世界最大の難民キャンプ 閉鎖差し止めの判決

ケニア東部にあるダダーブ難民キャンプを閉鎖するとしたケニア政府の決定について、ケニア高裁は2月9日、閉鎖を無効とする判決を下した。閉鎖は難民を保護する義務を放棄する無謀な行為であり、そこで暮らす大勢の命を危険にさらすものだと、アムネスティ・インターナショナルの支援を受け現地の人権団体が、政府命令の合憲性に異議を申し立てていた。

政府は閉鎖決定の理由を、治安面、経済面、環境面の問題、さらに国際社会の支援不足で同キャンプの維持ができなくなったため、と説明していたが、判決では、閉鎖命令は行き過ぎた対応であり、差別的で、集団的懲罰行為に相当すると断じられた。

ダダーブ難民キャンプには、およそ26万人が暮らしている。多くが紛争が続く隣国ソマリアから逃れてきた難民である。閉鎖決定の発表で政府は、「イスラム過激派組織アル・シャバーブなどから多大な脅威を受けているためだ」と説明。「ケニアはこれまで25年以上にわたり難民60万人以上を受け入れ、多大な経済的、治安的、環境的負担を負ってきた。閉鎖による難民の対応を迅速に進めるために、国際社会の支援をお願いしたい」と語った。発表以降、役人がキャンプを訪れ、閉鎖期日までに出ていくよう難民に圧力をかけていた。

閉鎖は2016年11月末に閉鎖される予定だったが、政府は「人道上の理由」から6カ月の延長を発表していた。

そもそもケニア政府が閉鎖を決めた背景には、国際社会の豊かな国がその責任を引き受けてこなかったことがある。協力を訴えても、国際社会の支援は、資金も受け入れも常に不足しており、ダダーブキャンプは、極めて悲惨な状況に置かれている。現在、世界中にいる2,100万人の難民の半分以上を引き受けているのは、わずか10カ国に過ぎない。ケニアもその一つだ。

今回の判決を契機とし、国際社会はケニア政府と連携して、持続可能な解決策を考えていくべきだ。

アムネスティ・インターナショナル日本
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