TD シネックス、クラウドネイティブのアプリケーションに最適な分散SQLデータベースYugabyteDBをCoE(センターオブエクセレンス)が提供するデータライフサイクル・ソリューションに採用
「TD SYNNEX Inspire Japan 2022 Tokyo」開催記念対談。日本のクラウドシフトの現在地と進むべき未来
TD SYNNEX株式会社(本社:東京 代表取締役社長:國持重隆、以下「TD SYNNEX」)は、ソリューションの評価・検証・実装をサポートする「Center of Excellence」(以下、CoE ※1)のアナリティクスソリューションに、クラウドネイティブのアプリケーションに最適な分散SQLデータベース、YugabyteDBを2022年11月より採用することを発表いたします。
YugabyteDBをCoEに採用することで、パートナーや顧客にCoEのデモセンターでソリューションの評価・検証をご提供します。
Yugabyte は、Fortune500の企業の多くでミッションクリティカルなワークロードで採用され続け、コンテナやマイクロサービスなど、分散データベースを世界でリードしています。日本市場への本格進出1年を経て、米本社TD SYNNEX Corporationが2022年4月にYugabyteと提携した経緯を受け、日本においてもTD SYNNEXは、クラウドネイティブのアプリケーションに最適な分散SQLデータベース、YugabyteDBの販売を開始いたしました(※2)。
Yugabyteは、分散SQLを、日本を含むアジア地域に普及させることに尽力しており、2021年には東京に新しいオフィスを開設するなど、アジアで大きな成長を遂げています。
このたび、来る11月10日に開催する「TD SYNNEX Inspire Japan 2022 Tokyo」を記念して、Yugabyte, Inc. VP of Strategy and Marketing であるSuda Srinivasan氏と、TD SYNNEX Vice President 常務執行役員 伊藤 弘泰による対談を行いました。「クラウドネイティブ後進国」といわれている日本において、次世代DX、クラウドネイティブの鍵を握る2社による特別対談インタビューとなります。
(※1)TD SYNNEXが「Center of Excellence」(CoE)を開設(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000101.000034623.html)
(※2)TD シネックス、クラウドネイティブのアプリケーションに最適な分散SQLデータベースYugabyteDBを提供開始(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000089.000034623.html)
■対談者プロフィール
Suda Srinivasan
Yugabyte VP of Strategy and Marketing
オープンソース分散SQLデータベースのリーディングカンパニーであるYugabyte, Inc. にて戦略およびマーケティング担当副社長。マイクロソフトとIBMアルマデン研究所でエンジニアリングのキャリアをスタートし、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校でコンピュータサイエンスの修士号を、スタンフォード大学でMBAを取得。Yugabyte入社以前は、クラウドセキュリティ企業のObsidian SecurityとDome9でマーケティング担当副社長を務める。Dome9では、市場参入の実行と大手クラウドプロバイダーとの技術提携を主導し、2018年のCheck Pointによる買収まで、同社の大幅な前年比成長を推進した。NutanixとDeloitteでは、製品マーケティングとコンサルティングのリーダー職を歴任。
伊藤 弘泰
