- 三菱ふそう、日本ゴアと共同開発 - 世界初※、EV高電圧作業向け防護ウェアを新開発
高電圧環境下の“アーク熱”に対応、作業員の安全と快適性を両立


安全靴や作業着等を販売するミドリ安全株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:松村 乾作、以下当社)は、三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO:カール・デッペン、以下 MFTBC)、および日本ゴア合同会社(本社:東京都港区、代表職務執行者:香川泰章)と共同で、EVの整備・試験・製造など高電圧機器に近接する業務におけるアーク熱(Arc Flashの熱危険)から作業者を守る世界初※のアーク熱防護作業服「 ARCTECT GEAR for EV」を開発しました。
※EV関連業務専用の作業服として(MFTBC・当社調べ)
製品紹介動画:https://youtu.be/5BQ7iNTqQzM
開発背景:EV開発に専用防護服が必要な理由
国際エネルギー機関発表によると、世界の新車販売に占める電動車(BEV+PHEV)の割合は20%に達し、今後も拡大が見込まれます。EVの整備・試験・製造現場では、従来のガソリン車とは異なり、400-800Vという高電圧バッテリーを扱います。この高電圧環境で最も危険なのが「アーク放電(アークフラッシュ)」です。これは、工具の落下や配線ミスなどで電気回路がショートした際に発生する爆発的な放電現象で、瞬間的に5,000~20,000℃という高温を発生させます。さらに爆風と強烈な閃光を伴い、一般的な作業服では着火・溶解などのリスクが高まります。
アーク放電に対応する防護服は既に存在しますが、これらは主に電力設備での作業を想定しており、自動車整備特有のニーズには対応できませんでした。特にEV整備現場の作業服には、狭所での高い可動性、閉所作業での体温調節・吸汗速乾機能、高電圧・低電圧の頻繁な切り替えへの対応、そして長期使用でも劣化しない安全性能という、従来の作業服では両立困難な条件が求められます。
本製品は、この課題を3社の強みを結集して解決しました。
MFTBC:2017年から「eCanter」で蓄積したEV整備現場の実務知識
日本ゴア:「PYRAD® プロダクト by GORE-TEX LABS」による革新的素材技術
ミドリ安全:70年以上の作業着開発で培った「動きやすさ」の設計技術
PYRAD® プロダクト by GORE-TEX LABは、従来の防護服の常識を覆す「軽くて強い」を実現。素材自体に組み込まれた難燃性能は製品寿命まで劣化せず、アーク放電の熱から確実に身を守ります。この高い防護性能でIEC/EN 61482‐2など複数の国際規格認証を取得しながら、驚くほどの軽量性と透湿性も両立。
導入計画と今後の展開
MFTBCは2026年より海外サービス拠点のメカニック向けに順次導入を開始し、その後の国内拠点での活用も検討しています。
また当社では、同様の防護性能を持つより汎用的な作業服を2026年夏に販売開始予定です。

製品スペック
認証規格:EN ISO 13688:2013, EN 17353:2020, EN ISO 11611:2015, EN ISO 11612:2015, EN 1149-5:2018, EN IEC 61482-2:2020
素材: PYRAD® ファブリクス by GORE-TEX LABS
販売開始:同機能を持つ作業服の法人販売を2026年夏に予定(価格未定)
※整備や試験、組み立てといった、EVを扱うさまざまな業務で活用が可能です。
※写真は開発中のものです。
※GORE、GORE-TEX 、PYRADおよび記載のデザイン(ロゴ)は、W. L. Gore & Associatesの商標です。
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