リアルテックファンド、全自動のロボットバリスタを開発するCrown Digitalに出資
■慢性的な人手不足の続く飲食業界の悩みから生み出されたロボットバリスタ「Ella」
サービス業において、日本では2030年までに400万人の人手不足が予測されています。
Crown Digitalの創業者であるTan氏は、日本と同じように高齢化と人材不足という課題を抱えているシンガポールで2015年にコーヒーショップを経営する中で慢性的な人材不足に悩まされました。その経験から、Crown Digitalを創業し、ロボティクス、AI、IoT、データ分析を活用して全自動で24時間コーヒーを入れることが可能なロボットバリスタ「Ella(エラ)」を作るに至りました。
Ellaは人間のバリスタと比較して最大4倍のスピードでコーヒーをサーブすることが可能で、標準化されたプロセスと自動化により、高品質で安定したコーヒー抽出を可能にします。
■東京駅と横浜駅でのテストマーケティングを実施し、シンガポールではチャンギ空港にも導入
同社が開発したロボット・バリスタ「Ella(エラ)」は2021年12月8日からJR東日本の東京駅と横浜駅に設置され、3カ月間のテスト販売を行いました。
人件費と人手不足が問題となっている中、特に駅周辺に住む従業員が少ない上に1日に平均15万人が利用する東京駅でコーヒーショップのサービスが持続していくには課題が多く存在します。
駅構内の空きスペースなどの狭い場所にも設置が可能なEllaは、コーヒーショップの経験者であるTan氏がイタリアのロースターから独自に調達したこだわりの高品質コーヒーを提供しました。専用のモバイルオーダーアプリから注文すると、遠隔地からも受け取り時間を指定でき、更にキャッシュレス決済に対応していることも購買のスムーズさに一役買っています。日本での実証実験では1時間に約200杯のコーヒーをサーブする実力を見せ、好評に終了しました。
2022年12月末時点でシンガポールでは5台のEllaが稼働を開始し、2023年5月には新たにチャンギ空港に3台のEllaが導入されました。今後も駅構内やオフィスや商業施設といった場所への導入を進めてまいります。
(↑)Crown Digitalの開発したロボットコーヒーバリスタ「Ella」の内部
■資金調達の使途
2027年には年間4億杯以上のコーヒーを提供するという目標を掲げるCrown Digitalは、今回の資金調達を受けてさらなる事業拡大のためのマーケティング&セールスや研究開発費として成長してまいります。
リアルテックファンドは先進国の直面する人材不足をロボットで解決するひとつのケースとしてCrown Digitalに高い可能性を感じ、今ラウンドに参加しました。
Crown Digitalの日本でのEllaの導入や、製造のスケールアップにおける支援を実施してまいります。
■Crown Digitalについて
設立年月:2020年11月
所在地:19 KALLANG AVENUE #01-151 SINGAPORE 339410
代表者: Keith Tan
事業内容:全自動のロボットバリスタおよびモバイルオーダーアプリの開発
出資時期:2022年6月
※:正式名称:「リアルテックグローバルファンド1号投資事業組合」
■リアルテック・シンガポール概要
正式名称:RTHD Singapore Pte. Ltd.
設立年月:2022年2月
取締役:藤井 昭剛 ヴィルヘルム、丸 幸弘、村山 類 クリスチャン、熊本 大樹
事業内容:研究開発型スタートアップへの投資・育成
■リアルテックファンドについて
地球や人類の課題解決に資する革新的テクノロジーを有するスタートアップ(リアルテックベンチャー)への投資育成を行うベンチャーキャピタルファンドです。国内外の政府・企業・自治体と密に連携し、技術の社会実装を最速・最大化させるためにフルハンズオンで支援を行っています。これまで200億円以上を運用し、国内外のスタートアップ70社以上に投資しています。 2021年には、ディープテック領域に投資するファンドとしては日本で初めてのインパクト投資ファンドを設立しました。
<お問い合わせ先>
リアルテックホールディングス株式会社
広報担当:成田
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