TD SYNNEX株式会社 常務執行役員
■YugabyteDBが生まれた3つの理由
ーーまず、日本におけるDXやクラウド活用の現状について教えてください。
ーー伊藤
「日本のDXはアメリカより10年ほど遅れていると言われていますが、新型コロナウイルスの影響でそれも変わりつつあります。リモートワークの普及やSaaSの隆盛により加速してはいるものの、特にデータサイエンティストやエンジニアなどの人材不足はDXが進まない大きな要因となっており、国策として育成していく必要があります。また、企業側でもデータをどう扱うかが明確になっていないことも多く、弊社としても積極的にコンサルティングを提供しています。
当社は昨年世界3位だったシネックスとTech Dataが統合してTD SYNNEXとなり、IT商社としてはグローバルで世界ナンバーワンの規模となりました。世界中にさまざまな技術のエキスパートを抱えているので、11月10日に開催するTD SYNNEX Inspire Japan 2022などのイベントなどを通して、世界で日々生まれるベストプラクティスを日本に持ち込み発信しています」
ーーYugabyteは昨年日本に進出されていますが、改めてコーポレート全体の戦略や先行している北米市場、海外と日本市場の差異などについて教えてください。
ーーSuda
「Yugabyteは『YugabyteDB』という分散SQLデータベースを提供している会社です。YugabyteDBはオープンソースのクラウドネイティブデータベースであり、トランザクション系のワークロードに対応可能です。分散SQLデータベースが市場を席巻するとの見込みから、Apache Cassandra(オープンソースの分散データベース管理システム。データベースの主流であるリレーショナル型(RDB)と異なる構造を持つ、NoSQL型システムの一つ)に造詣が深い元Facebookのエンジニアによって設立されました。
その当社から見て、過去10年を振り返ると、アプリケーション開発が大きく変わりつつあります。銀行や通信、小売といった企業においてもオンプレミスからハイブリッドへの移行が進みましたし、完全にクラウドへ移行した企業もあります。アプリケーション開発のニーズが変化し、いわゆる単一のモノリシックなデータベースから、一分でデプロイが可能な俊敏性や、ゼロダウンタイム、スケーラビリティといった要素が求められるように変化しました。これまでの Oracle DatabaseやSQL Server、DB2といったデータベースではこうしたクラウドネイティブに必要な要素への対応が難しく、YugabyteDBが生まれたという背景があります。
ビジネス観点でも当社が生まれた3つの要因が存在します。ひとつはDatabase as a Service(DBaaS)という考え方が生まれたこと。ほぼすべての企業・業界がAmazon、Googleといったテックジャイアントに対抗を迫られる時代において、ビジネスにスピードが求められる度合いは日に日に増しています。そのため、企業はデータベースの管理に労力をかけたくないですし、できるだけ迅速に、素早く使いたいというニーズが生まれました。
2つ目はセキュリティやプライバシー、データガバナンスに関する規制がより厳格になりつつあるため、これらの規制にデータベース側でも対応しようという動き。3つ目は開発者の生産性向上という観点です。ビジネスにおいてはサービスや新機能をできるだけ素早く顧客に届ける必要がありますが、開発者がそうしたデリバリーをコスト、リスクともに低く行えるようなアーキテクチャのデータベースが必要だったのです。
TD SYNNEXは世界中にエコシステムを持ち、グローバルでのプレゼンスも高く、日本企業のDXを推進してきた実績もあります。ぜひこれから一緒に市場開拓を進めていきたいですね」
■Yugabyte日本進出から1年を経て見えたもの
ーーYugabyte日本進出から1年ほど経過しますが、今に至るまでの変遷と日本市場に対する期待は?
