韓国に突如現れた新星。ベストセラーとなったエッセイ集『日刊イ・スラ』をついに日本初刊行。
27歳の私は “毎日” 文章をメールで送り始めた。
朝日出版社は2021年12月1日に『日刊イ・スラ 私たちのあいだの話』(イ・スラ/著, 原田里美/翻訳, 宮里綾羽/翻訳)を刊行しました。
- 書籍紹介
「誰からも依頼されずに文章を書きます。月・火・水・木・金曜日は連載して、週末は休みます。購読料は1カ月で1万ウォン(約千円)、20編送ります。1編が500ウォンなので、おでん一串よりは安いですが、それ以上に満足していただけるように努力します」
連載はたちまち反響を呼び、その半年分の文章をまとめた『日刊イ・スラ 随筆集』はベストセラーに。
2018年の全国独立書店が選ぶ「今年の本」にも選出されました。
書かれているのは、子供時代の淡い恋心、山登りでの祖父との喧嘩、恋人と誕生日に交わした言葉、文章教室での子供たちの作文、母が自分を妊娠したときの記憶、ヌードモデル時代の話……。
「何かについて気になり始めたら、私たちは動きだす。好奇心は愛の始まりだから」
……(「手紙の主語」)
「あなたを身ごもったときのことを正確に記憶している、と母は言った」
……(「懐胎」)
「逆立ちをしながら祖父のことを考えた。祖父もよく逆立ちをする」
……(「あなたがいるから深いです」)
最善を尽くしたら私は絶対に転ばなかった。テウもそうだったはず。
……(「滑って転ぶ練習」)
本作ではその「日刊イ・スラ」シリーズをもとにした2冊から、41編の文章を厳選してオリジナル版としました。
- 著者紹介
(連載当時 ©Ryu Han-kyung)
イ・スラ(李瑟娥)
1992年、韓国・ソウル生まれ。「日刊イ・スラ」の発行人であり、ヘオム出版社の代表。雑誌ライター、ヌードモデル、文章教室の講師として働きながら、2013年に短編小説「商人たち」でデビュー。作家活動を始める。2018年2月、学資ローンの250万円を返済するために毎日1本、文章をメールで送るセルフ連載プロジェクト「日刊イ・スラ」を開始。たちまち大きな反響を呼び、半年分の連載をまとめて同年10月に刊行された『日刊イ・スラ 随筆集』(へオム出版社)は600ページ近い分量にもかかわらずベストセラーとなる(2018年の全国独立書店が選ぶ「今年の本」に選出)。「日刊イ・スラ」はその後もシーズンを重ね(現在は休載中)、随筆集『心身鍛錬』、インタビュー集『清らかな尊敬』、書評集『あなたはまた生まれるために待っている』など、これまでに9冊の本を出版。エッセイ、インタビュー、書評、コラム、漫画など、ジャンルを越えて執筆する。今も週に一度、10代の若者に文章を教えていて、イベントでは歌も歌う。毎朝の日課は、逆立ち。
ウェブサイト: https://www.sullalee.com/
インスタグラム: https://www.instagram.com/sullalee/?hl=ja
- 訳者紹介
1977年、東京都生まれ。アートディレクター、グラフィックデザイナー。2012年から新大久保
語学院で韓国語の勉強を始め、現在は韓国文学クラスに在籍中。2016年からソウル大学語学堂に留学し、その間にソウル市内の本屋を30軒ほどめぐる。
宮里綾羽(みやざと・あやは)
1980年、沖縄県那覇市生まれ。多摩美術大学卒業。那覇市栄町市場にある宮里小書店の副店
長。著書に『本日の栄町市場と、旅する小書店』(ボーダーインク)。
- 原書『日刊イ・スラ 随筆集』刊行時の推薦文(一部)
……チャン・ガンミョン(小説家。『韓国が嫌いで』ほか)
私はこれからは、素晴らしい人たちを見習い、真似して生きていくのだと公言している。だから、少しずつイ・スラに似ていく私をどうか悪く言わないでほしい。
……ヨジョ(ミュージシャン、作家、「本屋無事」店主。『とにかく、トッポッキ』)
物語の力は思った以上に大きく、広まる速度は思った以上に速いから、スラのように自分の話をリアルに伝える人が背負う重さで(何かはわからないがとにかく重い何か)、スラが押しつぶされないように願っている。
……イ・ラン(ミュージシャン、作家。『話し足りなかった日』ほか)
- イ・スラさんから日本の読者へ
私自身が日本の小説やエッセイや漫画にたくさん影響を受けて育ったので、今回の日本語版の出版をほんとうにうれしく思います。そうやって作られてきた自分の世界がまたどんどん大きく豊かになってきて、それをこうして日本の読者のみなさんにお伝えできることに感謝しています。
刊行前夜オンラインイベント(11月18日 本屋B&B)のアーカイブ動画をご覧になりたい方は、以下綾女までお問い合わせください!
- 日本語版『日刊イ・スラ』編集担当(綾女欣伸)より
いまこうして読み返してみても、スラさんの文章は新鮮で、同じところでまた笑い、以前は見えなかったつながりを発見します。そして、自分の人生の過去の場面がフラッシュバックし、「愛すべき他人」たちにまた会いたくなる。
そんな “地続き” の隣国の話が、この国の人々のあいだにも染み込んでいったらうれしいなと思っています。
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