三井物産、フュージョン(核融合)関連のスタートアップ米Commonwealth Fusion Systems(CFS)社への出資参画
三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀 健一、以下「三井物産」)は、フュージョン(核融合)関連企業である米国Commonwealth Fusion Systems LLC(以下「CFS社」)に、日本企業12社*1で構成するコンソーシアム(以下「日本コンソーシアム」)各社と連携する形で、出資しました。今回のCFS社への出資参画は、フュージョン関連の領域では、2023年5月17日に発表した京都フュージョニアリングに続く第二弾となります。
フュージョンとは、二つの軽い原子核を融合させ、太陽と同じ原理で膨大なエネルギーを生み出し、これを発電に利用する仕組みで、CO₂を排出しない持続可能なエネルギー源と期待されています。燃料となる水素同位体は海水などから得られ、枯渇や地域偏在の懸念がありません。また、原子力発電と異なり、核分裂を起こさない、高レベル放射性廃棄物も発生しないという特長もあります。日本政府が2025年6月に改定を発表したフュージョンエネルギー・イノベーション戦略では、官民連携の重要性が示され、2030年代の発電実証を目指すことが明記されております。AI技術の飛躍的な進展などに伴い急速に拡大する電力需要に対応し、将来の安定的な電力供給を支える有力な選択肢として、フュージョンエネルギーへの期待が世界全体で高まっています。
CFS社は、MIT(マサチューセッツ工科大学)のスピンオフ企業であり、磁場閉じ込め方式(トカマク型)*2によるフュージョンエネルギー発電炉の設計・開発を進める、業界のリーディングカンパニーです。同社は、世界初となる商業用フュージョンエネルギー発電炉「ARC(アーク)」を米国バージニア州に建設する計画を発表しており、2030年代前半の運転開始を目指しています。また、2025年6月には米Google社と、ARCからの20万キロワット分の電力購入契約を締結したことを発表しております。
日本コンソーシアムは、CFS社が米国で推進する商用化プロジェクトから、フュージョンに関する政策・規制、ARCの開発・建設・運転・保守に係る技術的・商業的な知見を獲得します。更に、各社が有するノウハウや専門性を持ち寄り、日本におけるフュージョンエネルギー発電の早期商用化・産業化を目指します。日本コンソーシアムとCFS社の連携は、日米両国によるフュージョンエネルギー発電の開発と商業化を加速するための共同パートナーシップに沿うものであり、両国における商業化の早期実現に向けた強い意志と機運の高まりを体現しています。
三井物産は、「環境と調和する社会をつくる」ためにパートナーとの協業や産業を超えた連携、関連するイノベーション技術への取組みを通じて、多種多様な低炭素ソリューションを提供しています。フュージョンの分野においても、CFS社関連産業も含めたステークホルダーとの協業を通じて、最先端の知見・ノウハウの蓄積に努め、技術の実用化・産業化に貢献していきます。
*1 三井物産、三菱商事株式会社、関西電力株式会社、株式会社JERA、株式会社商船三井、日揮株式会社、株式会社日本政策投資銀行、NTT株式会社、株式会社フジクラ、株式会社三井住友銀行、三井住友信託銀行株式会社、三井不動産株式会社
*2ドーナツ状(トーラス)の形状で、強力な磁場を使って超高温プラズマを閉じ込める核融合装置の型式
企業概要

会社名 |
Commonwealth Fusion Systems LLC (コモンウェルス フュージョン システムズ) |
所在地 |
米国マサチューセッツ州デベンス |
設立年 |
2018年 |
代表者 |
Bob Mumgaard (ボブ・マンガード、Co-Founder & CEO) |
従業員数 |
~1000名 |
事業概要 |
フュージョン(核融合)炉の設計・開発 |
ウェブサイトURL |


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