県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。株式会社博報堂マーケティング部を経て、1987年より書籍情報社代表。著書に『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(以上、集英社インターナショナル)、『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること――沖縄・米軍基地観光ガイド』(書籍情報社)、共著書に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(創元社)。企画編集に「〈知の再発見〉双書」シリーズ、J・M・ロバーツ著「図説 世界の歴史」(全10巻)、「〈戦後再発見〉双書」シリーズ(以上、創元社)がある。
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本TUBE編集部×矢部宏治インタビュー
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――今回、ベストセラー『知ってはいけない』の二作目ですね。
1のほうは何を書いたかというと、なぜ日本とアメリカにここまでおかしな関係が生まれたのか?ということ。首都圏の上空が全部米軍に支配されたり、1952年に独立した戦後日本というのは、もともと朝鮮戦争への軍事支援を条件に米軍が独立を認めた国だったんです。カーター・B・マグルーダー陸軍少将、この人が旧安保条約と行政協定を書いた。軍人が書いているんですよ。朝鮮戦争を戦うために、米軍の思い通りに作られたのが旧安保条約だったというわけです。
――不平等な旧安保条約について、最初にできてしまったものは仕方がないですが、改正してもなお続くおかしな関係性に問題があると指摘されています。
旧安保条約には「アメリカは米軍を日本およびその周辺に配備する権利を持つ」とありますが、これは日本の国土の自由使用と自由出撃を意味しています。つまり、日本全体を基地として使えるし、国境を越えて自由に他国を攻撃できる。こんな条約を結んでいる国はないんですよ。それがどうして続いているのかというと、1960年に安倍首相の祖父にあたる岸首相が安保改定をしているんですけど、実はその3年前の1957年に、首相になってすぐアメリカに行って、ある合意をしていたんです。それは安保改定に先立つ日米共同声明というもので、「日本国内の米軍の配備と使用については、アメリカが実行可能な場合はいつでも協議する」という内容でした。
――「実行可能な」というところが引っかかります。
はい、ここが最大のポイントなんです。今までそういう協議は一回もされたことがないです。外務省の官僚は国民には伝えないだけで、こういった事実の重大性をちゃんと理解していると思いがちですが、実際は全くわかってないという衝撃的な事実があります。どうしてそういうことになっているのか、なぜ日本の外務官僚はそれを知らないのかっていう歴史を明らかにした本です。
――アメリカが一枚も二枚も上手だったというのもあるんでしょうか?
日本の偉い人間は外国との交渉を密室でやりたがるんです。海外でももちろん隠すところもあるけれど、主権が関わるような基本的な問題はオープンなところでやるというのが原則です。そうすれば、どんなに小さい国でも、無茶苦茶な主権侵害な状況にはならない。なぜ日本がそういうことになっているかというと、もともと岸さんはA級戦犯容疑者として獄中にいて、そこから出てわずか7年で首相になった人物なんです。その過程でCIAから資金的にも人脈的にも、ものすごく支援をしてもらっていたということが、アメリカの国務省が発表した資料でわかっている。最初にものすごい後ろ暗いところがあるから、交渉を密室でやろうとするんですよね。
――なぜアメリカは岸さんを選んだんですか?
一つとして、能力が高いこと。頭がいいし体も強いんです。もう一つは徹底した反共思想の人だから。そしてもう一つは、そういう風にするためにずっと育ててきた人間だということ。この三つですよね
――さらに衝撃的だったのは、アメリカは日本を防衛する義務はない?
ないです。旧安保条約の下に、行政協定という軍事的な取り決めがあって、新安保条約の下には、地位協定というものがある。この二つは、“内容を変えない”っていう合意が最初からされています。だから条文は一対一で対応していてほとんど一緒なんだけど、条文の数が違う。
――一個違うんですよね?
行政協定のほうは29条あるのに、地位協定のほうは28条しかないのです。何がなくなっているかっていうと、行政協定の24条。それが新安保条約で岸の最大の功績とされる、アメリカによる日本の防衛義務、それと事前協議制度です。冷戦期は米軍が日本を見捨てることはあり得なかったのですが、今は違います。武器を買わされて、社会に貧困が生まれているのに、買った武器が日本の安全じゃなくて危険を高めているという現状がありますね。
――『知ってはいけない』というタイトルですが、日本人として知っているべきと思える本でもあります。怖いかもしれないけど、ぜひ手にとってほしい一冊です。ありがとうございました
■矢部宏治
1960年兵庫県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。株式会社博報堂マーケティング部を経て、1987年より書籍情報社代表。著書に『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(以上、集英社インターナショナル)、『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること――沖縄・米軍基地観光ガイド』(書籍情報社)、共著書に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(創元社)。企画編集に「〈知の再発見〉双書」シリーズ、J・M・ロバーツ著「図説 世界の歴史」(全10巻)、「〈戦後再発見〉双書」シリーズ(以上、創元社)がある。
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