岐阜県安八町の防災とものづくりの学びがネパールへ

結小学校の防災BOOK・新聞紙スリッパ、町内児童生徒の手づくりうちわ、東安中学校の合唱映像を活用し、なかよし学園が現地校で防災・探究・異文化理解の授業を実施

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト

 特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(代表:中村雄一/千葉県松戸市)は、2026年6月、ネパール・ルンビニ州ルパンデヒ郡周辺の学校において、岐阜県安八町の児童生徒が制作した教材を活用した教育支援活動を実施しました。

 今回の授業では、安八町立結小学校の児童が作成した「防災BOOK」と新聞紙スリッパを用いた防災啓発授業、安八町教育委員会主催のもと町内小中学校および学校外支援センター「ほほえみ教室」の児童生徒が作成した手づくりうちわを活用したものづくり・イノベーション授業、さらに合唱で知られる安八町立東安中学校の生徒が制作した合唱ビデオと日本の生活風景を紹介する映像を活用した異文化理解授業を行いました。

 安八町では、町をあげて洪水防災に取り組んでいます。その地域で育まれてきた「自分たちの命を守る学び」「身近なものを使って課題を解決する力」が、なかよし学園を通じてネパールの学校へ届けられました。

安八町結小学校作成の防災スリッパを履くネパールの生徒

世界で求められる防災教育――日本の知恵を、子どもたちの手から世界へ

 世界では、地震、洪水、土砂災害、気候変動による異常気象など、自然災害のリスクが高まっています。特に学校は、子どもたちが日常的に集まる場所であると同時に、災害時には地域の安全や避難、情報共有の拠点にもなり得る重要な場所です。

 UNESCOなどの国際機関は、災害に強い社会をつくるためには、学校教育の中で災害リスクを学び、子どもたち自身が「備える力」を身につけることが重要であるとしています。

 日本は地震、台風、洪水など多様な災害を経験してきた国であり、防災教育、防災訓練、避難行動、地域防災の仕組みは、国際的にも高い関心を集めています。安八町が地域をあげて取り組んできた洪水防災の学びも、世界の災害リスクを抱える地域にとって、大きな示唆を持つ教育資源です。

 なかよし学園は、こうした日本の防災の知恵を、専門家だけの知識としてではなく、子どもたちが学び、考え、作った教材として世界へ届けています。

コンゴ民主共和国の火山災害において支援活動を行い、防災学校を設立したなかよし学園
コンゴ民主共和国ゴマに設立されたなかよし防災学校

結小学校の防災BOOKと新聞紙スリッパがネパールの教室へ

 今回、ネパールの学校で活用されたのは、安八町立結小学校の児童が作成した防災BOOKと新聞紙スリッパです。

 防災BOOKには、災害時に必要な備えや、身近な材料を使ってできる工夫がまとめられています。新聞紙スリッパは、災害時に足元を守るための簡易的な防災用品として紹介されました。

 ネパールの授業では、子どもたちに対して「災害はいつ起こるかわからない。だからこそ、普段から備える意識を持つことが大切である」と伝えました。日本の小学生が自分たちで防災について考え、教材を作り、世界の子どもたちへ届けたことは、現地の児童生徒や教職員に強い印象を与えました。

 特にイスラム系の学校での授業では、防災スリッパを見た多くの生徒から「小さい子どもでも防災に対して意識を持っているのはすごい」という反応がありました。

 この言葉は、結小学校の子どもたちの学びが、単なる教材として届いただけではなく、「子どもも社会を守る主体になれる」というメッセージとして届いたことを示しています。

防災スリッパ。靴が無くなる時を「想定」することを伝える
防災バッグに非常事態のための「備え」をする必要性を説明する
防災BOOKは英語表記で現地の子が読めるようにしている

手づくりうちわから扇風機、クーラーへ――“暑さ”を解決する日本のものづくりを紹介

 安八町教育委員会が主催し、町内の小中学校および学校外支援センター「ほほえみ教室」の児童生徒が作成した手づくりうちわも、ネパールの授業で活用されました。

 授業では、まず「暑さ」という世界共通の課題を提示しました。暑いとき、人はどうすれば涼しくなれるのか。日本では昔から、身近な素材を使ってうちわを作り、手で風を起こすことで暑さに対応してきました。

