臨時休業や時短営業の動き、上場企業300社超に拡大 緊急事態宣言発令前後で急増
緊急事態宣言の発令前後に休業表明などを行う上場企業が急増
帝国データバンクは、新型コロナウイルスの感染拡大により自社やグループ会社の事業所、店舗などの営業休止や時間短縮など、「営業活動に影響が出た」上場企業について調査を行った。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、営業活動を自粛する企業が相次いでいる。帝国データバンクの調べでは、新型コロナウイルスの感染拡大により自社やグループ会社の事業所、店舗などの営業休止や時間短縮など、「営業活動に影響が出た」上場企業は、4月10日午前までに累計306社判明した。当初、中国国内での営業自粛や、自社で感染者が発生した際などに限定されていた臨時休業の動きが、国内の小売やサービス業にも波及しており、社数の増加につながっている。
特に、首都圏の外出自粛要請が出された3月第4週では62社が新たに休業などの措置を取ったことが判明。緊急事態宣言が発令された4月第2週は100社を超えた。今後も、東京都による休業要請や緊急事態宣言の対象地域拡大などにより、営業自粛や営業時間の短縮に迫られる上場企業は増加するものとみられる。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大防止に寄与する反面、営業機会が長期に封じられることで、各社の業績動向に大きな影響を及ぼすことが懸念される。
飲食店や小売・サービスなどで休業表明相次ぐ 居酒屋などは全面休業に
最も多い小売では、特に飲食店を中心とした企業で、首都圏の外出自粛要請や緊急事態宣言の発令を受け、臨時休業を決定したケースが相次いでいる。「博多 一風堂」を展開する力の源HDは、4月8日から当面の間、東京や大阪など7都府県計93店舗を休業。長崎ちゃんぽんを展開するリンガーハットも、同期間で7都府県の店舗に営業時間短縮を行い、20時の閉店とする。
コロワイドは、同地域で展開する居酒屋業態の計384店舗について、4月8日から5月6日までの休業を決定した。ステーキレストランを展開するブロンコビリーでは、関東や関西などの店舗を休業に、愛知県など東海3県では営業時間を短縮する。
大手百貨店や商業施設でも、4月8日から緊急事態宣言の対象となる7都府県で臨時休業や大幅な営業縮小に踏み切るケースが相次ぐ。三越伊勢丹HDは、緊急事態宣言が解除されるまでの間、首都圏の百貨店について臨時休業とすることを決定。阪急百貨店を運営するエイチ・ツー・オーリテイリングは、阪急メンズ大阪など4店舗について臨時休業、13店舗は食料品売り場のみ営業を継続する。
サービス業でも影響が広がる。結婚式場大手のテイクアンドギヴ・ニーズは緊急事態宣言の発令期間中、運営する一部の式場を臨時休業すると発表した。京都きもの友禅は7都府県の計27店舗で臨時休業。映画館を展開する武蔵野興業は、当初予定していた4月12日までの臨時休館を延長し、当面の間営業を休止する方針だ。
“外出自粛”の見えない出口、大企業でも消耗戦 中小からは「雇用維持できない」の声も
緊急事態宣言により、大手企業では新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け営業を休止する動きが広がるなか、飲食店などでは既に経営体力の消耗戦に突入している。「3月のまとまった宴会予定のキャンセルが相次ぎ、売り上げは前年比の半分にも満たない」(関東の飲食チェーン)、「資金調達が出来なければ経営が行き詰る」(関西の居酒屋チェーン)など、大手チェーンからも悲鳴が聞こえる。
今後、営業自粛を求める雰囲気がこれまで以上に強まるとみられる。既に新型コロナウイルスによる外出自粛の影響が出ている中小企業にとっては、打開する術を見つけるのは容易ではない。帝国データバンクが3月に実施した調査では、有効回答企業数1万1,330社のうち約8割の企業が業績に「マイナスの影響がある」と回答した。企業からは「宿泊・宴会のキャンセルで大損害が出ており、このままでは会社や雇用が維持していけるか不安」「百貨店の来店数が大幅に落ち込み、販売が半分以下に減少している」など、3月以降で多くの企業が自粛による客足急減で悲鳴を上げる。緊急事態宣言のなかで、営業休止要請の対象外となったスーパーやドラッグストアでも、「いつ自分が新型コロナウイルスに感染するか分からない」(従業員)と、働くことについて心配する声も聞かれている。
