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株式会社 内外出版社
会社概要

小さな町の公立高校からJリーガーを50名を輩出。市の教育長も務める名監督が語る、家庭・学校・地域で子ども達の未来に触れる教育とは。

株式会社 内外出版社

現在ブラジルで開催されているコパ・アメリカ2019(南米選手権)の日本代表に選ばれた植田直通選手をはじめ、50名のJリーガーを育てあげた、平岡和徳氏(熊本県立大津高校サッカー部総監督・宇城市教育長)。

監督として、教員として、市の教育長としての観点も交え、子供が夢中になって取り組む姿勢を引き出し、よりよく生きる力を育むための教育について語った『年中夢求 「夢を叶える力」「よりよく生きる力」の育て方』(内外出版社)が出版された。


児童虐待や子どもの貧困、スポーツの現場におけるパワハラや体罰、部活動のブラック化、教員の働き方改革等、様々な問題が浮かび上がってきている中、家庭や学校、地域社会、つまり周りの大人達は、子ども達にどう関わっていけば良いのかを平岡氏にうかがった。

 

生活習慣がすべてのスタート

――まず、家庭での生活習慣を身につける上で、最も優先すべきことは何でしょうか?

平岡 1日1日を大事にすることや時間を無駄にしないことが、生活習慣を身につけていくためのひとつのテーマになると思います。1日24時間は有限だけれど、その使い方は無限なんだという意識を持てるかどうか。それが、大人になるということだと思います。

規律を守れない、ルールに従えない、感情を抑えきれず他人を傷つけてしまう、あるいは忘れ物が多いといったことは、社会でよりよく生きていくために改善が必要なことです。子ども達を一番近くで見ているのは親で、子ども達は逆に身近な大人を見て育ちますから、「三つ子の魂百まで」で、早いうちから大人の声掛けによって習慣をコントロールしていくことが重要です。そこから、できなかったことができるようになれば褒めてあげて、少しずつ自己肯定感を作っていけば良いと思います。


―― コミュニケーションを取るのが苦手だったり、集団行動ができなかったりという子もいます。

平岡 子ども達は1人ひとり違うからこそ、関わる大人の数を多角的に増やさなければいけません。家庭だけでは難しい面がありますし、学校だけでも難しい。それなら、スポーツや音楽、絵など好きなことを通して働きかけられるよう、いろんな場所、機会を提供してあげて、関わる大人の数を増やしながら、子ども達の安心と安全、安定を整えることが大切だと思います。
 

「言われてやる」から「自主的にやる」、そして「夢中になる」へ

――目標の実現に向けては、学習習慣を身につけることも大切だと思います。

平岡 夢中になっていることの車輪が大きいのに、もう片方の勉強の車輪が小さければ、前に進んでいるように見えても同じところをぐるぐる回っているだけですから、しっかりと前に進むよう、勉強の方の車輪も大きくして、追いつかせないといけない。「あなたはこっちの車輪は素晴らしいから、こっちを大きくして追いつかせれば、もっともっと成長の加速力がつくよ」と褒めてあげることによって、勉強にも夢中になれる。本人が見えていないものを、大人がビジョンとして示してあげる事が大事なんです。


――やはり学校での授業をしっかり聞いて、吸収することが重要になりますね。

平岡 学校の授業をしっかり受けることが、子ども達にとっては1つのテーマなんですよね。それに対して、「子ども達の未来に触れている」という自覚の中で本気のオーラを出して、授業で学習効果を上げていけるのが、プロフェッショナルな先生なんだと思います。
 

職業は教師。仕事は人づくり

――先生方の長時間労働の問題等がニュースで取り上げられて話題になっています。

平岡 自分が教わった先生や恩師に憧れて、「自分もあの先生みたいになりたい」、「あの先生のように子ども達の未来に関わっていきたい」と教員になった人や、「部活動を通して人を育てたい」と教員になった人もいるでしょう。しかし中には、仕事は仕事と割り切っている先生もいるのが現実です。でも子ども達にとって先生はずっと先生で、17時を過ぎたら普通の人、という見方をされるわけではありません。個人的な考えですが、責任を意識するのであれば、教師としての自覚に時間の区切りは作るべきではないと私自身は思います。


――授業以外の業務が多いということなんでしょうか?

平岡 最近は能力のある先生に業務が集中しているんです。そうなると、学校全体における組織のバランスが崩れて、本来の仕事である子ども達と接することが十分にできなくなってしまいます。大事なのは、子ども達の「can not」を「can」にするとか、やる気のスイッチを「ON」にする。そのために自分は何ができるかをいつも考えることです。それが教材研究や授業改善に取り組む本来の目的で、先生たちの仕事を増やすことが目的ではありません。先生方こそ24時間をデザインし、勤務時間をデザインしなくてはいけないと思います。
 


命を守る、よりよく生きる

――保護者に求めること、協力してほしい、理解してもらいたいというものはありますか?

