キャップジェミニの『Smart Factories@scale』レポート ー スマートファクトリーは、2023年までに世界経済を1.5兆ドル押し上げる

製造企業は、スマートファクトリーにこれまで以上の投資を計画するが、規模拡大の課題の克服が必要

キャップジェミ二


【2019年11月12日:パリ発】
キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュート(http://ow.ly/mdB850xvXD3)の新しい調査により、スマートファクトリー(*1)には、生産性の向上、品質の向上、マーケットシェアの拡大、そしてカスタマーサービスの向上を通じて、世界経済に少なくとも1.5兆ドルを追加するポテンシャルがあることが判明しました。ただし、この全体的な価値の3分の2は、いまだ実現に至っていません。この実現については、設計による効率性と閉ループオペレーション(*2)が等しく貢献するでしょう。この新しいリサーチによると、スマートファクトリー採用の上位3カ国は中国、ドイツ、日本、そのすぐ後に韓国、アメリカ、フランスが続いています。


『Smart Factories @ Scale - 大規模スマートファクトリー』(http://ow.ly/mYwo50xvXwr)と題するこのレポートでは、規模拡大における2つの主要課題を特定しています。そのひとつが「IT-OTの融合(*3)」、もうひとつが「デジタル人材に加えて、クロスファンクショナルな能力とソフトスキルを含めた、トランスフォーメーションを推進するために必要な幅広いスキルと能力」です。また、このレポートでは、ビジネス価値を創造し、オペレーションを最適化し、持続可能な未来のためのイノベーションを行うための新たな方法を模索する製造企業にとって、「インテリジェントインダストリー(*4)」に向けたテクノロジー主導のディスラプションがチャンスであることを強調しています。 

本レポートの作成にあたり、キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートは、13か国、1,000名を超えるインダストリアル企業のエグゼクティブを対象に調査を実施しました。以下、主な調査結果をまとめます。

企業のスマートファクトリーに対する意欲と能力・適性は上向きを示している:2年前のレポートと比較して、より多くの企業がスマートイニシアチブを進めており、ファクトリーの3分の1がすでにスマート施設へと形を変えています。製造企業は、今後5年間でスマートファクトリーを40%増やし、年間投資額を過去3年間と比較して1.7倍に増やす予定です。
2017発行のSmart Factories Report(英語) は http://ow.ly/wLX650xvXo0をご参照ください。

スマートファクトリーの潜在的な価値付加はこれまでになく大きくなっている:キャップジェミニは、この成長のポテンシャルに基づいて、今後5年間でスマートファクトリーが世界経済に与える価値を1.5兆ドルから2.2兆ドルと見積もりました。2017年の調査では、現在進行中のスマートファクトリープロジェクトがあると答えた企業は43%でしたが、この2年間で68%に増加し、有望な伸びを見せています。5Gは、そのさまざまな機能により、リアルタイム&信頼性の高いアプリケーションを導入・強化する機会を製造企業に提供するため、スマートファクトリーイニシアチブの重要なイネーブラ(実現要因)となります。

インダストリー4.0の次の課題は規模の拡大:かかる前向きな見通しにもかかわらず、多くの製造企業が規模の拡大を難しいと感じています。本調査では、自社の既存のイニシアチブを「成功」ととらえている企業はわずか14%。一方、60%近くの企業がスケーリングに苦労していると答えています。レポートでは、スケールアップのための主要課題として、以下を2項目を挙げています。

  • IT-OTの融合 - デジタル継続性を確保し、コラボレーションを可能にするためには、デジタルプラットフォームの展開および統合、データ準備性、サイバーセキュリティを含むIT-OTの融合が不可欠です。非依存型でセキュアな多層アーキテクチャは漸進的な融合を可能にします。
  • トランスフォーメーションを推進するためには、デジタル人材に加えて、「エンジニアリング&マニュファクチャリング」、「マニュファクチャリング&メンテナンス」、「安全性&セキュリティ」などのクロスファンクショナルなプロファイルを含めた、幅広いスキルと能力が必要です。また、問題解決やコラボレーションスキルなどのソフトスキルも極めて重要です。

本レポートでは、企業は、ハイパフォーマンス企業 - デジタルプラットフォーム、データ準備性、サイバーセキュリティ、人材、ガバナンスなどの基盤、バランスのとれた「設計による効率化」、データとコラボレーションのパワーを活用した「オペレーションの有効性」アプローチに多大な投資を行う企業(全調査対象企業の10%)ー から学ぶ必要があるとしています。

キャップジェミニのデジタルマニュファクチャリング部門ディレクター、Jean-Pierre Petitのコメント:「ファクトリーはそれ自体が複雑な、生きているエコシステムです。そのエコシステムにおける次のフロンティアは、労働生産性ではなく、むしろ生産システムの効率性です。セキュアなデータ、リアルタイムのインタラクション、仮想-物理のループバックが違いを生みます。スマートファクトリーのポテンシャルを解き放つためには、企業は強力なガバナンスプログラムを設計・実施し、データ主導型オペレーションの文化を育成する必要があります。」

「インテリジェントインダストリーへの移行は、グローバルな製造企業が情報技術と運用技術の融合を活用して、オペレーションのやり方を変え、将来に備えるための戦略的機会です。」 