いつ感染拡大が収束するのか、どこまで影響が拡大するのか、誰もが先を見通せない新型コロナウイルスの影響。新型コロナウイルスの影響による倒産も既に40件を超えた。大手、中小に関わらず、迅速な企業向け支援策および国民に向けた補償策の実行が必要になってくる。
特に、首都圏の外出自粛要請が出された3月第4週では62社が新たに休業などの措置を取ったことが判明。緊急事態宣言が発令された4月第2週は100社を超えた。今後も、東京都による休業要請や緊急事態宣言の対象地域拡大などにより、営業自粛や営業時間の短縮に迫られる上場企業は増加するものとみられる。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大防止に寄与する反面、営業機会が長期に封じられることで、各社の業績動向に大きな影響を及ぼすことが懸念される。
飲食店や小売・サービスなどで休業表明相次ぐ 居酒屋などは全面休業に
業種別では、4月10日午前時点で小売が最も多く124社だった。全体の約4割を占めており、1割強を占めるサービス(57社)と合わせ、営業活動に影響が出た企業の半数超を小売・サービスなどB to C業種が占める。特に小売は、3月14日(第2週)時点から3倍超の規模に拡大。「金融・保険」(5.0倍)、「製造」(4.4倍)に次いで、約1カ月間で特に社数が増加した。
最も多い小売では、特に飲食店を中心とした企業で、首都圏の外出自粛要請や緊急事態宣言の発令を受け、臨時休業を決定したケースが相次いでいる。「博多 一風堂」を展開する力の源HDは、4月8日から当面の間、東京や大阪など7都府県計93店舗を休業。長崎ちゃんぽんを展開するリンガーハットも、同期間で7都府県の店舗に営業時間短縮を行い、20時の閉店とする。
コロワイドは、同地域で展開する居酒屋業態の計384店舗について、4月8日から5月6日までの休業を決定した。ステーキレストランを展開するブロンコビリーでは、関東や関西などの店舗を休業に、愛知県など東海3県では営業時間を短縮する。
大手百貨店や商業施設でも、4月8日から緊急事態宣言の対象となる7都府県で臨時休業や大幅な営業縮小に踏み切るケースが相次ぐ。三越伊勢丹HDは、緊急事態宣言が解除されるまでの間、首都圏の百貨店について臨時休業とすることを決定。阪急百貨店を運営するエイチ・ツー・オーリテイリングは、阪急メンズ大阪など4店舗について臨時休業、13店舗は食料品売り場のみ営業を継続する。
サービス業でも影響が広がる。結婚式場大手のテイクアンドギヴ・ニーズは緊急事態宣言の発令期間中、運営する一部の式場を臨時休業すると発表した。京都きもの友禅は7都府県の計27店舗で臨時休業。映画館を展開する武蔵野興業は、当初予定していた4月12日までの臨時休館を延長し、当面の間営業を休止する方針だ。
“外出自粛”の見えない出口、大企業でも消耗戦 中小からは「雇用維持できない」の声も
緊急事態宣言により、大手企業では新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け営業を休止する動きが広がるなか、飲食店などでは既に経営体力の消耗戦に突入している。「3月のまとまった宴会予定のキャンセルが相次ぎ、売り上げは前年比の半分にも満たない」(関東の飲食チェーン)、「資金調達が出来なければ経営が行き詰る」(関西の居酒屋チェーン)など、大手チェーンからも悲鳴が聞こえる。
今後、営業自粛を求める雰囲気がこれまで以上に強まるとみられる。既に新型コロナウイルスによる外出自粛の影響が出ている中小企業にとっては、打開する術を見つけるのは容易ではない。帝国データバンクが3月に実施した調査では、有効回答企業数1万1,330社のうち約8割の企業が業績に「マイナスの影響がある」と回答した。企業からは「宿泊・宴会のキャンセルで大損害が出ており、このままでは会社や雇用が維持していけるか不安」「百貨店の来店数が大幅に落ち込み、販売が半分以下に減少している」など、3月以降で多くの企業が自粛による客足急減で悲鳴を上げる。緊急事態宣言のなかで、営業休止要請の対象外となったスーパーやドラッグストアでも、「いつ自分が新型コロナウイルスに感染するか分からない」(従業員)と、働くことについて心配する声も聞かれている。
いつ感染拡大が収束するのか、どこまで影響が拡大するのか、誰もが先を見通せない新型コロナウイルスの影響。新型コロナウイルスの影響による倒産も既に40件を超えた。大手、中小に関わらず、迅速な企業向け支援策および国民に向けた補償策の実行が必要になってくる。
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