安八町から託されたうちわ
安八町から託されたうちわ
安八町から託されたうちわ
安八町から託されたうちわ
安八町から託されたうちわ
安八町から託されたうちわ
安八町のうちわに喜ぶネパールの生徒達
教職員も興味津々だった
うちわのデコレーションを楽しむ教職員達
なかよし学園の授業に大きな衝撃と感動を受けたというネパールの学校

 さらに、壱岐市なかよし学童の子どもたちが作成したぶんぶんごまを使い、回転運動や空気の流れについて説明しました。手で仰いで風を送るうちわから、手の力を使わずに風を送る扇風機が生まれ、さらに室温を調整するクーラーへと発展していく。この流れを、身近な道具から技術革新が生まれる例として紹介しました。

ぶんぶんごまでモーターの仕組みを説明する中村雄一代表

 なかよし学園は、ネパールの子どもたちに対し、日本の発展の背景には、高価な機械や最新技術だけでなく、「身近な課題に気づき、考え、試し、形にする力」があったことを伝えました。

うちわ、ぶんぶんごま、扇風機、クーラー。これらは一見別々の道具に見えますが、その根底には「どうすれば人の暮らしをよくできるか」という探究心があります。今回の授業では、安八町の子どもたちの手づくり教材を入口に、日本のものづくりとイノベーションの精神を現地の子どもたちへ届けました。

東安中学校の合唱ビデオが伝えた、日本の学校生活と文化

 安八町立東安中学校の生徒が制作した合唱ビデオと、日本の生活風景を紹介する映像も、なかよし学園の編集のもと、ネパールの学校で上映されました。

 東安中学校は合唱活動で知られ、今回の映像には、日本の中学生が仲間とともに声を合わせ、ひとつの作品を作り上げる姿が収められています。ネパールの生徒や教職員は、映像を通して日本の学校生活、教室や学校行事、仲間と協力して学ぶ文化に触れました。

 言葉や宗教、生活環境が異なっても、歌や学校生活の映像は、互いの文化を理解する入口になります。ネパールの子どもたちは、日本の生徒たちが真剣に歌う姿を見つめながら、遠い国の同世代の存在を身近に感じていました。

 なかよし学園が大切にしているのは、物資を届けることだけではありません。日本の子どもたちが日々の学びの中で作ったもの、表現したもの、考えたことが世界の教室で活用され、その反応が日本の学校へ還ってくることです。

 この往還によって、日本の子どもたちは「自分たちの学びが世界で役に立つ」という実感を得ることができます。

東安中学校からのビデオメッセージを聴く生徒達
東安中学校の合唱を聴く生徒達

安八町の学びは、カンボジアからネパールへ

 なかよし学園と安八町の連携は、今回が初めてではありません。

 2年前の安八町での講演をきっかけに、なかよし学園は安八町の子どもたちの学びや地域の魅力を世界へ発信し続けてきました。昨年12月には、安八町の児童生徒の学びが、カンボジアの難民キャンプでの教育支援活動にも活用されました。

 そして今回、その学びはネパールへ届きました。

安八町の防災、ものづくり、合唱、地域への誇り。これらは、単なる地域学習にとどまらず、世界の子どもたちにとっての学びの資源となっています。

「地域を学ぶこと」は、「世界とつながること」でもあります。安八町の子どもたちが、自分たちの町の学びを世界へ届ける経験は、地域への誇りを育てると同時に、世界の課題に向き合う力を育てています。

カンボジアでも防災グッズを使った授業が行われた

日本の防災を、世界の教室へ。安八町から始まる平和教育

 日本の防災は、世界的にも高く評価されています。災害の経験を忘れず、学校や地域で備えを学び、子どもたち自身が防災の担い手となる姿は、災害リスクを抱える国々にとって大きな学びになります。

 安八町は洪水防災に取り組む町として、地域ぐるみで防災意識を育んできました。今回、その学びがネパールの学校で紹介されたことは、安八町の防災教育が世界レベルで発信されたことを意味します。

