【不動産業界のDX推進状況調査 2024】不動産テック企業7社・不動産メディア共同企画「DX推進すべき」が99%で過去最高! 75%以上の企業がDXによる効果を実感
〜ChatGPTなど生成AIの活用が増加、物件紹介文の作成や情報収集などに利用〜
不動産テック企業7社と全国賃貸住宅新聞は、不動産関連事業に従事する1,320名に対して行ったアンケート「不動産業界のDX推進状況調査 2024」の結果を発表いたします。
◎本調査における「DX」は不動産テックサービスなどを活用して業務改善を行うことと定義しています。
◆ 不動産業界のDX推進状況調査サマリー
・「DXを推進すべき」の回答は99.0%で過去最高、「DXに実際に取り組んでいる/いた・予定」が64.3%
・DXの取り組み期間は「3年以上」と回答した企業の割合が昨年と比べて約10%増加、目的は「業務効率化」「生産性向上(稼働率アップ)」「顧客満足度アップ」など
・DX経験者の75%以上がDXの効果を実感しており、主な効果は「従業員の生産性向上」。他にも残業時間削減やコストカットなどの効果が得られている
・ DX経験者で最も多かった苦労している理由は「予算の不足」。ただし、101名以上の企業では「予算の不足」以外の苦労が大きくなる傾向
・「DX疲れ」を感じている人は34.1%、その理由は「複数のシステムを使い分けることに難しさを感じている」「システム同士が連携していないことによる不便さを感じている」など
・生成AIを18.0% が「業務で活用している」と回答、中でも約9割が活用している「ChatGPT」は「物件の紹介文などの作成」などに利用
・不動産業界でよく活用されているSNSは「Instagram」「LINE」、その目的は「自社サイトへの集客のため」が最多
・不動産DXについて、情報収集している人は76.6%、紙メディアよりWebメディアの割合が増加
・導入中/導入進行中が多いのは「賃貸管理」「入居申込」「内見予約」「電子契約」のシステム
・満足度が高いのは「内見予約」「入居申込」 「入居者管理」 「AI査定」のシステム
◆ 「DXを推進すべき」は99.0%で過去最高、「DXに取り組んでいる/いた・予定」が64.3%
DXを推進すべきか質問したところ「強く推進すべきだと思う」「推進すべき」「状況に合わせて推進すべき」と回答した人の合計が99.0%と、ほとんどの人がDXの必要性を感じています。実際にDXに取り組んでいる(いた)・予定」の企業も64.3%と、DXの取り組みへの意識が高まっている事がわかります。
◆ DXの取り組み期間「3年以上」と回答した企業の割合が昨年と比べて約10%増加
DXに取り組んでいる期間について質問したところ、「3年以上」が30.1%で、昨年と比較し割合が約10%も増加しました。1年以上取り組んでいる企業を合計すると67.9%と、DXに継続的に取り組む企業が増えています。また、DX推進の目的は、「業務効率化」が最も多く91.9%で、次いで「生産性向上」が61.6%、「顧客満足度アップ」が37.8%でした。
◆ DXに取り組もうと思ったきっかけ、1位は「DXの機運が高まっているから」
「取り組む予定」と答えた人に、そのきっかけについて質問したところ、62.3%が「DXの機運が高まっているから」、19.3%が「社内メンバーから要望があったから」、18.1%が「DX関連の記事・ニュースを読んだから」と回答しました。
DXに取り組もうと思ったきっかけ(n=857)
1位 「DXの機運が高まっているから」 62.3%
2位 「社内メンバーから要望があったから」 19.3%
3位 「DX関連の記事・ニュースを読んだから」 18.1%
4位 「知人の不動産事業者が取り組んでいるから」 12.5%
5位 「不動産テック企業から提案を受けたから」 10.9%
◆ DX経験者の75%以上がDXの効果を実感しており、主な効果は「従業員の生産性向上」
「DXに取り組んでいる/いた」と回答した人へ、DXの効果について質問したところ、「とても効果を実感している」は20.4%、「まあまあ効果を実感している」は55.3%と、合計75.5%が効果を実感。具体的な効果は「従業員の生産性が向上した」が74.0%、「残業時間を大幅に削減できた」が26.9%、「コストカットができた」が23.9%でした。
◆ DX経験者で最も多かった苦労している/した理由は「予算の不足」
