防災用水循環システム「WOTA Unit ER」 フェーズフリーに活用可能な防災パッケージを展開

― 広島県竹原市内の小学校で初の実用開始 ―

WOTA

WOTA株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 兼 CEO:前田瑶介、以下「WOTA」)は、防災用水循環システム「WOTA Unit ER」を、平時から利用しながら非常時にも活用できるフェーズフリー(※)な防災パッケージとして展開します。

本システムは、平時の手洗い利用に加え、断水時においても手洗い・洗面・シャワーなどに必要な生活用水を速やかに確保できることを特長としています。防災パッケージとしてWOTAが提供する手洗いシンクやシャワーテントと接続することで、非常時における生活用水としての活用が可能です。

現在、広島県竹原市内の小学校において、児童が日常的に利用する手洗い設備として初めて実用が開始されています。

※フェーズフリー:平時と非常時の境界を取り払い、どちらの状況でも活用できるモノやサービスを提供する防災の考え方

開発背景

災害時においては、飲料水の確保に加え、トイレや手洗い、入浴といった生活用水の確保が重要な課題となります。特に、災害直後からの手洗いや入浴は、衛生環境の維持や感染症予防の観点から重要である一方、多くの水を必要とすることに加え、排水処理にも課題があるため、断水下では十分な環境を確保することが困難です。

中でも入浴は、災害後の調査において最も強いニーズの一つとなっています。

断水が発生すると、こうした生活用水の不足により衛生環境の悪化や避難所での生活の質の低下が生じやすく、感染症リスクの増加にもつながります。また、上下水道は電気等に比べて復旧に時間を要するインフラであり、長期的な断水リスクが発生します。

一方で、災害時に新たな設備を導入しても、緊急時には十分なレクチャーも受けられず使い方が十分に習得できない、運用が定着しないといった課題が生じやすく、迅速かつ安心感をもって活用されないケースも少なくありません。こうした課題を踏まえ、平時から使い慣れた設備をそのまま非常時に活用できることが重要であり、平時と非常時を分断しないフェーズフリーな水利用のあり方が求められています。

〈参考〉

WOTAは、令和6年能登半島地震における応急給水活動を通じて、生活用水の制約によって生じる問題を「災害水ストレス」と定義し、その実態の調査・分析を行ってきました。これらの知見をもとに、「災害水ストレスレポート」を公表しています。

『能登半島地震、及び国難級災害における「災害水ストレス」レポート(第一報)』(2024年3月11日公開)

『能登半島地震、及び国難級災害における「災害水ストレス」レポート(第二報)』(2024年5月15日公開)

「WOTA Unit ER」ソリューション概要

「WOTA Unit ER」は、上下水道に依存せず、排水を再生・循環することで生活用水を確保する防災用水循環システムです。防災用途に最適化されているだけでなく、平時からの利用を前提とした設計により、日常的に使用しながら非常時にもそのまま転用できるフェーズフリーな防災パッケージとして機能します。手洗い・シャワー等の生活用水を安定的に供給し、平時と非常時を連続的にカバーする新たな水インフラを提供します。

〈主な特長〉

参考:「WOTA Unit ER」プロダクトページ

WOTAシステムの最適配置モデル

自治体の災害対応体制は、「重要拠点」「大規模避難所」「小規模避難所」の3層に分けて捉えることができます。

災害発生直後は、地域ごとに多数の小規模避難所が開設されますが、時間の経過とともに避難所は集約され、最終的には大規模避難所へと避難者が移行します。これらの拠点では、数週間から数か月にわたる避難生活が想定されます。

WOTAは、このような災害対応の時間的変化と拠点構造に対応するため、水循環システムを「常設型」と「可搬型」の2つの配置で設計しています。

ひとつは、重要拠点や大規模避難所に平時から常設され、日常利用と災害時利用を両立するシステムです。「WOTA Unit ER」は、生活用水を継続的に供給し、中長期の避難生活における衛生環境の維持を支えます。

もうひとつは、災害発生時に小規模避難所へ迅速に配置できる可搬型システムです。水循環型シャワー「WOTA BOX」は、初動段階での衛生環境確保に加え、避難所の統合や運営状況に応じて柔軟に再配置することが可能です。

このようにWOTAは、初動から中長期に至るまで切れ目なく水利用を支える分散型インフラとして、水循環システムの最適な配置モデルを提案します。

想定される活用領域

本システムは、平時・非常時を問わず、さまざまな環境において衛生インフラとして機能します。避難拠点における衛生環境の維持や感染症対策に加え、日常的な生活空間における衛生インフラとしても活用が可能です。また、非常時の支援拠点や事業継続のためのインフラとしても機能し、平時と非常時を横断して活用されることを想定しています。

