「2025年度グッドデザイン賞」受賞

NTTアーバンソリューションズ

NTT都市開発株式会社

 NTT都市開発株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 池田 康、以下「当社」)は、公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2025年度グッドデザイン賞」を「ジーライオンアリーナ神戸」「MORI no KI TERRACE (広島県庁舎敷地有効活用事業)」「HiroPa(ヒロパ)」「HAROW(ハロウ)」「ウエリスステージ元麻布」「ウエリス代官山猿楽町テラス」「HARUMI FLAG(ハルミフラッグ)」の7物件で受賞しましたのでお知らせします。なお、今回の受賞により、当社におけるグッドデザイン賞の受賞は14年連続となりました。

<受賞物件>

1.ジーライオンアリーナ神戸 (兵庫県 神戸市)

日常的に賑わいを生み出すアリーナ
突堤全体を一体活用
1 万人収容規模では国内初となるZEB-ready 取得

写真:©株式会社エスエス:津田裕之

【概要】

 ウォーターフロントエリアの港湾物流拠点から賑わい拠点への転換をめざしたプロジェクトです。270度海に囲まれた突堤の幅約65mの細長い敷地において、馬蹄型の座席配置を取り入れた1万人収容のアリーナを実現しました。夜景と環境負荷低減にも配慮した”V字型”のシンボリックな建物形状に加え、周辺広場との一体的な開発により、港町・神戸の街の変化を牽引します。

【審査委員の評価】

 アリーナという施設は、イベント開催時には人が集まり街に賑わいをもたらすが、それ以外の日常に集客できるかどうかが運営上の大きなポイントとなる。この施設は、三宮駅からほど近く利便性の高い立地にあり、施設低層部には、海に面して飲食店舗が並び、限られた敷地ながらも港の風景を楽しめる居心地のよいランドスケープデザインが丁寧に施されている。1万人収容の客席は、突堤という特殊な細長い敷地を上手に活用して配置され、ここにしかない臨場感のある体験ができそうである。長年積み上げてきた神戸の港の風景に、V字型のシンボリックな形態が加わり、夜間景観も含めて、魅力的な景観を生み出した。

2.MORI no KI TERRACE (広島県庁舎敷地有効活用事業) (広島県 広島市)

北側から見る全景 中央に植えられたクスノキは建物背後の「県庁の森」から移植
西側から見る全景 正面および左側に建つのが県庁舎(1956年竣工)
建物のピロティ下にはイスやテーブルを設置 色の白い舗装は牡蠣殻を再利用したブロック

写真:©中村絵写真事務所

【概要】

 広島県庁舎の敷地の一部を当社が約20年間賃借し、市民のための店舗や芝生広場などの開発・運営を行うプロジェクトです。街に開かれ、賑わいを生み出す県庁舎の実現に向け、多くの公共施設が直面する維持管理や機能更新の課題に対し、官民が連携して解決につなげていく、今後の公共施設の持続可能なプロトタイプになり得ることをめざしました。

【審査委員の評価】

 公共用地を民間に運営してもらい、維持管理費や運営費を捻出して、持続可能な公共サービスを提供する動きは随分増えてきたが、公園や道路ではなく、県庁舎用地の一部を民間に賃貸するチャレンジは、多くの市民が訪れる庁舎の価値を大きく引き上げ、市民の暮らしの豊かさの実感に大きくつながるはずである。庁舎建設当初に植樹された森が育ち、間引きや移植によって樹木の生育環境を整え、洗練されたモダニズム建築の庁舎デザインに呼応するように、シンプルな箱型のデザインでありながら、分棟にしたり、微妙に高さに変化をつけたり、ずらしたりという丁寧なデザインで、建築と森が交じり、馴染む。庁舎の前は駐車場といった、一般的には機能優先になりがちな空間を、市民に愛される空間へ変え、次世代へと引き継がれていく一連の取り組みに好感が持てる。

3.HiroPa(広島県 広島市)

イベントと日常が共存する公園の全景
地域活動支援を行うパークオフィス
多彩な市民活動が溢れる公園の日常

【概要】

 大型商業施設が生活の中心にある地方中核都市「広島」において、公園を使いこなすライフスタイルを醸成すべく、その地に在る水と緑と共生する商業施設を都心部に計画したプロジェクトです。非日常の熱狂を創る新スタジアムに寄り添いながら、日常の賑わいと憩いのシーンを補完するほか、周辺環境と調和し、地域活動を育む“都会のオアシス”となる商業施設をめざしました。

【審査委員の評価】

 地方中核都市の中心部のあり方を新たに定義したPark PFIの好事例である。 郊外にあったサッカースタジアムを市街地スタジアムとして新設し、それに伴い人の流れや賑わい、ライフスタイルに至るまで再定義されており、国土の小さい日本の都市部には困難であったセントラルパークが実現したプロジェクトとして高く評価ができる。 スタジアムの熱狂、興奮、歓声、賑わいといった動のエリアと、広島城や平和記念公園など静のエリアとの関係の緩衝ともなる公園と商業施設の計画は、市民のみならず広島を訪れる人のオアシスとなることが期待される。

4.HAROW(宮崎県 宮崎市)

広島通イベント広場の様子
高千穂通り側全景
街との接点を多く設けたウォーカブルな空間

【概要】

 地域に根ざした電話局2棟を、歴史を継承しながら地域に開いた新しい居場所(インフラ)へと転換したプロジェクトです。通りと一体となった風景を生み出し、商業と交流の拠点を創出しました。経済停滞に直面する地方都市において、街のシンボルかつ全国に存在する“通信鉄塔”の足元から記憶と機能を融合した持続可能な再生モデルです。