Schneider Electric社のGlobal Supply Chain Operations担当EVP、Mourad Tamoud氏のコメント:「私たちは、スマートファクトリーイニシアチブを統合するサステナブルでコネクテッドなジャーニー、すなわちTSC4.0(Tailored, Sustainable & Connected 4.0)トランスフォーメーションを通じて、とてつもなく大きな原動力を生み出しました。このトランスフォーメーションは、数年前、たったひとつのフラッグシップパイロットからスタートしました。そして2019年の終わりまでには、認定済みスマートファクトリー拠点を70以上にまで拡大し、World Economic Forum(世界経済フォーラム)からも認められました。当社のマネージャー、エンジニア、サポートスタッフ、オペレーターたちは、トレーニングを通じて、適切な知識と能力を身に付けます。また同時に、かかる急速なランプアップを達成するために、仮想ネットワークを通じてこの経験を組織全体に拡大しました。」

「これはほんの始まりに過ぎません。私たちは、IoT対応、プラグアンドプレイ、オープンアーキテクチャでオープンプラットフォームであるEcoStruxure™ソリューションを社内外で活用してイノベーションを継続し、デジタル世界の最新のベストプラクティスを使い続けていきます。」

また、本レポートでは、PLM(*5)、MES/SCADA(*6)、ロボティクスをインダストリアルアーキテクチャの重要コンポーネントとして取り上げ、詳細に説明しています。ただし、大規模展開のための投資の主要エリアはあくまでも、データ駆動型オペレーションやリモート能力、モバイル能力をサポートする、IoTとAIです。

レポートは、以下よりダウンロードできます。
  Smart Factories @scale/日本語版:http://ow.ly/mYwo50xvXwr
  Smart Factories @scale/英語版:http://ow.ly/BLGc50xvXuT


調査方法:
今回、キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートは、13カ国(中国、フランス、フィンランド、ドイツ、日本、インド、イタリア、韓国、オランダ、スペイン、スウェーデン、英国、米国)のさまざまな製造企業(ディスクリート型製造業、プロセス工業、電力・エネルギー&ユーティリティ、消費財)1000社以上、主にスマートファクトリーのイニシアチブが進行中の企業をターゲットに調査を実施しました。また、スマートファクトリーイニシアチブまたはスマートファクトリーそのものを監督するエグゼクティブの方々と掘り下げたディスカッションを20回近く行いました。
 
  1. スマートファクトリーは、デジタルプラットフォームとデジタル技術を活用して、生産性、品質、柔軟性、サービスを著しく向上させます。
  2. 閉ループオペレーションは、オペレーションを通じて生成されたデータを使用して、リアルタイムで最適化します。
  3. IT/OTの融合とは、ビジネスプロセスで使用される情報技術(IT)システムと、デバイスやイベント、産業プロセスを監視する運用技術(OT)システムの統合を指します。
  4. インテリジェントインダストリーとは、インダストリアル企業ならびにテクノロジー企業のデジタルトランスフォーメーションを指します。キャップジェミニのインテリジェントインダストリーのビジョンは、情報技術(IT)と運用技術(OT)の融合に加えて、物理世界とデジタル世界の融合を取り入れています。インテリジェントインダストリーは、エンジニアリング、製造、サプライチェーン、各種オペレーションならびにサービスに、技術主導型のディスラプションを可能にします。
  5. PLMは、Product Lifecycle Management(製品ライフサイクル管理)の略です。
  6. MES/SCADA は、Manufacturing Execution System(製造実行システム)/Supervisory Control And Data Acquisition(監視制御&データ取得)の略です。
 
 


キャップジェミニについて
キャップジェミニは、コンサルティング、テクノロジーサービス、デジタルトランスフォーメーションのグローバルリーダーとして、イノベーションの最前線に立ち、進化を続けるクラウド、デジタル及び各種プラットフォーム分野で、顧客のあらゆるビジネス機会に対応致します。キャップジェミニは、50年にわたり蓄積してきた優れた実績と業界固有の専門知識を基に、戦略から運用まで、弊社の一連のサービスを通じて、顧客企業が目指すビジネスビジョンの実現をご支援致します。キャップジェミニの信念は、「テクノロジーに関わるビジネス価値は人を通じて具現化される」ことであり、この信念こそが弊社の原動力となっています。キャップジェミニは、世界40ケ国以上、20万人を超えるチームメンバーで構成される多文化企業です。キャップジェミニ・グループ全体の2018年度売上は、132億ユーロです。

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キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートについて
キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートは、デジタル全般に関するキャップジェミニの社内シンクタンクです。この組織は、大規模な従来型/既存のビジネスに対するデジタル技術の影響について調査し、その結果を公開しています。ここでは、チームがキャップジェミニのエキスパートたちによる世界規模でのネットワークを活用し、教育機関や技術パートナーたちと緊密に連携しています。キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートは、インド、イギリスおよびアメリカに専用のリサーチセンターを開設しています。最近、独立系アナリスト企業からリサーチの品質を認められ、世界ナンバーワンの格付けを得ています。

キャップジェミニ・リサーチ・インスティテュートについては、以下をご覧ください。
https://www.capgemini.com/researchinstitute/

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会社概要

キャップジェミニ株式会社

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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区虎ノ門1丁目23-1 虎ノ門ヒルズ 森タワー 22階
電話番号
03-6865-9510
代表者名
殿村真一
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2013年02月