新型肺炎が追い打ち、上場企業は今期9.3%減益に 4~6月期に収束なら来期はほぼ全業種が回復へ

『会社四季報』の業界担当記者が全上場企業の今・来期業績を独自に予想

 米中貿易摩擦に消費増税後の弱い景気、さらに新型コロナウイルス(新型肺炎)が追い打ちとなり、上場企業の業績に減速感が強まっています。
 1月から2月にかけて、上場会社全体の7割を占める3月期決算会社の2020年3月期第3四半期決算が出そろいました。株式会社東洋経済新報社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:駒橋憲一)では、決算発表を受けて、『会社四季報』の業界担当記者が全上場企業に対して取材を実施し、今期および来期の業績予想を独自に見直しました。3月期以外の会社も、直近の四半期決算を基に業績の進捗状況を確認し、予想数字を検証しています。
 今期(20年1月期~20年12月期、対象3382社)の予想営業利益は、製造業が前期比9.9%減、非製造業も同9.7%減、全産業(銀行、保険を含まず)では同9.3%減と厳しい業績見通しとなりました。19 年12月に発売した四季報新春号の集計値と比較すると、全産業(銀行、保険を含まず)の利益は6.2%も下振れました。下方修正の度合いは、製造業の4.6%に対し、内需型企業が多い非製造業で8.4%と大きく、サービスや空運、陸運、小売りなどでは新型肺炎による訪日客の減少、イベント自粛などの需要後退や消費マインドの悪化が業績を下押す動きも目立ちます。
 業種別にみると、銀行、保険を除く31業種の中で、今期予想の営業増益は13業種。うち増益率が2桁の業種は海運、鉱業など8業種。営業減益の18業種のうち、2桁減益は9業種でした。
 決算実績および業績予想を市場別に集計したのが下表です。今期の予想営業利益は1部市場が前期比10.3%の減益。これに対してJASDAQは0.4%増、新興市場は11.8%増と増益を保ちました。2部市場では、東芝が営業増益ながら純利益は再び赤字に転落する見通しのため、営業利益は96.8%増益、逆に純利益は79.1%の減益となっています。
 先行きの業績を見通すうえでも、新型肺炎のインパクトをどう読むかがカギとなります。四季報では、影響は4~6月期までは続くものの、その後は多くの会社で企業活動が正常化に向かうと前提を置いています。そのうえで来期は、ほとんどの業種で業績が持ち直し、全産業では9.9%と2桁近い利益の反発を予想しています。四季報記者が予想した個々の企業の業績見通しを積み上げたところ、電気・ガス以外の30業種すべてが増益予想となり、電気機器の23.1%増を筆頭に、情報・通信、石油・石炭製品、医薬品、サービス、証券、精密機器の7業種が2桁増益となる見通しです。
 業種別、市場別の調査結果の詳細、また集計の基礎となる個々の会社の業績見通しは3月16日発売の『会社四季報2020年2集春号』に掲載します。

(注)業種別、市場別業績集計の算出方法
『会社四季報2020年2集』掲載会社で、今期・来期の予想および実績2期分がある企業の業績を集計。実績・予想とも連結決算の数値を優先。ただし、決算期変更企業、連結決算方式変更企業、上場企業の子会社は除く。銀行、保険の営業利益は集計していない。
 

 

 

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