【審査委員の評価】

 全国に数多く残る電話局の建物は、通信技術の普及で必要なくなる部分も多く、堅牢で外に対して閉じた建物をどうしていくかが課題だ。ここでは街に接する部分で既存建物をリノベーションによって外に開き、余剰の敷地を活用して、街に対して顔を作り、人の居場所や、地域でビジネスや商売を始める人を支えるような計画を評価した。コンテナを使った軽やかな建替えや、外壁を一部セットバックさせ公共空間を創出するなど、元の閉鎖的な場からの劇的な変化を感じられるプロジェクトだ。

5.ウエリスステージ元麻布 (東京都 港区)

エントランス・ピロティの壁面を一体的な石積みで構成
アートギャラリーのようなエントランスホール

【概要】

 都心でありながら、閑静で落ち着いた唯一無二の立地に建つ集合住宅の一棟リノベーションプロジェクトです。竣工から38年を経た既存建物に、未来を見据えた快適性・耐久性・意匠性を獲得させるべく、第一線で活躍するデザイナーとの協働を通じて、その価値をさらに昇華、持続させることをめざしました。

【審査委員の評価】

 内部、外部、境界部の各種デザインが高度に統合された、上質な分譲住宅の改修である。改修メニューをこなすだけでは到底たどりつけないホリスティックな雰囲気が漂う。視覚的な訴求にとどまらず、体感や環境負荷の面でも重要な改修が施され、デザインとしても高い水準で統合されていることに起因している。また、CO2排出量比較を行って建替よりも上質な改修の優位性を示している点は、未来に対して誠実な態度であると思う。

6.ウエリス代官山猿楽町テラス(東京都 渋谷区)

建物外観
路地沿道のランドスケープデザイン

【概要】

 代官山の路地の再構築を起点とした集合住宅です。地域に開かれた原風景としての路地沿道のランドスケープデザインを通じたまちなみの修景と、その価値を住まいに取り込んだ「まちと共生する集合住宅」を実現しました。

【審査委員の評価】

 代官山の歴史的な路地文化を再解釈し、地域との調和を図った集合住宅である。計画地は「七曲り」と呼ばれる路地の起点に位置し、かつての風情ある街並みを再構築することをめざした。ランドスケープは、シラカシのシンボルツリーや連続する植栽によって、柔らかな緩衝帯を形成し、住民と街との自然なつながりを創出している。建築は「まちとの接点としての建物」を志向し、窓先空地を活かした凹凸のある形状で圧迫感を軽減している。能の「間」の美学を取り入れた開口部構成により、光と風を巧みに取り込む設計となっている。バルコニーには角度を持たせたルーバーを採用し、視線の遮蔽と通風・採光の両立を実現している。住戸の軸線上に中高木を配することで、隣地との緩衝帯を形成し、室内には木漏れ日が差し込む心地よい空間が広がる計画である。

7.HARUMI FLAG(東京都 中央区)

街区全景
個性的でありながら調和のとれた外観ファサード
誰もが使いやすく設計された外構部や共用部

【概要】

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会選手村としての一時利用を経て分譲を行う、「記憶と資源」「持続可能な都市機能」「人と生物の多様性」を次世代に継承していくための都市デザインです。世界水準のダイバーシティへの対応と街全体の調和を両輪でめざしたプロジェクトです。

【審査委員の評価】

 東京2020大会の選手村としての資源を活かしながら、新たな都市の在り方を模索した取り組みである。既存建物の構造を再利用し、内装や設備を更新することで、環境負荷を抑えた再生型の住宅供給を実現した点は、持続可能な都市開発の一例である。また、世代や専門分野の異なる25名のデザイナーが参画し、多様性を尊重しつつも統一感のある街並みを形成している。ユニバーサルデザインの導入により、誰もが快適に暮らせる環境を整備しており、通路幅の確保や視認性の高い案内表示など、細部への配慮も行き届いている。さらに、地域の植生や生態系に配慮した緑化計画を推進し、約4,500本の樹木を植えることで、周辺地域との自然なつながりを築いている。複数の国際的な環境認証を取得したことは、このプロジェクトの設計思想と実行力の高さを示しており、都市開発における新たな方向性を示唆するものといえる。過度な装飾に頼らず、機能性と環境性を両立させた点において、HARUMI FLAGは現代都市の一つの理想形を体現している。

<参考:グッドデザイン賞とは>

グッドデザイン賞は、デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動です。1957年の開始以来、シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれてきました。

グッドデザイン賞は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。

さらに、複雑化する社会において、課題の解決や新たなテーマの発見にデザインが必要とされ、デザインへの期待が高まっています。グッドデザイン賞は、審査と多様なプロモーションを通じて、デザインに可能性を見出す人びとを支援し、デザインにできること・デ

ザインが生かされる領域を広げ、私たちひとりひとりが豊かに、創造的に生きられる社会をめざしています。

著作権利者:(C)JDP

サイト名:GOOD DESIGN AWARD

リンクURL:http://www.g-mark.org

【お問い合わせ先】

NTT都市開発株式会社 広報室 小張・阿部  nttud-pr@ntt-us.com

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会社概要

URL
https://www.ntt-us.com/
業種
不動産業
本社所在地
東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX
電話番号
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代表者名
池田 康
上場
未上場
資本金
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設立
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