三菱総合研究所、分散型エネルギーリソース運用計画策定サービス「MERSOL Operations」を提供開始
独自予測・最適化アルゴリズムを用いて事業者のリソース運用事業に貢献
1. 背景
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーや蓄電池等の分散型エネルギーリソース(Distributed Energy Resources、以下 DER)(※1)の活用が進みつつあり、特に蓄電池プロジェクトの検討・導入が活発化しています。また、需給調整市場の取引商品種拡大や、容量市場の運用開始を契機として、DER運用方法の多様化も想定されます。
MRIは2022年11月から分散型エネルギーリソース運用支援サービス「MERSOL」を開始し、主にDER活用プロジェクトの事業性評価サービスを提供してきました(※2、※3)。具体的には、事業性評価をWEB上で自由に実施できるシミュレーション環境の提供、および個別ニーズに対応するコンサルティングの提供など、これまで多数の事業者向けのDERプロジェクトの検討・導入を支援してきました。
今回、これまでの取り組みの範囲を広げ、DERを実際に運用する事業者(発電事業者、小売電気事業者、アグリゲーター等)向けに、独自予測・最適化アルゴリズムを用いて、日々のリソース最適運用計画を策定する「MERSOL Operations」の提供を開始しました。
2. 本サービスの概要
MERSOL Operationsでは、MRI独自の予測・最適化アルゴリズムを用いて、DERの「最適運用計画」「最適入札計画」「価格予測情報」および関連情報を、事業者システムに向けてリアルタイムで提供します。提供方法は、事業者システムとの間でのデータ連携・授受で行います(図1)。
図1 MERSOL Operationsサービス概要
出所:三菱総合研究所
4つの特長
● DERプロジェクトの収益向上を目指す運用計画を策定
● 詳細制度設計や市場ルールを模擬した説得力の高いモデル
● 事業者のリソース運用方針に応じたチューニングに対応
● 今後の事業環境や制度設計の変化をタイムリーに反映
主なアウトプット
30分コマごとのDER最適運用計画および最適入札計画を提供します。また、運用計画・実績のレポーティングも提供可能です。例えば図2では、策定された充放電計画とそれに基づく充放電実績、および15:00の実需給時間帯以降に予定されている充放電計画を示しています。
対象ユースケース
電気料金削減、卸電力市場、インバランス削減、需給調整市場、容量市場、およびそれらのマルチユース等です(※4)。国における制度設計を踏まえ、今後、対象ユースケースを拡大していく予定です。
対象リソース
蓄電池併設再エネ発電所、系統蓄電池、および需要家構内に設置する蓄電池を運用対象としています。今後、対象リソース種を拡大していく予定です。
図2 運用計画例(系統蓄電池の場合)
出所:三菱総合研究所
3. 今後の予定
既に複数の事業者においてMERSOL Operationsの利用が決定しており、着実に導入を進めていきます。また、今後想定される事業環境や制度設計の変化を踏まえ、常にサービスの高度化を進めます。さらに、事業者と共同で事業参画すること等も検討します。これらの取り組みを通じて、MRIはDERの普及拡大に貢献します。
※1 分散型エネルギーリソース(Distributed Energy Resources):需要家の受電点以下に接続されているエネルギーリソース(発電設備、蓄電設備、需要設備)、および系統に直接接続される発電設備、蓄電設備の総称
※2 MERSOL(読み方:マーソル)はMRI Energy Resource Solutionの略
※3 MRIニュースリリース「三菱総合研究所、分散型エネルギーリソース運用支援サービス「MERSOL」の提供を開始」(2022年11月14日)
https://www.mri.co.jp/news/press/20221114_2.html
※4 ユースケースの一部は2024年秋以降の実装を予定
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本件に関するお問い合わせ先
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株式会社三菱総合研究所
〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
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エネルギー・サステナビリティ事業本部 新事業推進グループ 杉谷、尾瀬、一ノ宮、三浦
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