認定NPO法人テラ・ルネッサンス理事長の小川真吾が第19回中曽根康弘賞「優秀賞」を受賞、京都の団体として初の事例に
アジアやアフリカ、ウクライナなどで紛争の被害にあった人々への支援と国内外での啓発活動が評価学術関係者以外としては6例目、NPO所属としては2例目の受賞となる
◯ 国際的に見るべき業績と努力を讃え、新たな活動を奨励する 『中曽根康弘賞』とは
本賞は、中曽根平和研究所が政治、経済、文化、科学技術等、多様な分野で国際的に見るべき業績をあげている若い世代に対して表彰を行い、その努力を讃えるとともに、さらに新たな活動を奨励するための表彰制度です。URL:https://npi.or.jp/award/
◯ 具体的な評価について(本賞、事務局より)
「小川氏はNPO法人テラ・ルネッサンスの理事長として全事業を統括するとともに、22年間にわたり支援活動の第一線で従事しており、ウガンダ、コンゴ、ブルンジで事業を立ち上げたほか、世界各地の紛争被害者や脆弱な人々数万人に寄り添った支援活動を実践してきている。新型コロナウィルスの感染拡大やウクライナ危機など世界情勢、時事に応じた活動を展開し、世界的な課題の解決に貢献してきた一方、支援活動の経験を元に自ら支援哲学を確立し学術研究も進めている。講演活動や書籍の執筆による情報発信、同業者・若者への助言を通して多くの人に自身が得た知見や哲学を共有するための活動も行っており、世界各地の活動地域での平和と安全の確保に寄与している」
◯ 小川真吾(テラ・ルネッサンス理事長)のコメント
ほぼゼロの状態でアフリカへ単身渡航、23年間におよぶ活動で紛争被害者17万人以上を支援
この度はこのような賞をいただき心から御礼申し上げます。私がアフリカのウガンダへ渡航した18年前、当時現地には知人も友人もおらず、ほぼゼロの状態からスタートしました。活動資金も十分ではありませんでしたが、今では日本を含む世界中で100名以上のスタッフが活動を支えてくれています。当時の年間予算は2,000万円未満でしたが、2023年度は5億円を超える資金を託していただけるようになりました。
今日まで私が活動を継続することができたのは、紛争の被害に遭い貧困などの困難な状況から立ち上がろうとする人々をはじめ、世界中で志しを共に活動するスタッフ、そしてなにより寄付などで私たちの活動を支えてくださる日本の皆様のおかげです。これまでにアジアやアフリカ、ウクライナなどで紛争の影響を受けた17万人以上の人々へ支援を届けることができました。
◯ 紛争下のウガンダで兵士にされる子ども達、洋裁などの職業訓練を通じて社会復帰を支援
2005年当時のウガンダ北部では紛争が続いており、特に深刻だったのは子ども達が反政府軍に誘拐され、子ども兵にされるという問題でした。その数は推定38,000人ともいわれます。戦場に駆り出された子ども兵は身体的にも精神的にも傷を負っているため、どうにか故郷の村に戻れたとしても、その後の社会復帰が困難な状況にありました。
また、紛争の影響により貧困な生活を強いられる人々がいたことから、元子ども兵や貧困層住民に対する社会復帰支援プロジェクトを開始しました。洋裁や木工大工の職業訓練を行うなどして3年間の長期に渡り自立をサポートします。その結果、これまでに450名を支援し、その多くはウガンダの公務員とほぼ同等の収入を得られるようになりました。
なかでも嬉しかったことは、かつて私たちの支援を受けて自立した子ども兵が、今度は支援をする側になったことです。ある少女兵は自立後に自ら洋裁の学校を運営し、さらに生徒の一部に対して無償で指導をしています。その理由を聞いてみたところ、「今の自分があるのは日本人による支援のおかげ、だから今度は自分が支援をする側になりたい」と語ってくれました。
◯ ないものを探すのではなく、あるものを探す。日本のNGOならではのきめ細かい支援を
私たちが大切にしてきた支援の考え方は「ないものを探すのではなく、あるものを探そう」というものです。
欧米のNGOと比べて日本のNGOとしてどのような支援ができると良いのかを考えてきました。外側から物資や仕組みを持ち込み大規模に現地のニーズを満たす援助も非常に有用ですが、内側から現地の人々や文化に寄り添うような、日本人らしいきめ細やかな支援も有用であり大切です。
欠如しているものばかりに目をむけるのではなく、存在している有形無形のリソースに目をむけ現地の人々とともに課題を解決していくこと。これからもそのような支援の在り方を探究し続けながら、そして多くの方々に伝えていきたいと考えています。
これからもたくさんの方々と協力しながら世界の平和と安全を確保できるように、そして一人でも多くの人の命と暮らしを守れるように、活動を続けていきたいと思います。
※授賞式で配信された小川のビデオメッセージ全編は、以下よりご覧いただけます。
https://youtu.be/Gj0roggeozs?si=ayB_pIuqVTgpx1Hl
受賞者プロフィール
小川 真吾(おがわ しんご)
1975年、和歌山県生まれ。学生時代にカルカッタでマザーテレサの臨終に遭遇し、マザーテレサの施設でボランティア活動に参加した。大学卒業後は青年海外協力隊員としてハンガリーに派遣され、旧ユーゴ諸国とのスポーツを通した平和親善活動などに取り組む。2005年よりウガンダに駐在し、元子ども兵社会復帰支援プロジェクトを開始。2011年3月よりテラ・ルネッサンス理事長に就任。現在はウガンダ、コンゴ、ブルンジでの元子ども兵や紛争被害者の自立支援を行いながらテラ・ルネッサンスの経営を担う。主な著書は『ぼくは13歳 職業、兵士。』(合同出版)、『ウガンダを知るための53章』(明石書店)。
認定NPO法人テラ・ルネッサンスについて
『すべての生命が安心して生活できる社会の実現』を目的に、2001年に鬼丸昌也によって設立。現在では、カンボジア、ラオスでの地雷や不発弾処理支援、地雷埋設地域の生活再建支援、ウガンダ、コンゴ、ブルンジでの元子ども兵の社会復帰支援を実施。また、日本国内では、平和教育(学校や企業向けの研修)や、岩手県大槌町で大槌刺し子を運営。2022年にはハンガリー、ウクライナにおける避難民への支援を開始。主な受賞歴:地球市民賞(独立行政法人国際交流基金)、社会貢献者表彰(公益財団法人社会貢献支援財団)、日経ソーシャルイニシアチブ国際 部門賞ファイナリスト(日本経済新聞社)、 第4回ジャパンSDGsアワード 副本部長(外務大臣)賞(外務省)、第52回毎日社会福祉顕彰(毎日新聞東京・大阪・西部社会事業団)、第1回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞「平和の部」(公益財団法人岩佐教育文化財団)、第18回西日本国際財団アジア未来大賞(公益財団法人西日本国際財団)、第10回エクセレントNPO課題解決力賞(エクセレントNPOを目指そう市民会議)、ほか多数。国連経済社会理事会特殊協議資格NGO。
名称:特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス
所在地:京都府京都市下京区五条高倉角堺町21番地jimukinoueda bldg. 403号室
理事長:小川 真吾
設立:2001年10月31日(2014年5月30日より認定NPO法人)
事業内容:『地雷』『小型武器』『子ども兵』の課題に対するアジア・アフリカでの支援活動、および国内での『平和教育』を中心とした啓発活動 など
■ お問い合わせ(担当:テラ・ルネッサンス広報 小田) |
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