不安や心配が薄まるまでに平均14年間の“孤独の旅”を経験、解決のカギは「医師とのコミュニケーション」
~長期治療の喘息患者意識調査より~
ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:綱場 一成)は、全国の20-70代の成人喘息患者で、喘息と診断されてから10年以上治療中の330人を対象に、喘息症状のコントロール状況、長年の治療が日々の生活や仕事、人生に及ぼす影響についてアンケート調査を行いました。調査概要ならびに、主な調査結果は以下の通りです。
<調査概要>
<調査結果の主なポイント>
今回の調査結果について、一般社団法人日本喘息学会 理事長/近畿大学病院 病院長
東田有智先生は、「喘息による死亡者は未だ減っていません。今後の対策として、患者さんの症状が可視化できるツールを作り、患者さんに活用してもらいたい。一人でも多くの喘息患者さんの重症化を防ぎ、喘息がなかった頃の状態に近づけることを目指したいと思います」、また、帝京大学医学部内科学講座 呼吸器・アレルギー学 教授 長瀬洋之先生は、「喘息は、長期にわたる治療が続く慢性疾患です。不安なこと、悩んでいること、乗り越えなければならないこと等、お一人で抱え込まず相談してください。そうすることで、医師からも患者さんにふさわしい治療法をご紹介できるようになり、それがご自身の症状のコントロールをより良いものにできるはずです」と述べています。
ノバルティス ファーマは、喘息患者さんの症状のより良いコントロールと制限された生活からの解放を目的として、医師とのコミュニケーションの向上や、患者さんの不安や心配を取り除く解決策を見出し、患者さんやご家族の、より充実した健やかな毎日に貢献していきたいと考えています。
<調査結果>
喘息治療への不安や心配が薄まった経験がある人の、薄まるまでの年数・薄まった理由
気管支喘息について
喘息は、空気の通り道である気道が常に炎症を起こした状態になり、アレルゲンなどの刺激によって発作的に気道が狭くなって喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼーなどと音がする)、息切れ、胸の圧迫感などを伴う呼吸困難があらわれる疾患です。多くの喘息治療薬が使用できるにもかかわらず、患者の1/3以上はコントロール不良の状態が続いています[1]。コントロールが不十分な場合、個人、健康、経済的に重大な負担を引き起こす可能性があり[2],[3]、死に至ることもあります。
ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品のグローバルリーディングカンパニー、ノバルティスの日本法人です。ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。ノバルティスは世界で約11万人の社員を擁しており、8億人以上の患者さんに製品が届けられています。ノバルティスに関する詳細はホームページをご覧ください。
https://www.novartis.co.jp
以上
参考文献
<調査概要>
- 調査対象:喘息と診断されてから10年以上が経過しており、かつICS/LABA配合剤を使用している喘息患者
- サンプル数:330サンプル
- 調査方法:インターネットアンケート調査(多肢選択式)
- 調査期間: 2020年7月13日~7月16日
<調査結果の主なポイント>
- 喘息のために、仕事や生活に支障が出てやりたいことをあきらめたり、これ以上良くならないとあきらめたり、治療薬を変えてもらったが改善されず落ち込んだり、社会から孤立・疎外されていると感じるなど「負の感情」を抱えた経験のある人が半数近くにのぼっています(47%)。一方で、不安や心配が薄まったと感じている前向きな患者さんであっても、不安や心配が薄まるまでには平均14年という長い年月を要していることがわかりました。
- 喘息は、症状のコントロールが重要と言われますが、本調査でも9割の患者さんが自身の喘息症状をコントロールできていると自覚していました。しかしながら、その多くに(7割)、この1ヶ月間だけでも何らかの喘息の症状が発症しており、また、生活上の工夫だけでなく、喘息があるために旅行・スポーツ・映画館を避けたり、ペットを飼うことをあきらめたりする人が約4割にのぼり、喘息に合わせるために日常生活を制限している様子がわかりました。以上から、コントロールできているという自己認識は、必ずしも実際のコントロール状況の良好さを表すものではなく、ある程度制限をかけた日常生活の上に成り立っている喘息患者ならではの課題がうかがえました。
- 多くの喘息患者(8割)は、「医師とのコミュニケーション」を重要視し、医師の問診に答えるだけでなく、自ら積極的に医師に相談している(7割)ものの、2人に一人(55%)は、伝えたいことが十分に伝えられていない、と感じています。また、知りたい情報は「喘息をよりよくコントロールする方法」であり、情報源は「医師」(8割)と答えていることを踏まえると、「医師とのコミュニケーション」の向上こそが、喘息患者のより良いコントロールと制限された生活からの解放、の鍵になることが明らかになりました。
今回の調査結果について、一般社団法人日本喘息学会 理事長/近畿大学病院 病院長
東田有智先生は、「喘息による死亡者は未だ減っていません。今後の対策として、患者さんの症状が可視化できるツールを作り、患者さんに活用してもらいたい。一人でも多くの喘息患者さんの重症化を防ぎ、喘息がなかった頃の状態に近づけることを目指したいと思います」、また、帝京大学医学部内科学講座 呼吸器・アレルギー学 教授 長瀬洋之先生は、「喘息は、長期にわたる治療が続く慢性疾患です。不安なこと、悩んでいること、乗り越えなければならないこと等、お一人で抱え込まず相談してください。そうすることで、医師からも患者さんにふさわしい治療法をご紹介できるようになり、それがご自身の症状のコントロールをより良いものにできるはずです」と述べています。
ノバルティス ファーマは、喘息患者さんの症状のより良いコントロールと制限された生活からの解放を目的として、医師とのコミュニケーションの向上や、患者さんの不安や心配を取り除く解決策を見出し、患者さんやご家族の、より充実した健やかな毎日に貢献していきたいと考えています。
<調査結果>
喘息治療への不安や心配が薄まった経験がある人の、薄まるまでの年数・薄まった理由
- 不安や心配が薄まるまでの平均年数は14.1年(喘息歴の平均は27.1年)。