ーーSuda
「まだ1年という短い期間なので、TD SYNNEXなどパートナーとの関係構築を進めている段階です。きちんと段階を踏んで、パートナーと一緒に日本市場におけるビジネスを開拓していきたいですね。
日本ではDXやクラウドシフトといったキーワードをよく耳にするものの、どれもがまだまだ始まったばかりです。特に、今後10年間では『データトランスフォーメーション』がキーになると考えています。
RDBという概念は1970年代に生まれ、誕生から50年近い年月が経っています。それだけ制約も多く、当時導入した企業にも変革が求められている。この変革を支援するために、TD SYNNEXをはじめとしたパートナーとの協業は必要不可欠です。日本市場において、どういった企業がどのような変革を模索しているのか、潜在的なニーズはどのようなものか、どのようなユースケースがあるのかなどを特定していく作業が必要であり、それを共にできることがパートナーに求める一番の条件でもあります。まずはスモールスタートし、準備ができればその先にさらなる展開の加速もあるでしょう。
今後、すべての企業がマルチクラウド、ハイブリッドクラウドへ移行する時代が近づいています。彼らは単一ベンダーによるロックインを嫌います。TD SYNNEXは、マルチクラウド、マルチデータセンターを取り扱っており、ベンダーロックインされたソリューションを提供することはありません。当社のデータベースを『Any Cloud(すべてのクラウド)』で運用可能なデータベースを展開するという方向性ともマッチしており、良きパートナーになってくれると期待しています」
■Yugabyte × TD SYNNEX 協業の理由とは
ーー両社から見た両社の魅力や、今回協業を決めた理由について教えてください。
ーー伊藤
「現在のSIerのマーケットでは26%ほどがクラウドビジネスであり、来年には47%、5年後には50%に上ると言われており、かなりクラウドシフトが本格的になりつつあります。先程Sudaさんが仰ったように、当社でもハイブリッドクラウド、マルチクラウドに注力しており、基本的に単一のベンダーのソリューションを提供することは考えていません。その中でYugabyteのようなクラウドネイティブに対応したデータベースは非常に重要と位置付けており、当社でも今後グローバルで投資を加速していきます。さまざまなお客様の声を聞いていますが、やはりデータ利活用、データモダナイゼーションに悩まれている企業が大変多いなか、Yugabyteのように汎用的なベンダーはなかなかおらず貴重な存在です」
「TD SYNNEXはDXをサポートしてきた歴史と、多様な業界との関係をお持ちです。クラウド移行のパートナーとして多くの企業に信頼されていますし、顧客の現状に合わせたサービスを提供できるケイパビリティがあります。クラウド移行は、必ずしもパブリッククラウドへの移行を意味せず、VMWareやOpenShiftといったベンダーとも協業しながら進めなければいけません。その点で、顧客から高い信頼を得ているTD SYNNEXとの協業は価値あるものになると信じています」
ーー伊藤
「ありがとうございます。また、当社ではデータライフサイクルを大きなキーワードと捉えており、日本とグローバルでも今後大きな投資をしていく見込みです。DevOpsのモダナイゼーションをはじめとした、企業のデータライフサイクルを包括的にサポートするため、当社の『CoE(Center of Excellence)』という、顧客に対して複数の製品を組み合わせ、ソリューションとして提供するサービスを日本においても提供していきます。その中でもYugabyteの製品は中心的なソリューションになるでしょう」
「DevOpsを考える上で、セキュリティは後から考えればいいという風潮に対して『Dev Sec Ops』、いわゆる開発環境に対して最初からセキュリティを組み込むという考え方も誕生しました。データドリブン・データファーストへアーキテクチャを変革していくなかで、運用とセキュリティを分離するのではなく、最初から前倒しで組み込むことで、データライフサイクル全体を最初から設計しようという動きが加速しているのが、伊藤さんが仰っているデータライフサイクルマネジメントですね。
データはエッジデバイスやデータセンターなど、さまざまな場所で日々生成されます。アプリケーションを開発する前に、データはどこでどう生成され、誰がどのような用途で使うのかを包括して扱えるアーキテクチャと言えるでしょう。たとえば自動車メーカーのGMは、車載データファクトリーという、車載データを一元化して管理する基盤を運用していて、これもひとつのデータライフサイクル管理の手法と言えます。TD SYNNEXのCoEなども活用し、最初からデータライフサイクルを包括的に考えることが重要です」
■「Think Data First」データを最初に考えれば成功は近づく
両社の協業における今後の展望や、11月10日に開催されるイベント「TD SYNNEX Inspire Japan 2022」について教えてください。
