【イベントレポート】「お米の未来を考えるシンポジウム」と「これこれお米祭り」京都大学で同時開催
研究者・企業・市民の交流を深め日本の主食お米の未来を考える
お米のシンポジウムは貴重な国産資源であり、世界の三大主要穀物である「お米」の有効活用で経済や環境の改善、また人々の健康と暮らしに貢献したいという思いから、1998年から開催。お米研究のさらなる活性化を目指し、世界中の有識者が一同に介し意見交換できる場を設けてきました。
第4回目である今回は、昨今の食糧危機や世界情勢を鑑み、日本の貴重な国産資源「お米」の未来について広く国内の皆様とも考えられる会にしたいという思いから、あらゆるお米研究の第一線でご活躍されている有識者の先生方に、学生や一般の方々にもわかりやすい内容で発表いただきました。また、世代を超えて楽しんでいただけるように初のお米の祭典「これこれお米祭り」を同時開催。お米を楽しみ、学び、味わい尽くすことができるよう、著名人による講演やパネルディスカッション、ワークショップや企業ブースの出展、スポーツ体験など五感で
楽しめる構成にいたしました。
開催概要
「お米の未来を考えるシンポジウム~これまでのお米、これからのお米。~」
会期 :2023年12月8日(金)12:40~18:00 ~ 9日(土)10:00~16:10
場所 :京都大学百周年時計台記念館 百周年記念ホール
参加費 :一般 1,500円(学生無料)*高校生以上が対象
参加者数:461名
シンポジウムサイト:http://www.rice-studies.org/symposium_4th2023/
「これこれお米祭り」
会期 :2023年12月8日(金)12:40~18:00 ~ 9日(土)10:00~16:10
場所:京都大学百周年時計台記念館内 国際交流ホール
参加費 :無料 *参加登録不要のためどなたでもご参加可能
内容 :お米に関するワークショップ、講演、試食など
参加者数:約600名
これこれお米祭りサイト:https://korekore-okome.com/festival2023/
当日の様子
<シンポジウム>
シンポジウムでは大会長である仲川清隆教授(東北大学大学院農学研究科)より「お米の魅力を再認識、再発見し、新たな価値につなげていきたい」と開会宣言していただきました。お米の消費が減っていることや、農業人口 が減っていることを憂いて考えるのではなく、国や様々な研究、取り組みにより、スマート農業、気候変動に対応した稲作への対応、輸出の促進などに纏わる発表がありお米の発展が期待できました。また、お米、玄米、米油を食することの有用性や食味に関する研究発表に加えて、ご飯としてのお米だけではなく、米粉やお米成分の活用に関する研究発表がありました。さらに食だけでなく、お米の機能性成分や工業用途への展開など、様々な角度で研究、実証されていること知ることができ、お米の未来を明るく感じられました。
<これこれお米祭り>
同時開催の「これこれお米祭り」では、お米に纏わる企業展示にてシンポジウムで勉強した内容を実感しながら米粉製品、米製品を試せる機会となりました。
ワークショップでは、お米の油の搾油体験、お米のストラップづくり、オイルオブジェづくりと、様々なお米の体験をお子様から大人まで楽しんでいただきました。
イベントでの講演については、1日目は特別講師として清宮克幸氏(株式会社ビーヘルス 代表取締役・プロ野球選手 清宮幸太郎氏の父)をお招きし自身のスポーツ選手や監督としての体験から「勉強、仕事、スポーツ、パフォーマンスを上げる」というテーマで玄米食の大切さを語っていただきました。
2日目は岸紅子氏(NPO法人日本ホリスティックビューティ協会 代表)篠田麻里子氏(女優・タレント)喜多泰之氏(株式会社ミルクボトルシェーカーズ 代表)築野 靖子(築野食品工業株式会社 部長)による「お米の循環からはじまるサーキュラーエコノミー」をテーマにスペシャルトークセッションが行われました。登壇者全員が参加したサーキュラーエコノミーを推進するアムステルダム市視察のシェアや、日本のお米作りをはじめとした製品づくりは、実はもともとサーキュラーエコノミーを体現している世界が注目すべき産業構造だということがディスカッションされました。
<総括>
シンポジウムと一般市民向けイベントを同時開催することにより、日ごろ食するお米製品の良さについて、学術的シンポジウムの内容が裏付けをするような形式となり理解が深まりました。また、各有識者や企業、一般市民からの反響も大きく、第一線で活躍される研究者や化学者と企業、一般市民の方々にたくさんのコミュニケーションが生まれたことで、明るいお米の未来や、お米を活用し食することの意義をより強く認識できる機会になりました。
プログラム
①シンポジウム