平岡 過保護にならないことが一つですね。大事なのは本人たちが自発的にやることから発生する人間力です。それは何かと言ったら、チャレンジすること、前向きに、ポジティブに取り組んでいく主体性だと思います。それが、夢中になるという、一番のやる気スイッチを入れる部分なんですね。

愛情は注いでいいし、保護も必要です。しかし本当にそれがベストなのか、チャレンジする場所を奪っていないかを、いつも判断しなければいけないと思います。子どもが何かにチャレンジできたかどうかは、親としてのスタンスが正しいかどうかを確認することになると思います。

一方で、親しかわからない部分をきちんと見て、家庭と共有し、それを理解しておかなければいけないでしょう。食べられないものが出されたときも、「アレルギーなのでだめなんです」と退けてやれば命を守れます。そこに、安心で安全な場所かどうかという、親と子どもの信頼があるわけです。その子のストロングな部分、ウィークな部分は、関わる大人全員が共有しておくべきだと思います。

まずは命を守る。そしてそれができたら、「よりよく生きる」という順番になるでしょう。子ども1人ひとりに対する配慮を変えていかなければいけないと思います。個性に応じて、適材適所を意識しながら子どものやりたいことにチャレンジさせたり、自由な発想を優先した方が成長力は増すんです。型にはめると、個性も消されてしまいます。大好きで夢中に頑張っていたこともどんどん嫌いになって、その場所に居ることすら嫌になってしまう。そこで環境を変えられればいいんですが、学校を簡単に変えるわけにはいきませんし、合わない先生とずっと一緒なら、その子の未来に対してはリスクにもなりかねません。


――自分ではどうにもできないことに直面して、次の段階へ進めないということもありますね。

平岡 人間というのは、何かがうまくいかなくなると、環境のせいとか、他者のせいにしたくなるものです。自分を責め過ぎても人を責め過ぎても結果は変わらないわけですから、発生した課題や問題を攻めていく。

本当に授業に夢中になっている子は、「ここはどうしてこうなるんですか?」「ここをもうちょっと詳しく教えてください」というふうに、目の前の疑問や問題に対して質問ができるでしょう。それはスポーツも、芸術も音楽も同じで、興味が湧いて、自分から進んで取り組めているサインのひとつなんですね。「夢中になる」ということは、人を責めたり自分を責めたりするのではなく、発生する問題に対して前向きに攻めていけることではないかと思います。
 

子ども達の未来に触れているか

――家庭や学校とは違う部分で、地域に求められる役割や機能にはどんなものがあるでしょうか。

平岡 家庭だけでも、学校だけでも子ども達を守ることはできませんから、地域の中で、社会の中で育てるという考え方が必要になります。「子ども達の命を守る」というテーマを地域全体のことと考えたら、無関心ではいられなくなります。社会の中での人と人とのつながりの関係が、安心や安全、安定の環境を作る要因になっていくからです。

虐待や体罰のニュースが報じられることが増えていますよね。子ども達も多様化してきていますし、教育も複雑化してきています。ですから、先生や学校に全てを任せるのではなく、地域としてできることは地域でやりましょう、もっというと、「合理的な分業化」を行うということです。

登下校時の安全確保の指導や見守り活動だったり、地域を知るための総合学習の中であったり、学校と地域が連携、協働して取り組めば、地域で何が起きているのか、学校の現状はどうなっているのか、わかります。各家庭で何か問題はないか、そういったことも可視化されるようになりますよね。さらにそれらは、教員の長時間労働の改善にもつながります。


――「子どもの未来に触れている」ことにつながっているかどうかを立ち返って考えれば、家庭と学校と地域がビジョンを共有して、ベクトルを揃えるべき方向が見えてくると。

平岡 家庭の事情もそれぞれに違いますし、学校の特性も、地域性も違うでしょう。しかし、すべての環境下で「子ども達の未来に触れている」という点は共有しなくてはいけないと思います。「家庭でこういうことをやっているのに、学校は何もしてくれない」と思わせるような教育ではいけないし、「学校はこんな取組をして頑張っているのに、地域が何もしてくれない」と思わせる行政ではダメなんです。みんなが子どもの未来に対して一生懸命に努力するという「当たり前」の形が、家庭でも学校でも、地域でも「当たり前」になっていけば、子ども達の未来は変わっていくでしょう。子ども達は成功に輝き、失敗に磨かれて成長していきます。私達は「顔の見える関係」を地域につくり出し、子ども達の「夢を育み、夢を支える」ための場所づくりを、「年中夢求」という言葉を持って、実現していかなければいけないんです。



平岡和徳(ひらおか・かずのり)
1965(昭和40年)7月27日生まれ。
熊本県下益城郡松橋町(現・宇城市)出身。松橋中学校―帝京高校―筑波大学体育学群卒。
高校時代には名門・帝京高校サッカー部の選手・主将として2度の全国制覇を果たすと、筑波大学進学後も主将として総理大臣杯準優勝や関東大学リーグ優勝などの戦績を残す。
大学卒業後は熊本商業高校で5年間指導。1993年から大津高校へ赴任。同校を高校サッカーを代表する強豪校に育て上げ、さらに50名近いJリーグを輩出。
日本高校選抜の監督を務めるなど多方面で人材育成に尽力。その指導力には全国から注目が集まり学校や企業での講演もこなす。日本サッカー協会技術委員会(日本代表強化部)にも籍を置き、日本オリンピック委員会教科スタッフとしての委嘱を受ける。 2017年4月、宇城市教育長に就任。

 


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【書名】年中夢求 「夢を叶える力」「よりよく生きる力」の育て方
【発売日】2019年6月20日(木)
【ページ数】208ページ
【本体価格】1,400円
【著者】平岡和徳
【編集・構成】井芹貴志

 

 

 


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【書名】凡事徹底―九州の小さな町の公立高校からJリーガーが生まれ続ける理由
【発売日】2017年8月30日
【ページ数】224ページ
【本体価格】1,400円
【著者】井芹貴志

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