- 不安や心配が薄まった理由として最も多かったのは「自分なりのコントロールの仕方を見つけて不自由なく生活できるようになった」(35%)、次いで「より良い治療薬/治療法と出会った」(26%)。
- 「薬をいつでも使える状態にしておくこと」(52%)、「タバコを吸わないようにしている」(51%)、「風邪をひかないようにして温かい食事をとるなどして体を冷やさない」(42%)。
- 旅行やスポーツ、映画館を避ける、ペットを飼わない、といった日常生活に制限をかけている(38%)。
- 仕事面で最も多いのは「やりたかった仕事」をあきらめた人(37%)で、うち約8割が人生に影響を与えた、と考えている。
- プライベート面では「アクティブな趣味」(47%)、「友人や家族との外出」(43%)、「予定していたイベントへの参加」(43%)で、それぞれ約7割が人生に影響したと考えている。
- その時の気持ちは「またか、このままずっと続くのかというやるせなく沈んだ気持ち」(65%)、「どうすることもできない、というあきらめの気持ち」(48%)、「周囲に迷惑をかけてしまった、という申し訳ない気持ち」(47%)、「他の人と同じ人生は送れないのか、という自分の人生に対する失望の気持ち」(41%)。
- 64%の患者が、旅に例えることに同意している。内訳をみると、これまでの喘息治療の経験を、「先が見えない荒野の中をひたすら歩いて進む旅」(27%)、「険しい山を登る旅」(15%)、「オアシスを求めて砂漠の中をさまよう旅」(14%)、「ジャングルの中をさまよう旅」(6%)、「荒波の中を進む船の旅」であった。
- それらの患者に、イメージの中で、誰と旅をしているかの質問には、「一人で旅をしている」(67%)が最も多かった。
- 「コントロールできている」「まあコントロールできている」(90%)。
- コントロールできるまでの年数は平均で11.6年。
- 「最近1ヶ月に何らかの症状があった」(72%)。
- 症状として最も多く回答されたのは「咳」で47%。他には「痰」、「喘鳴」、「息切れ」の回答がそれぞれ3割程度だった。
- 「非常に重要である」(35%)、「重要である」(51%)。合わせて8割以上の回答者が医師とのコミュニケーションを重要視。
- 「医師の問診に回答するのみ」(27%)に対して、「症状や治療について自分から積極的に相談する」(63%)および「症状や治療だけでなく、日常生活の悩みも含めて自分から積極的に相談する」(10%)を合わせると、7割以上が自分から積極的に相談している。
- 55%の患者は、医師に「十分に伝えられていないものがある」としており、伝えられていないものとして、最も多く挙げられたのは「今後の治療に関する不安」(25%)。
- 十分に伝えられていない理由として、最も多かったのは「どのように伝えればいいのか分からない」(39%)。
- 「どのように伝えればいいのか分からない」ことを解消できるツールとして、「喘息の自己症状チェックができるツール」(33%)が最も多かった。
- 十分に伝えられていない原因のうち、「どのように伝えればいいのか分からない」、「正直に言いづらい」、「忘れてしまい正しく伝えられない」を解消するツールとして「吸入状況を自動記録するツール」が、それぞれ2割強の回答者に挙げられている。
- 喘息患者が知りたい情報として最も多かったのは「喘息をよりよくコントロールする方法」で半数。次いで「自分の喘息に関する情報」や「治療法に関する情報」が3割強。
- 喘息に関する情報の情報源として最も多く挙げられたのは「医師」で約8割、次いで「病院や製薬会社のウェブサイト」が約4割。
気管支喘息について
喘息は、空気の通り道である気道が常に炎症を起こした状態になり、アレルゲンなどの刺激によって発作的に気道が狭くなって喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼーなどと音がする)、息切れ、胸の圧迫感などを伴う呼吸困難があらわれる疾患です。多くの喘息治療薬が使用できるにもかかわらず、患者の1/3以上はコントロール不良の状態が続いています[1]。コントロールが不十分な場合、個人、健康、経済的に重大な負担を引き起こす可能性があり[2],[3]、死に至ることもあります。
ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品のグローバルリーディングカンパニー、ノバルティスの日本法人です。ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。ノバルティスは世界で約11万人の社員を擁しており、8億人以上の患者さんに製品が届けられています。ノバルティスに関する詳細はホームページをご覧ください。
https://www.novartis.co.jp
以上
参考文献
- Global Inititative for Asthma, “Global Strategy for Asthma Management and Prevention, 2018” (http://ginasthma.org/gina-reports/. Accessed in May 2019) .
- Fang J, et al, “Demographic, clinical characteristics and control status of pediatric, adolescent, and adult asthma patients by GINA Step in a US longitudinal cohort”, Am J Resp Crit Care Med, Vol.197, 2018, pp.A1903.
- GBD 2015 Chronic Respiratory Disease Collaborators, “Global, regional, and national deaths, prevalence, disability-adjusted life years, and years lived with disability for chronic obstructive pulmonary disease and asthma, 1990-2015: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2015”, Lancet Respir Med, Vol.5 No.9, 2017, pp.691-706.
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