アサヒビールとホシザキ、国内初(※1)自然冷媒(※2)を採用した卓上型瞬間冷却方式生ビールディスペンサーを共同開発
全国の飲食店に導入し、地球温暖化影響を大幅に低減
アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 松山一雄)と、総合フードサービス機器メーカーであるホシザキ株式会社(本社 愛知県豊明市、代表取締役社長 小林靖浩)は、共同で、国内初となる自然冷媒を採用したアサヒビール専用の卓上型瞬間冷却方式生ビールディスペンサーを開発しました。10月1日から順次、飲食店での設置を開始します。
本製品はホシザキ製のアサヒビール専用生ビールディスペンサーの中で最も設置台数の多い現行機のモデルチェンジ機となります。2018年にアサヒビールとホシザキで開発した現行機は、省スペースながら3つの飲料ラインを有し、1日あたり約45リットルの生ビールを常温から飲み頃の温度まで冷却できることが特徴で、卓上に設置できる手軽さが飲食店に評価されています。現行機の冷媒には特定フロン(※3)と比べてオゾン層を破壊することのない代替フロン(※4)を使用していますが、代替フロンは地球温暖化影響が大きいことから、現在、国際的に代替フロンの生産量と消費量の段階的削減が進められています。
今回、代替フロンからノンフロンの自然冷媒に切り替えることにより、地球温暖化係数(GWP)(※5)が、1430から3となり、製品のライフサイクル全体での温室効果ガス排出量が削減され、大幅に地球温暖化への影響を軽減できます。さらに、消費電力も現行機より約20%削減しました。2社のパートナーシップにより、個社よりも大きな環境影響低減を実現します。自然冷媒製品はフロン排出抑制法対象外となるため、フロンの簡易点検などが不要になり、飲食店での負担軽減にも繋がります。
ホシザキでは、業務用冷蔵庫・製氷機でノンフロンの自然冷媒化を推進していますが、生ビールディスペンサーでは国内初の自然冷媒採用となります。


アサヒビールは、2025年3月から10店舗(東京都5店舗・愛知県5店舗)でテスト展開を実施し、安全性の確認ができたことから、新規設置、現行機の入れ替えとして10月からの導入を決定しました。ホシザキはノンフロンの自然冷媒を採用した卓上型瞬間冷却方式生ビールディスペンサーをアサヒビール専用機として本格製造します。
アサヒグループは、気候変動への対応におけるグループ全体の中長期目標として、2040年までに、Scope1,2,3においてGHG排出量ネットゼロ達成を掲げています。意欲的な目標設定と気候変動に対する取り組みの推進を通じて、パリ協定で示された「1.5度目標」の早期達成の貢献を目指します。
また、アサヒビールでは、お客様に最高品質の樽生ビールをお届けするために〈飲むとき品質向上活動〉を、飲食店様と共に行っています。さらに環境負荷低減にも配慮した樽生ビールの提供を通じて、生ビール提供の価値向上を目指します。
ホシザキグループは、代替フロンからノンフロンへの冷媒転換にあたり、人類が作り出した物質ではなく、自然界にもともと存在する物質である自然冷媒を積極的に採用しています。業界に先駆けて業務用自然冷媒冷蔵庫を開発し、海外では2009年より、国内では2022年8月より受注生産製品を、2023年5月より普及価格帯の製品を、発売してきました。ホシザキグループとして、これまで世界で累計238万台(※6)の自然冷媒製品を発売しています。冷凍回路を搭載した製品の自然冷媒化率は、欧州は既に100%、米州は50%(2026年に100%目標)に達しており、日本では2024年度末の46%から2027年度末87%を目指しています。自社製品による環境へのインパクト低減により、お客様へ価値を提供し、お客様と共に持続可能な社会の実現に向けて取り組めるよう努めています。
※1 卓上型瞬間冷却方式生ビールディスペンサーとして両社調べ(2025年9月29日時点)
※2 自然界にもともと存在する物質(アンモニア、二酸化炭素、水、空気、炭化水素など)を使って冷凍用や空調用の冷媒として使用できる物質で、オゾン層破壊係数がゼロ、かつ地球温暖化係数が非常に低い冷媒のこと
※3 CFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)を指し、有害な紫外線を吸収し地球上の生物を守っているオゾン層を破壊すると言われている(参照:フロン排出抑制法ポータルサイト)
※4 特定フロンの代替として開発された物質であるHFC(ハイドロフルオロカーボン)のこと。オゾン層は破壊しないものの地球温暖化係数が高い温室効果ガスで、2016年に採択されたモントリオール議定書改正(キガリ改正)により、日本を含む先進国に2011-2013 年の平均数量等を基準値として、2036 年までに85%分を生産及び消費量の段階的削減義務が規定された。日本では2019年から規制対象に追加
※5 GWP(Global Warming Potential)は、二酸化炭素(CO2)を1とした場合に、その温室効果ガスの温暖化の大きさを表した数値。国連環境計画(UNEP)の「OzonAction Kigali Fact Sheet 3」(2017年公開)によるGWP値は、代替フロンR-134aが1430、自然冷媒イソブタンR-600aが3
※6 2009年~2024年のグローバルにおける自然冷媒製品(製氷機、冷蔵庫、ネタケース、ヴィジクーラー(飲料保存用))の販売台数
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