このように、用途や設置環境を限定せず、幅広い場面での活用が可能です。

Case1.避難拠点 - 避難者の感染症対策・ストレス緩和 -

災害時に避難拠点となる施設に設置することで、断水下でも手洗いやシャワーなどの生活用水を確保できます。衛生環境を維持することで感染症リスクの低減につながるだけでなく、入浴による心身の負担軽減にも寄与し、避難生活の質の向上に貢献します。

Case2.学校 - 児童の衛生環境向上・探究学習のきっかけ -

平時は手洗い設備として日常的に活用しながら、災害時にはそのまま非常用設備として利用できます。児童が日常的に触れることで、水の大切さや循環の仕組みを学ぶきっかけにもなり、衛生環境の向上とともに、防災・環境教育の一環としても活用できます。

Case3.事業所・工場 - 従業員・地域住民の安心を支え社会貢献 -

事業所や工場においては、従業員の衛生確保と事業継続の観点から重要な役割を果たします。断水時でも手洗いやシャワーが利用できることで、従業員の安心を支えるとともに、近隣住民への開放などを通じて、地域に貢献する防災拠点としても機能します。

Case4.公園・広場 - 防災・環境に配慮した水場がある空間づくり-

災害時に支援活動の拠点となる公園や広場に設置することで、防災・環境に配慮した水場がある空間づくりを実現します。断水時でも安定して水を利用できるため、長期化する支援活動を支えるとともに、地域住民が安心して集まれる環境づくりにも寄与します。

今後は、さまざまな環境への展開を進め、地域における分散型水インフラとしての普及を目指すとともに、平時と非常時を分断しない新たな水インフラのあり方を社会に実装していきます。

国内初の実用事例(広島県竹原市内の小学校)

広島県竹原市内の小学校にて、日常利用と防災を両立する設備として「WOTA Unit ER」が運用されています。

平時には、子どもたちの衛生環境を向上する手洗い場として日常的に活用され、同時に、水の循環を通じて水資源の大切さを学ぶ機会になっています。実際に、児童へのアンケートではほぼすべての児童から継続的な利用希望があり、高学年では「環境に貢献できること」が主な利用動機となるなど、環境貢献に日常の中で取り組めることが確認されています。

災害時には、簡単に行えるバルブ操作により手洗いからシャワーへと切り替えが可能となり、断水下でも衛生的な生活用水を確保することができます。8割以上の児童がシャワーへの切り替え機能を認知しており、防災機能についての理解が自然に浸透しています。

また、防災訓練の一環として本設備を活用した実地訓練が実施されました。訓練では、「WOTA Unit ER」の使い方についてWOTA社員が説明を行うとともに、実際の災害を想定した運用訓練を実施。子どもたち自身がバルブ操作を行い、手洗いからシャワーへの切り替えを体験しました。当日は地域住民も参加し、手洗いや温かいシャワーを体験。過去に断水を経験した住民からは「こうした設備があると分かっていれば安心できる」といった声も聞かれ、学校を起点とした地域全体の防災力向上にもつながっています。

さらに、防災訓練に加え、全学年を対象に水処理のしくみや装置の使い方を学ぶ授業を実施しています。設備に触れるだけでなく、その仕組みを理解する機会を設けることで、水への意識と防災への理解の両面から定着を図っています。

教員からは、子どもたちの手洗い習慣の定着が見られることが報告されており、また教員にとって管理の手間がほとんどかからないことが確認されています。さらに、水の循環を通じて水資源の大切さを学べる環境教育の「生きた教材」としても活用されており、日常の学校生活の中に自然に取り入れられています。

〈学校教職員からのコメント〉

「日常的に手洗い場として活用でき、災害時には貴重な水の供給システムとして使えることは安心につながります。

衛生環境の確保に加え、水の循環や資源の大切さを学ぶ機会にもなりました。」

〈自治体危機管理担当部署のコメント〉

「断水が長期化する災害において、生活用水の確保は大きな課題です。

平時からこうした設備に触れておくことで、非常時にもスムーズに運用できる体制づくりにつながると期待しています。」

このように、本システムは平時における水への意識の向上と、非常時における生活用水確保の双方に寄与し、学校を起点とした地域全体の防災力向上に貢献します。

【WOTA株式会社について】

WOTA は、水問題の構造的な解決を目指す⺠間企業です。

 2014 年の創業以来、地球上の水資源の偏在・枯渇・汚染によって生じる諸問題の解決のため、生活排水を再生し最大限有効活用する「分散型水循環システム」およびそれを実現する「水処理自律制御技術」を開発しています。既に、2 つの製品を上市し、災害時の断水状況下における応急的な水利用の実現や、公衆衛生の向上に寄与して参りました。また、日常的な水利用を実現する「家庭用水循環システム」を開発し、国内外の一部地域での給水を開始しています。

詳細はこちら https://wota.co.jp

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

WOTA株式会社

80フォロワー

RSS
URL
http://wota.co.jp
業種
製造業
本社所在地
東京都中央区日本橋馬喰町 1-13-13
電話番号
-
代表者名
前田瑶介
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2014年10月