【国立映画アーカイブ】展覧会「松竹第一主義 松竹映画の100年」開催のおしらせ

貴重な資料でたどる松竹映画100年の歩み

平素よりお世話になっております。
国立映画アーカイブ 7階展示室では、7/7(火)から約2か月にわたり、松竹映画の歴史をたどる展覧会を開催いたします。


1895年に松竹を創業し、歌舞伎などの興行で地位を築いた白井松次郎と大谷竹次郎兄弟が、大衆娯楽として市場を広げていた映画の将来性を確信して松竹キネマ合名社を創立、東京は蒲田に撮影所を開設したのは1920年のことでした。1924年に所長に就任した城戸四郎は、ディレクター・システムを推し進めて現代劇に力を入れ、中でも庶民の哀歓を描いた“小市民映画”で独自色を打ち出しました。さらにトーキー映画の製作に乗り出して社の発展に貢献、この映画の青春期に城戸が高らかに掲げたモットーが“松竹第一主義”です。

1936年に開所した大船撮影所は、“大船調”と呼ばれるハイセンスな喜劇やメロドラマを送り出して人気を博す一方、京都の撮影所では主に時代劇が製作され、東西のスタジオが松竹映画の名声を高めました。戦後は小津安二郎や木下惠介ら名監督の作品が日本映画の黄金時代を飾り、1960年代末の映画斜陽期に生まれた『男はつらいよ』や、より近年の『釣りバカ日誌』が国民的な名シリーズに成長して、松竹喜劇の伝統を力強く受け継ぎました。この100年の間、松竹映画は戦争や映画観客の減少の時代を乗り越え、日本映画界を代表するメジャーカンパニーのひとつとして今も業界を牽引しています。本展覧会では2006年の「松竹と映画」以来14年ぶりに、松竹映画が歩んだ道のりを改めてたどり、先進性と伝統を兼ね備えつつ、常に日本人の感覚に寄り添う作品を生み出してきたこの「和魂洋才」の映画会社の魅力に迫ります。
 
  • 展示の構成と見どころ
1920年にはじまる松竹映画100年の歴史を、時代ごとに5つの章で構成した約180点の資料でたどります。

第1章 松竹キネマの誕生-蒲田と下加茂
松竹キネマ合名社が創立され、東京・蒲田に撮影所が開設された1920年から、撮影所が大船に移転するまでの約16年間を紹介します。“蒲田調”と呼ばれる独特のスタイルや、トーキー映画への先進的な取り組みで、蒲田撮影所は日本映画史に輝かしい足跡を残しました。また、関東大震災を機に京都・下加茂に撮影所が開設され、松竹映画の時代劇の拠点となってゆきました。
〈主な展示品〉現存する最も古い松竹映画作品『路上の靈魂』(1921年、村田実監督)などのシナリオや、1920年代の映画館プログラムと松竹映画専門の映画雑誌の数々、『忠臣蔵』(1932年、衣笠貞之助監督)の監督自筆シナリオ原稿など。

第2章 “大船調”の誕生と戦争の時代
1936年1月の大船撮影所への移転から、1945年の終戦までの時代を紹介します。“蒲田調”は“大船調”となってハイセンスな喜劇やメロドラマなどに特徴を見せ、京都では撮影所の獲得などで製作の充実が図られて、東西の撮影所から数々の名作が生み出されました。戦前の日本映画の最盛期から、木下惠介ら次世代を担う監督たちが第一歩を踏み出した戦時期までをたどります。
〈主な展示品〉『淑女は何を忘れたか』(1937年、小津安二郎監督)や『暖流』(1939年、吉村公三郎監督)などの名作のポスター、『残菊物語』(1939年、溝口健二監督)のシナリオ、大ヒット作『愛染かつら』(1938年、野村浩将監督)の「映画物語」SPレコード、戦時下の雰囲気を生々しく伝える俳優たちのサインの寄せ書きの入った日章旗など

第3章 戦後の飛躍期の名作・話題作
1945年の終戦から、小津安二郎監督の遺作『秋刀魚の味』公開の1962年までをたどります。戦後の松竹映画は主題歌「リンゴの唄」で知られる『そよかぜ』(1945年、佐々木康監督)で始まりました。1950年代、日本映画は黄金時代を迎え、新旧の監督たちが名作・話題作を次々と発表しました。この豊かな時代をポスター、シナリオ、スチルなど多様な資料でご覧いただきます。
〈主な展示品〉『そよかぜ』(1945年、佐々木康監督)のシナリオや、初の本格的なカラー長篇劇映画『カルメン故郷に帰る』(1951年、木下惠介監督)の貴重なポスター、『秋刀魚の味』(1962年、小津安二郎監督)の絵コンテ帖など

第4章 新しい“伝統”を求めて
『愛と希望の街』で大島渚監督が劇映画デビューした1959年から、昭和が終わりを迎えようとする1988年までをたどります。同期入社の大島渚と山田洋次は対照的な道を歩みながらこの時代の松竹映画に足跡を残しました。大島らの〈松竹ヌーヴェルヴァーグ〉の衝撃に対し、蒲田以来の喜劇の力強い伝統は、テレビドラマから生まれた山田洋次監督の『男はつらいよ』(1969年)で新たな伝統を切り拓き、映画産業が“斜陽”という言葉で語られた時代を乗り越える原動力となりました。
〈主な展示品〉大島渚や吉田喜重が助監督時代に発行したシナリオ集「7人」第1号や、第一作『男はつらいよ』(1969年、山田洋次監督)の2枚組ポスター、『宇宙大怪獣ギララ』などの海外展開のために制作された国際版ポスターなど

第5章 松竹映画の現在―平成から令和へ
このコーナーでは『釣りバカ日誌』第一作(1988年、栗山富夫監督)から現在までを紹介します。『その男、凶暴につき』(1989年)でデビューした北野武監督はその後の日本映画の国際的評価に大きな役割を果たしました。他業種からの参入や、国際的な連携、そして2000年代に迎えたフィルムからデジタルへの技術転換など、製作環境が大きく変わった近年までの松竹映画を紹介します。
〈主な展示品〉「釣りバカ日誌」シリーズ(1988~2009年)の小道具や、『豪姫』(1992年、勅使河原宏監督)の豪姫の衣裳、ヴィム・ヴェンダース監督と坂本龍一氏の直筆サインの入った『東京暮色』(1957年、小津安二郎監督)4K修復版のポスターなど
 
  • 開催概要
展覧会名:松竹第一主義 松竹映画の100年/Shochiku Cinema at 100
主催:国立映画アーカイブ 企画協力:松竹株式会社
会場:国立映画アーカイブ 展示室(7階)
会期:2020年7月7日(火)-8月30日(日)
休室日:月曜日は休室です。
開室時間:午前11時-午後6時30分(入室は午後6時まで)
アクセス:東京メトロ銀座線京橋駅下車、出口1から昭和通り方向へ徒歩1分
     都営地下鉄浅草線宝町駅下車、出口A4から中央通り方向へ徒歩1分
     東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅下車、出口7より徒歩5分
     JR東京駅下車、八重洲南口より徒歩10分
料金:一般250円/大学生130円/シニア・高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料
*料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含みます。
*学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方はそれぞれ入室の際、証明できるものをご提示ください。
*国立映画アーカイブの上映観覧券(観覧後の半券可)をご提示いただくと、1回に限り一般200円、大学生60円となります。
お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
HP:https://www.nfaj.go.jp/exhibition/shochiku2020/

 

 

 

 

 

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