「DXに取り組んでいる/いた」と回答した人へ、その理由を質問したところ、「予算の不足」が最多で42.3% 、次いで「社内の人員不足」29.9%、「DX人材を確保できない」27.0%という順でした。中でも従業員数が少ない企業ほど「予算不足」が苦労の要因となり、従業員数101名以上の企業においては、「予算不足」以外の要因が大きくなる傾向です。
DXを推進するうえで苦労する/したこと(n=452)
1位 「予算の不足」 42.3%
2位 「社内の人員不足」 29.9%
3位 「DX人材を確保できない」27.0%
4位「導入プロセスがわからない」26.3%
5位「何から取り組むべきか、導入ツールがわからない」23.2%
◆ 「DX疲れ」を感じている人は34.1%、理由は「現場が複数のシステムを使い分けることに難しさを感じている」「システム同士が連携していないことによる不便さを感じている」など
DXについて「DX疲れ(※1)」を実感しているか質問したところ、「とても実感している」 「まあまあ実感している」と回答した人の合計は34.1%でした。その理由としては、半数以上が「複数のシステムを使い分けることに難しさを感じている」「システム同士が連携していないことによる不便さを感じている」と回答しました。「DX疲れ」を防ぐためには、システム同士のなめらかな連携が重要になってくると考えられます。
(※1)「DX疲れ」とは、DXを取り組む企業の現場で起こる推進意欲の減退などのことです。
どのような「DX疲れ」を実感しているか(n=298)
1位「複数のシステムを使い分けることに難しさを感じている」57.7%
2位「システム同士が連携していないことによる不便さを感じている」55.0%
3位「どのシステムを選定すべきか判断が難しい」30.9%
◆ 社内でDXを推進している部署は「営業企画・営業部」が24.5%で最多
現在DXに取り組んでいると答えた人に対し、DXを推進している部署について質問したところ、「営業企画・営業部」が24.5%が最も多く、次いで「役員直轄」が23.7%、「経営企画・事業企画・社長室など」が12.0%でした。
◆ 生成AIを「業務で活用している」のは18.0%、最も活用されている「ChatGPT」は「物件の紹介文などの作成」などに利用
近年、さまざまな領域で活用が進んでいる生成AIを、18.0%が「業務で活用している」と回答。昨年の「ChatGPT」利用率9.0%(※2)と比べ利用者は増加傾向であることが窺えます。「個人の判断で利用している」の回答が44.7%と最も多い結果となりました。
なお、活用している生成AIは「ChatGPT」が87.8%と最多で、利用目的は「物件の紹介文などの作成」 や「情報収集」、「顧客対応や問い合わせ対応文の作成」などが挙げられました。
(※2)昨年は生成AI全般ではなく 「ChatGPT」に限定した利用率を調査しているため、純粋な比較ではありません
◆ 不動産業界でよく活用されているSNSは「Instagram」「LINE」、その目的は「自社サイトへの集客のため」が最多
業務で活用しているSNSについて質問したところ、「Instagram」が40.6%、「LINE」が40.3%でした。活用の目的は「自社サイトへの集客のため」が56.1%、「SNS経由のお問い合わせを増やすため(物件への問い合わせDMなど)」39.1%と、多くの目的はエンドユーザーとの接点を増やすことだと窺えます。
◆ 不動産DXについて76.6%が情報収集しており、紙メディアよりWebメディアの割合が増加
不動産DXについて情報収集しているか質問したところ、「頻繁に情報収集している」は14.3%、「たまに情報収集している」は62.3%。また、どのように情報収集しているか質問したところ、回答が最も多かったのは「Webメディア(不動産・住宅業界)」で68.1%、次いで「不動産業界イベント」が37.5%、「新聞(不動産・住宅業界)」が27.4%でした。昨年と比較すると、紙メディアよりもWebメディアで情報収集される人の割合が増加しています。また、「知人からの情報収集」「業界団体」の回答も多く、業界内での横の繋がりを活かし、情報収集をしていると考えられます。
◆ 導入中・導入進行中が多いシステムは「賃貸管理」「入居申込」「内見予約」「電子契約」
現在導入中または導入進行中の不動産テックシステムについて質問したところ「賃貸管理システム(不動産基幹ソフト)」 が最も多く44.1%、次いで「入居申込システム」が41.8%、「内見予約システム」が34.8%、「電子契約システム」が32.7%でした。