 なかよし学園は、今後も安八町と連携し、地域の学びを世界の教育支援へつなげていきます。防災、ものづくり、音楽、文化。日本の子どもたちが日常の中で学び、作り、表現したものは、世界の子どもたちにとって希望の教材になります。

安八町から世界へ。

子どもたちの学びが、災害に備える力を育て、国を越えた友情を生み、平和をつくる一歩となっています。

安八町で行われた講演会では町の皆さんに、町の子ども達の取り組みを知ってもらった

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト 代表 中村雄一

  安八町の子どもたちが作った防災BOOKや新聞紙スリッパ、手づくりうちわ、東安中学校の合唱映像が、ネパールの学校で大きな学びになりました。

 現地の子どもたちは、日本の小学生が防災について考え、自分たちで教材を作っていることにとても驚いていました。特に新聞紙スリッパを見た生徒たちが「小さい子どもでも防災を意識しているのはすごい」と話していたことは、安八町の学びが確かに世界へ届いた瞬間でした。

 日本の防災は、世界に誇れる学びです。しかし、それを大人や専門家だけが語るのではなく、子どもたち自身が考え、作り、届けることに大きな意味があります。

 安八町は、洪水防災に町をあげて取り組んでいます。その町で育った子どもたちの学びが、カンボジアに続き、ネパールの学校にも届きました。これは、地域の教育が世界の課題解決につながることを示す大きな成果です。

 なかよし学園はこれからも、安八町の魅力と子どもたちの力を世界へ発信し続けます。地域の学びが世界を支え、世界からの反応がまた日本の子どもたちの自信になる。その循環こそが、私たちの考える「世界とつながる学び」です。

各学校で授業を行う中村雄一代表

特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト 事務局長 中村里英

 ネパールの子どもたちが、安八町立結小学校の児童が作成した防災BOOKや新聞紙スリッパを見て、

「子どもでもこんなに災害に備えることを考えているのはすごい」と驚いていた姿が、とても印象に残っています。

 その反応を見て、改めて日本の防災教育、防災意識の高さは世界に伝えられる大切な力なのだと実感しました。

 一言で「日本」と言っても、地域ごとにさまざまな特色があります。安八町は、洪水防災に町をあげて取り組んでいる地域です。正直に言えば、私自身もこのプロジェクトに関わるまで、安八町でこれほど防災の学びが大切にされていることを知りませんでした。

 でも、実際に安八町の子どもたちの学びがネパールの学校で紹介され、現地の子どもたちや先生方の驚きと学びにつながる姿を見て、日本各地には、まだまだ世界に届けられる素晴らしい知恵や文化、教育がたくさんあるのだと感じました。

 なかよし学園はこれからも、日本各地のいいところを世界に紹介し、地域の学びが世界の子どもたちの未来につながる機会をつくっていきたいと思います。

 また、安八町立結小学校とは、今年度も「世界とつながる学びプロジェクト」を実施します。今年の児童たちが、どんな問いを持ち、どんな探究を行い、どんな形で世界とつながっていくのか、今からとても楽しみにしています。

ネパールで先生として教育活動を行う中村里英事務局長

今後の展開

 なかよし学園は、ネパールでの授業記録や現地児童生徒・教職員の反応を、安八町の学校や教育関係者へフィードバックしていく予定です。

日本の子どもたちが作った教材が、世界のどこで、どのように使われ、どのような反応を生んだのかを可視化することで、児童生徒が自分たちの学びの価値を実感できる機会をつくります。

 今後も、安八町の防災教育、ものづくり教育、合唱文化、地域の魅力を、世界各国の教育支援現場へ届けていきます。

団体概要

団体名:特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
事業内容:世界とつながる学び(CoRe Loop)を軸とした探究・平和・包摂教育プログラムの企画運営/国内外の教育・食・心のケア支援 等

本件に関するお問い合わせ先

特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト(事務局)
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org

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会社概要

URL
https://nakayoshigakuen.org
業種
教育・学習支援業
本社所在地
千葉県松戸市小金原4-14-14
電話番号
047-704-9844
代表者名
中村雄一
上場
未上場
資本金
-
設立
2019年04月