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国立大学法人熊本大学
会社概要

ストレス暴露後のクロマチン制御による造血幹細胞機能と造血の回復

国立大学法人熊本大学

・クロマチン(*)制御因子であるHmga2が、造血幹細胞のストレス応答を制御して、造血の回復を促す仕組みを明らかにしました。
・ヒトの重症感染症やがん治療後の造血不全に対して、速やかな造血を回復する治療法開発が期待されます。

【概要説明】

 熊本大学国際先端医学研究機構の指田吾郎特別招聘教授らは、クロマチンを制御する因子の一つであるHmga2が、造血幹細胞のストレス応答を制御して、造血の回復を促す仕組みを明らかにしました。
 人が感染症や抗がん剤などの薬剤に暴露されると、早い時期に赤血球や血小板といった血液細胞は減少します。こうしたストレスによる造血障害からの回復には、骨髄にいる造血幹細胞が欠かせません。一般的に、ストレスに暴露されると、造血幹細胞は増殖するだけでなく、分化して血液細胞の産生を進めますが、その機序は完全に明らかにはなっていません。
 今回、クロマチン制御因子であるHmga2の高発現を誘導できるマウスと、Hmga2の遺伝子を欠損できるマウスを作製して、ストレスのない定常状態と、抗がん剤や炎症性サイトカインに暴露されたストレス状況での造血幹細胞におけるHmga2の作用機序を解析しました。その結果、Hmga2は、抗がん剤投与などのストレス状況では、造血幹細胞や造血の回復を速やかに進めることがわかり、その仕組みも解明しました。
 今回の遺伝子改変マウス解析でわかった造血幹細胞のHmga2によるストレス応答機序を応用することで、ヒトの重症感染症やがん治療後の造血不全に対して、速やかに造血を回復する治療法開発が期待されます。
 本研究成果は2024年5月29日に欧州の学術雑誌「EMBO J」に掲載されました。また、本研究は、文部科学省科学研究費助成事業などの支援を受けて実施したものです。



【展開】

 今回遺伝子改変マウスでわかった造血幹細胞のHmga2によるストレス応答機序を応用することで、ヒトの重症感染症やがん治療後の造血不全状態に対して、速やかに造血を回復する治療法開発が期待されます。



【用語解説】

*クロマチン:DNAとヒストンタンパクの複合体



【論文情報】

論文名:Chromatin modifier Hmga2 promotes adult hematopoietic stem cell function and blood regeneration in stress conditions.
著者:Sho Kubota, Yuqi Sun, Mariko Morii, Jie Bai, Takako Ideue, Mayumi Hirayama, Supannika Sorin, Eerdunduleng, Takako Yokomizo-Nakano, Motomi Osato, Ai Hamashima, Mihoko Iimori, Kimi Araki, Terumasa Umemoto, Goro Sashida
掲載誌:The EMBO J
doi:10.1038/s44318-024-00122-4
URL:https://www.embopress.org/doi/full/10.1038/s44318-024-00122-4


▼プレスリリース全文はこちら

 https://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/seimei-sentankenkyu/20240618

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URL
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業種
教育・学習支援業
本社所在地
熊本県熊本市中央区黒髪2-39-1
電話番号
096-344-2111
代表者名
小川 久雄
上場
未上場
資本金
-
設立
1949年05月
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