◆ 満足度が高いシステムは「内見予約」「入居申込」 「入居者管理」 「AI査定」
導入中の不動産テックサービスの満足度について質問したところ、「とても満足している/まあまあ満足している」の回答が最も高かったのは「内見予約システム」で83.5%、次いで「入居申込システム」が81.1%、「入居者管理システム」が72.1%、「AI査定システム」が70.6%でした。
◆ 総括
2022年5月の改正宅建業法施行から2年が経ち、不動産業界ではオンラインでの取引が活発化してきました。本調査では、約70%がDXへの取り組みを1年以上継続していると回答。3年以上継続している企業の割合も、昨年より約10%増加するなど、ここ数年でDXへの取り組み意識が高まっていることが分かりました。また、DXの効果も75%以上が実感しておりました。近年、さまざまな領域で活用が進む生成AIは、ChatGPTの利用が最多。「物件の紹介文などの作成」や「情報収集」などの業務に利用されており、ITリテラシーの高まりが窺えます。一方で、DXツールが増えてきたことで、複数システムの使い分けの難しさなどを理由に、「DX疲れ」を感じている人は3割ほどいる結果となりました。
システムを導入している企業は、目的に応じた活用ができているか定期的に見直すことも必要ですが、システムを提供するベンダーにおいても、ユーザの声を反映した継続的な機能改善や導入後のサポートへ注力し、システム同士のなめらかな連携を推進することで、さらなるDXの加速が期待されるのではないでしょうか。
私たち不動産テック企業・不動産メディアは、システムの開発・提供、コンサルティング、正確な情報提供など様々な側面から、不動産取引に関わる全ての方々をサポートし、不動産業界全体のDXに貢献してまいります。
◆ アンケート概要
・実施期間:2024年7月11日(木)~8月5日(月)
・回答数 :1,320名
・調査対象:不動産管理会社、不動産仲介会社を中心とした不動産関連事業者
・実施方法:インターネットによる調査
・回答企業属性:以下詳細
*構成比の合計は、四捨五入の関係で100%とならない場合があります。
*なお昨年実施された「不動産業界のDX推進状況調査 2023」の対象人数は1,436名で、昨年版と比較して設問・選択肢が異なるものがあります。
*本プレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。
◆ 株式会社スペースリー
代表者:代表取締役社⻑ 森⽥ 博和
本社:東京都渋⾕区渋⾕3-6-2 第2⽮⽊ビル3F
URL:https://corp.spacely.co.jp
サービス: VRと空間データ活⽤プラットフォーム「スペースリー」
◆ イタンジ株式会社
代表者:代表取締役 社長執行役員 CEO 永嶋 章弘
本社:東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー 42F
サービス:リアルタイム不動産業者間サイト「ITANDI BB」、 不動産業務DXサービス「ITANDI BB+」
◆ WealthPark株式会社
代表取締役社長 川田 隆太
本社:東京都渋谷区恵比寿1-20-18 三富ビル新館3階
URL:https://wealth-park.com/ja/
サービス:オーナーアプリ「WealthParkビジネス」
◆ COSOJI株式会社
代表者:代表取締役 富治林 希宇
本社:東京都千代田区丸の内3丁目3-1 新東京ビル
サービス:不動産管理サービス「COSOJI」
◆ スマサテ株式会社
代表者:代表取締役:⼭岸 延好
本社:東京都品川区上⼤崎2-12-1 野⽥ビル8F
サービス:AI査定賃料システム「スマサテ」
◆ 株式会社スマサポ
代表者:代表取締役社⻑ ⼩⽥ 慎三
本社:東京都中央区⽇本橋三丁⽬6番2号
URL:https://www.sumasapo.co.jp/
サービス:⼊居者アプリ「totono」
◆ 株式会社Housmart
代表者:代表取締役 針山 昌幸
本社:東京都港区六本木3丁目2-1 住友不動産六本木グランドタワー42F
サービス:不動産営業支援SaaS「PropoCloud(プロポクラウド)」、不動産売買の問合せ対応効率化システム「2秒でブッカク!」
◆ 株式会社全国賃貸住宅新聞社
発⾏媒体・事業:全国賃貸住宅新聞、地主と家主、賃貸住宅フェア
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