ーーSuda
「過去10年から15年を振り返ると、いくつものディスラプションの波が押し寄せました。破壊的な革命が起こるたびに、我々は市場に対して地道な啓蒙を行ってきました。地殻変動についていくためには、技術だけではなく、企業という組織が根本的に変わる必要があり、それはすぐには成功しないからです。
分散SQLデータベースという技術においても、トレーニングやオンボーディングなどの手厚い支援を通してお客様をサポートしていきます。11月10日に行われるInspire Japan 2022はその意味で、エバンジェリストとしてのTD SYNNEXとYugabyteの役割を示す大きな機会です。実務に携わる開発者の方々も大勢来場すると聞いているので、地殻変動を推進するエバンジェリストとして盛り上げていきたいですね」
ーー伊藤
「Inspire Japan 2022では、CIOラウンドテーブルという販売店のエグゼクティブを招いたセッションを行います。アフターコロナにビジネスをどうしていくかを考えたとき、もう一段階DXが必要というエンドユーザーは多数いらっしゃいます。そこをどう当社がお手伝いできるかを明確に示したいですね。Yugabyteのようなクラウドネイティブを推進する革新的な企業のサポートは何より重要です。
当社はもともと自らをグローバルディストリビューターと名乗っていましたが、近年ではよりお客様に価値を届けたいという思いから、ソリューションアグリゲーターと名乗るようにしています。TD SYNNEXとしては元年という節目でもあり、日本企業をどう元気にしていけるか我々のケイパビリティを改めて示すとともに、新しいTD SYNNEXをぜひお見せしたいと思います」
ーーSuda
「最後に、クラウドシフトは組織のシフトである、と言わせてください。上から下まで浸透するように組織を変革していかなければいけません。AWSを導入してサーバーをクラウドに乗せるだけでは成功しないのです。これからDXを推進する企業には、ぜひ『Think Data First』(データファーストで考える)を合言葉にしてほしいと思います。データを最初に考えることで成功が近づきます」
■「TD SYNNEX Inspire Japan 2022 Tokyo」について
Yugabyte登壇セッション
「次のトレンドはデータ活用だ!業界リーダーが企業の抱える課題と活用のヒントを大公開」
14:00-14:40
近々訪れると言われている「データ爆発時代」。データプラットフォームのトレンド、プラットフォーム構築におけるポイント、先進ユーザーの事例などを交え、ZDNet Japan編集長がファシリテーターを務めるパネルディスカッション形式でお届けします。
イベント詳細・お申し込みはこちら
https://www.synnex.co.jp/inspire2022/
Yugabyteについて
Yugabyteは、グローバルなクラウドネイティブアプリケーションを構築するための、オープンソースの高性能分散SQLデータベースであるYugabyteDBを開発・提供する会社です。YugabyteDBは、SQLクエリーの柔軟性、高性能、およびクラウドネイティブの俊敏性により、ビジネスに不可欠なアプリケーションを提供し、企業が複雑なデータインフラ管理ではなく、ビジネスの成長に集中できるよう支援します。サイバーセキュリティ、金融市場、IoT、小売、Eコマース、その他のバーティカル分野の企業から信頼を得ています。
www.yugabyte.com
TD SYNNEXについて
TD SYNNEX株式会社は、世界トップクラスのITディストリビューターである米国TD SYNNEX Corporationの日本法人です。世界100カ国、取引メーカー数1500社を超えるグローバルネットワークを強みに、従来の卸売ビジネスに加え、国内外の製品やサービスを組み合わせて、お客さまのビジネスの課題に最適なITソリューションを提供するソリューションアグリゲーターです。
私たちはテクノロジーを通じ、日本のお客さまや地域社会に貢献してまいります。
https://www.synnex.co.jp/
セーフハーバー宣言
本プレスリリースの記載には、米国1933年証券法第27A条及び米国1934年証券取引所法第21E条で定義された、「将来に関する記述」が含まれています。既知若しくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果が「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された予測等と大きく異なることがあります。本プレスリリース中の「将来に関する記述」は、本プレスリリースの日付けの時点で有する情報を基に作成されたものであり、将来の事象や状況を反映するために、その記述を更新したり修正したりする義務を負うものではありません。
※掲載されている社名又は製品名は、各社の商標又は登録商標です。©2022 TD SYNNEX K.K.