・新潟薬科大学 特任教授 大坪 研一氏 「各種の米と期待される健康効果」
・福島大学 食農学類 教授 松田 幹氏 「栄養価も高くカラダに優しいお米のプロテイン」
・農業・食品産業技術総合研究機構 グループ長補佐 早川 文代氏 「食べものの特徴を表す言葉の整理~ごはんのおいしさ表現などについて~」
・山形大学 農学部 教授 渡辺 昌規氏 「米由来タンパク質の国内安定供給の可能性と植物由来代替肉の開発」
・農業・食品産業技術総合研究機構 統括研究リーダー 坂井 真氏 「食の未来を見すえた稲作の進化」
・滋賀医科大学 NCD疫学研究センター 特任助教 北岡かおり氏 「食事パターンと血清脂質との関連」:
日本多施設共同コーホート(J-MICC)研究
・甲子園大学 学長・栄養学部 教授 伏木 亨氏 「米油のおいしさとそのメカニズム:京料理の視点から」
・東北大学 スマート・エイジング学際重点研究センター 講師 高橋 芳雄氏 「玄米食と脳の健康」
・新潟工科大学 工学部 准教授 久保田 真敏氏 「機能性食品素材としての米タンパク質の可能性」
・東北大学 大学院農学研究科 教授 仲川 清隆氏 「こめ油に豊富な抗酸化成分をご存じでしょうか?」
・築野グループ株式会社 副社長 築野 卓夫氏 「米糠をすべて有効活用する社会的意義」
②市民公開イベント
■講演
「勉強、仕事、スポーツ、生活のパフォーマンスを上げる~カラダを整える玄米食のすすめ~」
株式会社ビーヘルス 代表取締役 / 元ラグビー選手、日本ラグビーフットボール協会副会長 /
早稲田大学ラグビー蹴球部元監督 / トップリーグヤマハ発動機ジュビロ前監督 /
日本建工医療専門学校校長 清宮 克幸氏
■トークセッション
「お米の循環からはじまるサーキュラーエコノミー」
・NPO法人日本ホリスティックビューティ協会(HBA)代表 岸 紅子氏
・女優、タレント 篠田 麻里子氏
・株式会社ミルクボトルシェーカーズ代表 喜多 泰之氏
・築野食品工業株式会社経営企画部 築野 靖子
・司会 合同会社LDV代表 河野 竜二氏
■ワークショップ(お米収穫・こめ油搾油体験、オイルオブジェ作り、お米ストラップ作り)
■試食・展示(米、米糠の成分を利用した商品の展示、試食)
■ポスターセッション(42件)
・企業ブース
出展企業名、内容
・菊水酒造株式会社:お酒造りの視点からお米が繋ぐストーリーを展示&体験ブース
・幸福ホールディングス株式会社:玄米をより簡単に、美味しく、健康に。玄米を使った加工食品を紹介。
・株式会社ドットピース:玄米食べようよ!私たちは玄米を美味しく食べる術を開発しました。
・南都食糧株式会社:米粉を使ったカヌレでお米の優しい甘さの体験
・幸南食糧株式会社:簡単・便利・美味しい 一食完結型米飯食品のご提案
・築野食品工業株式会社:こめ油と米粉のシリーズ「come×come(コメトコメ)」の試食&事業についての展示
・イーデライツ株式会社:食物アレルギーに配慮した米粉パンの展示など
・株式会社サタケ:美味しさだけでなく環境にも優しい。最新技術の展示。
・株式会社サンエー印刷:-コメムスビ-お米でつながるコミュニティ。商品やグッズを展開
・©SUNTORY SUNBIRDS:サンバーズグッズが当たる抽選会&バレーボール体験。
・ポスターエリア
出展企業名、内容
・株式会社インテグラル: 皮膚計測機器、顔画像カウンセリングシステム
・ブルカージャパン株式会社:食用油脂製造工程の生産性向上に貢献する近赤外分析計
・アルファ・モス・ジャパン株式会社: におい・味・外観分析機器や官能評価ソリューション
つの食品のこめ油と米ぬか由来製品
築野食品工業は長年、こめ油の原料である米ぬかの成分に着目し、研究を進めてまいりました。精米時に発生する副産物である米ぬかの成分を抽出することで、こめ油だけでなく食品、化学、医療、化粧品等の幅広い分野への高度有効利用をし、米ぬかの100%活用をしています。今後も国内の米ぬかを活用することで地球・生産者・消費者の良い循環の実現を目指していきたいと考えています。
・築野グループの事業について
https://shop.tsuno.co.jp/Page/tsuno.aspx
・SDGs推進に関しての取り組み
https://www.tsuno.co.jp/aboutus/sdgs-sdgs/
【築野グループ株式会社の事業概要】
わたしたちは、古来健康と美のシンボルとして親しまれてきた“米ぬか”の高度有効利用を推し進め、「こめ油製造事業」「ファインケミカル事業」「オレオケミカル事業」の3つの事業を展開しています。
設 立: 昭和22年2月1日
代表者:代表取締役社長 築野富美
U R L :https://www.tsuno.co.jp/
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