デジタル・クライシス総合研究所による最新の炎上事案分析
調査対象期間:2021年8月1日~2021年8月31日
ネット炎上や情報漏えいなどのデジタル上で発生したクライシス(危機や重大なトラブル)を研究する、日本初の研究機関デジタル・クライシス総合研究所(以下、弊研究所)は、2021年8月1日~8月31日に発生したネット炎上について件数とその内訳の分析結果を公開しました。
「8月最新の炎上事案分析」ダウンロードURL
https://www.siemple.co.jp/document/enjou_report_202108/
- 調査背景
投稿内容に「炎上」というキーワードを含む3,356件の投稿から144件の炎上事案を抽出し、炎上の原因となった問題行動の主体、問題行動の内容、炎上を起こした企業の業種などの切り口から傾向を分析しました。
※「デジタル・クライシス白書2021」は以下のURLからダウンロードをリクエストできます。
https://dcri-digitalcrisis.com/document/dcri_hakusho2021/
- 調査
調査対象:Twitter、Facebook、Yahoo!ニュース、アメブロ、Fc2ブログ、Yahoo!知恵袋、2ちゃんねる など、弊社指定媒体への投稿
調査方法:弊社ソーシャルリスニングツールを使用
分析対象投稿数:3,356件
抽出炎上事例数:144件
- 調査結果トピックス
・「一般人」の炎上事案が前月対比で増加しており51件(35.4%)を占めました。
・反社会的行為や規則・規範に反した行為(の告白・予告)、法律に抵触する可能性のある行為は14件(9.7%)でした。
・炎上事案が最も多かった業界は「娯楽・レジャー」業界でした。
・炎上事案が発生した日系企業27社のうち、26社が非上場企業でした。
- 調査結果詳細
*参考:山口真一.(2015).ネット炎上の研究「炎上の分類・事例と炎上参加者属性」
【炎上事案発生件数】
8月の炎上事案発生件数は144件でした。
炎上事案の原因となった問題行動の主体別の内訳では、「著名人」53件(36.8%)、「法人等」51件(35.4%)、「一般人」40件(27.8%)という結果でした。8月は著名人の炎上事案発生率が多く割合を占めております。
【問題行動の内容別件数】
炎上の原因となった問題行動の内、14件(9.7%)が「反社会的行為や規則・規範に反した行為(の告白・予告)。法律に抵触する可能性のある行為。」に該当し、「不適切と判断される可能性のある発言・行為。」130件(90.3%)に比べて少数でした。
炎上の原因となった問題行動の内容としては「2-3」(非常識な発言・行為、デリカシーのない内容・発言・行為)に該当する炎上が最も多く、次いで「2-4」(その他、特定の層を不快にさせるような内容・発言・行為)に該当する炎上が多い結果となりました。
【炎上内容の詳細区分】
炎上内容の詳細を分析したところ、「その他」を除くと、コロナ関連関する炎上事案が最も多く38件、次いで「差別・偏見」に関するものが17件ございました。
コロナ禍でのイベントの実施に関して炎上した事案や、オリンピックに関連した炎上事案などが確認されております。
【業界別にみる炎上事案の特徴】
問題行動の主体のうち、「法人等」に該当する炎上51件を業界ごとに分類しました。炎上事案が最も多かったのは「娯楽・レジャー」業界で14件(27.5%)でした。次いで「IT・メディア」業界が34件(29.3%)、という結果でした。
【上場企業の割合】
問題行動の主体が「法人等」に該当する51件のうち、27件は日系企業でした。(24件の炎上は自治体や社団法人、海外企業等が問題行動の主体となったもの)
これらの日系企業が上場企業か否か、また、それぞれの従業員数について分析しました。
結果は「上場企業」1社(3.7%)、「非上場企業」26社(96.3%)でした。
また、従業員数「1,000人以上」の大企業が6件を占め、日系企業における炎上の37.9%を占めました。
- デジタル・クライシス総合研究所 概要
主宰:シエンプレ株式会社
所長:佐々木 寿郎
アドバイザー:村上憲郎(元Google本社副社長及び日本法人代表)
芳賀雅彦(元博報堂・PR戦略局シニアコンサルタント)
山口真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授)
徳力基彦(note株式会社 プロデューサー/ブロガー)
設立日:2020年1月10日
公式HP:https://dcri-digitalcrisis.com/
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