Yugabyte は、Fortune500の企業の多くでミッションクリティカルなワークロードで採用され続け、コンテナやマイクロサービスなど、分散データベースを世界でリードしています。日本市場への本格進出1年を経て、米本社TD SYNNEX Corporationが2022年4月にYugabyteと提携した経緯を受け、日本においてもTD SYNNEXは、クラウドネイティブのアプリケーションに最適な分散SQLデータベース、YugabyteDBの販売を開始いたしました(※2)。
Yugabyteは、分散SQLを、日本を含むアジア地域に普及させることに尽力しており、2021年には東京に新しいオフィスを開設するなど、アジアで大きな成長を遂げています。
このたび、来る11月10日に開催する「TD SYNNEX Inspire Japan 2022 Tokyo」を記念して、Yugabyte, Inc. VP of Strategy and Marketing であるSuda Srinivasan氏と、TD SYNNEX Vice President 常務執行役員 伊藤 弘泰による対談を行いました。「クラウドネイティブ後進国」といわれている日本において、次世代DX、クラウドネイティブの鍵を握る2社による特別対談インタビューとなります。
(※1)TD SYNNEXが「Center of Excellence」(CoE)を開設(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000101.000034623.html)
(※2)TD シネックス、クラウドネイティブのアプリケーションに最適な分散SQLデータベースYugabyteDBを提供開始(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000089.000034623.html)
■対談者プロフィール
Suda Srinivasan
Yugabyte VP of Strategy and Marketing
オープンソース分散SQLデータベースのリーディングカンパニーであるYugabyte, Inc. にて戦略およびマーケティング担当副社長。マイクロソフトとIBMアルマデン研究所でエンジニアリングのキャリアをスタートし、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校でコンピュータサイエンスの修士号を、スタンフォード大学でMBAを取得。Yugabyte入社以前は、クラウドセキュリティ企業のObsidian SecurityとDome9でマーケティング担当副社長を務める。Dome9では、市場参入の実行と大手クラウドプロバイダーとの技術提携を主導し、2018年のCheck Pointによる買収まで、同社の大幅な前年比成長を推進した。NutanixとDeloitteでは、製品マーケティングとコンサルティングのリーダー職を歴任。
伊藤 弘泰
TD SYNNEX株式会社 常務執行役員
国内外のIT関連企業に従事、 香港最大のテレコム企業での駐在経験を経て、2008年デル株式会社(現DELL Technologies)に入社。Online Business Manager leadとしてオンラインビジネスに特化したコンサルテーションを担当。2017年シネックスジャパン株式会社(現TD SYNNEX株式会社)入社、マーケティング部門、プロダクトマネジメント部門を統括。2022年4月よりTD SYNNEX株式会社、常務執行役員。
■YugabyteDBが生まれた3つの理由
ーーまず、日本におけるDXやクラウド活用の現状について教えてください。
ーー伊藤
「日本のDXはアメリカより10年ほど遅れていると言われていますが、新型コロナウイルスの影響でそれも変わりつつあります。リモートワークの普及やSaaSの隆盛により加速してはいるものの、特にデータサイエンティストやエンジニアなどの人材不足はDXが進まない大きな要因となっており、国策として育成していく必要があります。また、企業側でもデータをどう扱うかが明確になっていないことも多く、弊社としても積極的にコンサルティングを提供しています。
当社は昨年世界3位だったシネックスとTech Dataが統合してTD SYNNEXとなり、IT商社としてはグローバルで世界ナンバーワンの規模となりました。世界中にさまざまな技術のエキスパートを抱えているので、11月10日に開催するTD SYNNEX Inspire Japan 2022などのイベントなどを通して、世界で日々生まれるベストプラクティスを日本に持ち込み発信しています」
ーーYugabyteは昨年日本に進出されていますが、改めてコーポレート全体の戦略や先行している北米市場、海外と日本市場の差異などについて教えてください。
ーーSuda
「Yugabyteは『YugabyteDB』という分散SQLデータベースを提供している会社です。YugabyteDBはオープンソースのクラウドネイティブデータベースであり、トランザクション系のワークロードに対応可能です。分散SQLデータベースが市場を席巻するとの見込みから、Apache Cassandra(オープンソースの分散データベース管理システム。データベースの主流であるリレーショナル型(RDB)と異なる構造を持つ、NoSQL型システムの一つ)に造詣が深い元Facebookのエンジニアによって設立されました。
その当社から見て、過去10年を振り返ると、アプリケーション開発が大きく変わりつつあります。銀行や通信、小売といった企業においてもオンプレミスからハイブリッドへの移行が進みましたし、完全にクラウドへ移行した企業もあります。アプリケーション開発のニーズが変化し、いわゆる単一のモノリシックなデータベースから、一分でデプロイが可能な俊敏性や、ゼロダウンタイム、スケーラビリティといった要素が求められるように変化しました。これまでの Oracle DatabaseやSQL Server、DB2といったデータベースではこうしたクラウドネイティブに必要な要素への対応が難しく、YugabyteDBが生まれたという背景があります。
ビジネス観点でも当社が生まれた3つの要因が存在します。ひとつはDatabase as a Service(DBaaS)という考え方が生まれたこと。ほぼすべての企業・業界がAmazon、Googleといったテックジャイアントに対抗を迫られる時代において、ビジネスにスピードが求められる度合いは日に日に増しています。そのため、企業はデータベースの管理に労力をかけたくないですし、できるだけ迅速に、素早く使いたいというニーズが生まれました。
2つ目はセキュリティやプライバシー、データガバナンスに関する規制がより厳格になりつつあるため、これらの規制にデータベース側でも対応しようという動き。3つ目は開発者の生産性向上という観点です。ビジネスにおいてはサービスや新機能をできるだけ素早く顧客に届ける必要がありますが、開発者がそうしたデリバリーをコスト、リスクともに低く行えるようなアーキテクチャのデータベースが必要だったのです。
TD SYNNEXは世界中にエコシステムを持ち、グローバルでのプレゼンスも高く、日本企業のDXを推進してきた実績もあります。ぜひこれから一緒に市場開拓を進めていきたいですね」
■Yugabyte日本進出から1年を経て見えたもの
ーーYugabyte日本進出から1年ほど経過しますが、今に至るまでの変遷と日本市場に対する期待は?
ーーSuda
「まだ1年という短い期間なので、TD SYNNEXなどパートナーとの関係構築を進めている段階です。きちんと段階を踏んで、パートナーと一緒に日本市場におけるビジネスを開拓していきたいですね。
日本ではDXやクラウドシフトといったキーワードをよく耳にするものの、どれもがまだまだ始まったばかりです。特に、今後10年間では『データトランスフォーメーション』がキーになると考えています。
RDBという概念は1970年代に生まれ、誕生から50年近い年月が経っています。それだけ制約も多く、当時導入した企業にも変革が求められている。この変革を支援するために、TD SYNNEXをはじめとしたパートナーとの協業は必要不可欠です。日本市場において、どういった企業がどのような変革を模索しているのか、潜在的なニーズはどのようなものか、どのようなユースケースがあるのかなどを特定していく作業が必要であり、それを共にできることがパートナーに求める一番の条件でもあります。まずはスモールスタートし、準備ができればその先にさらなる展開の加速もあるでしょう。
今後、すべての企業がマルチクラウド、ハイブリッドクラウドへ移行する時代が近づいています。彼らは単一ベンダーによるロックインを嫌います。TD SYNNEXは、マルチクラウド、マルチデータセンターを取り扱っており、ベンダーロックインされたソリューションを提供することはありません。当社のデータベースを『Any Cloud(すべてのクラウド)』で運用可能なデータベースを展開するという方向性ともマッチしており、良きパートナーになってくれると期待しています」
■Yugabyte × TD SYNNEX 協業の理由とは
ーー両社から見た両社の魅力や、今回協業を決めた理由について教えてください。
ーー伊藤
「現在のSIerのマーケットでは26%ほどがクラウドビジネスであり、来年には47%、5年後には50%に上ると言われており、かなりクラウドシフトが本格的になりつつあります。先程Sudaさんが仰ったように、当社でもハイブリッドクラウド、マルチクラウドに注力しており、基本的に単一のベンダーのソリューションを提供することは考えていません。その中でYugabyteのようなクラウドネイティブに対応したデータベースは非常に重要と位置付けており、当社でも今後グローバルで投資を加速していきます。さまざまなお客様の声を聞いていますが、やはりデータ利活用、データモダナイゼーションに悩まれている企業が大変多いなか、Yugabyteのように汎用的なベンダーはなかなかおらず貴重な存在です」
ーーSuda
「TD SYNNEXはDXをサポートしてきた歴史と、多様な業界との関係をお持ちです。クラウド移行のパートナーとして多くの企業に信頼されていますし、顧客の現状に合わせたサービスを提供できるケイパビリティがあります。クラウド移行は、必ずしもパブリッククラウドへの移行を意味せず、VMWareやOpenShiftといったベンダーとも協業しながら進めなければいけません。その点で、顧客から高い信頼を得ているTD SYNNEXとの協業は価値あるものになると信じています」
ーー伊藤
「ありがとうございます。また、当社ではデータライフサイクルを大きなキーワードと捉えており、日本とグローバルでも今後大きな投資をしていく見込みです。DevOpsのモダナイゼーションをはじめとした、企業のデータライフサイクルを包括的にサポートするため、当社の『CoE(Center of Excellence)』という、顧客に対して複数の製品を組み合わせ、ソリューションとして提供するサービスを日本においても提供していきます。その中でもYugabyteの製品は中心的なソリューションになるでしょう」
ーーSuda
「DevOpsを考える上で、セキュリティは後から考えればいいという風潮に対して『Dev Sec Ops』、いわゆる開発環境に対して最初からセキュリティを組み込むという考え方も誕生しました。データドリブン・データファーストへアーキテクチャを変革していくなかで、運用とセキュリティを分離するのではなく、最初から前倒しで組み込むことで、データライフサイクル全体を最初から設計しようという動きが加速しているのが、伊藤さんが仰っているデータライフサイクルマネジメントですね。
データはエッジデバイスやデータセンターなど、さまざまな場所で日々生成されます。アプリケーションを開発する前に、データはどこでどう生成され、誰がどのような用途で使うのかを包括して扱えるアーキテクチャと言えるでしょう。たとえば自動車メーカーのGMは、車載データファクトリーという、車載データを一元化して管理する基盤を運用していて、これもひとつのデータライフサイクル管理の手法と言えます。TD SYNNEXのCoEなども活用し、最初からデータライフサイクルを包括的に考えることが重要です」
■「Think Data First」データを最初に考えれば成功は近づく
両社の協業における今後の展望や、11月10日に開催されるイベント「TD SYNNEX Inspire Japan 2022」について教えてください。
ーーSuda
「過去10年から15年を振り返ると、いくつものディスラプションの波が押し寄せました。破壊的な革命が起こるたびに、我々は市場に対して地道な啓蒙を行ってきました。地殻変動についていくためには、技術だけではなく、企業という組織が根本的に変わる必要があり、それはすぐには成功しないからです。
分散SQLデータベースという技術においても、トレーニングやオンボーディングなどの手厚い支援を通してお客様をサポートしていきます。11月10日に行われるInspire Japan 2022はその意味で、エバンジェリストとしてのTD SYNNEXとYugabyteの役割を示す大きな機会です。実務に携わる開発者の方々も大勢来場すると聞いているので、地殻変動を推進するエバンジェリストとして盛り上げていきたいですね」
ーー伊藤
「Inspire Japan 2022では、CIOラウンドテーブルという販売店のエグゼクティブを招いたセッションを行います。アフターコロナにビジネスをどうしていくかを考えたとき、もう一段階DXが必要というエンドユーザーは多数いらっしゃいます。そこをどう当社がお手伝いできるかを明確に示したいですね。Yugabyteのようなクラウドネイティブを推進する革新的な企業のサポートは何より重要です。
当社はもともと自らをグローバルディストリビューターと名乗っていましたが、近年ではよりお客様に価値を届けたいという思いから、ソリューションアグリゲーターと名乗るようにしています。TD SYNNEXとしては元年という節目でもあり、日本企業をどう元気にしていけるか我々のケイパビリティを改めて示すとともに、新しいTD SYNNEXをぜひお見せしたいと思います」
ーーSuda
「最後に、クラウドシフトは組織のシフトである、と言わせてください。上から下まで浸透するように組織を変革していかなければいけません。AWSを導入してサーバーをクラウドに乗せるだけでは成功しないのです。これからDXを推進する企業には、ぜひ『Think Data First』(データファーストで考える)を合言葉にしてほしいと思います。データを最初に考えることで成功が近づきます」
■「TD SYNNEX Inspire Japan 2022 Tokyo」について
当社は米国SYNNEX Corporationの米国Tech Data Corporationとの合併を受け、本年1月にTD SYNNEX株式会社に社名を変更しました。今回のイベントでは、「Next Generation IT〜世界標準を日本へ、次世代DX展〜」をテーマに、世界をリードするグローバルテクノロジーリーダー企業による最新製品・ソリューションの展示・講演を行います。
Yugabyte登壇セッション
「次のトレンドはデータ活用だ!業界リーダーが企業の抱える課題と活用のヒントを大公開」
14:00-14:40
近々訪れると言われている「データ爆発時代」。データプラットフォームのトレンド、プラットフォーム構築におけるポイント、先進ユーザーの事例などを交え、ZDNet Japan編集長がファシリテーターを務めるパネルディスカッション形式でお届けします。
イベント詳細・お申し込みはこちら
https://www.synnex.co.jp/inspire2022/
Yugabyteについて
Yugabyteは、グローバルなクラウドネイティブアプリケーションを構築するための、オープンソースの高性能分散SQLデータベースであるYugabyteDBを開発・提供する会社です。YugabyteDBは、SQLクエリーの柔軟性、高性能、およびクラウドネイティブの俊敏性により、ビジネスに不可欠なアプリケーションを提供し、企業が複雑なデータインフラ管理ではなく、ビジネスの成長に集中できるよう支援します。サイバーセキュリティ、金融市場、IoT、小売、Eコマース、その他のバーティカル分野の企業から信頼を得ています。
www.yugabyte.com
TD SYNNEXについて
TD SYNNEX株式会社は、世界トップクラスのITディストリビューターである米国TD SYNNEX Corporationの日本法人です。世界100カ国、取引メーカー数1500社を超えるグローバルネットワークを強みに、従来の卸売ビジネスに加え、国内外の製品やサービスを組み合わせて、お客さまのビジネスの課題に最適なITソリューションを提供するソリューションアグリゲーターです。
私たちはテクノロジーを通じ、日本のお客さまや地域社会に貢献してまいります。
https://www.synnex.co.jp/
セーフハーバー宣言
本プレスリリースの記載には、米国1933年証券法第27A条及び米国1934年証券取引所法第21E条で定義された、「将来に関する記述」が含まれています。既知若しくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果が「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された予測等と大きく異なることがあります。本プレスリリース中の「将来に関する記述」は、本プレスリリースの日付けの時点で有する情報を基に作成されたものであり、将来の事象や状況を反映するために、その記述を更新したり修正したりする義務を負うものではありません。
※掲載されている社名又は製品名は、各社の商標又は登録商標です。©2022 TD SYNNEX K.K.
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