【LIPS labo】韓国の次に、トレンドメーカーとなる国はどこ?アジアンコスメの現状を大調査【2023年8月2号】
1、「韓国コスメ」の背中を追う、"韓国コスメを除いた"アジアンコスメの現状とは?
2023年7月号の『LIPS labo』では、「アジアンコスメ」と聞くと第一想起するのは韓国であるという回答が6割近く集まったことからも、韓国コスメはアジアンコスメのなかで圧倒的な支持を得ていることがわかりました。
今回は、アジアンコスメの王者である「韓国」以外の、「中華・台湾・タイ」のコスメにフォーカス。ポイントメイク・ベースメイク・スキンケアの3カテゴリで人気の高いアイテムとその理由について、ユーザーボイスを交えながら考察していきます。
2、まずは、2人に1人が持っている「中華コスメ」を深掘り
前回の調査では、韓国に次いで注目されていることがわかった中華コスメ。「あなたは中華コスメを持っていますか?」という質問に対し、2人に1人が中華コスメを持っていることが判明。
年代別でも10~30代ではおよそ半数が中華コスメを持っているという結果に。また、40代以上の年代は、他の世代に比べて持っていると回答した人とが少ないことから、30代以下の世代を中心に中華コスメが浸透してきていることがうかがえます。
■2-1、ポイントメイク編
続いて、中華コスメでポイントメイクを選ぶならどのアイテムが欲しいか質問したところ、全体の58%の人がアイシャドウを選択。中華コスメのアイシャドウは、たくさんのユーザーから熱視線が送られる人気アイテムと言えるでしょう。
「アイシャドウ」を選んだ人の声
中国のアイシャドウは日本、韓国にない色の構成で、流行りにとらわれずコンセプトや色などバリエーション豊富だから。アイシャドウは特に自分好みの色が多いから。(20代前半)
パッケージだけでなく、アイシャドウにも柄がデザインされていたり、細かいところまで可愛かったりおしゃれだったりするので好きです。(20代後半)
中華コスメ独特のパレットの色の組み合わせ・発色に「新しい色の組み合わせを試してみよう!」と好奇心を刺激されるから。(30代後半)
煌びやかでデザイン性の高いパッケージや、パウダーに刻印が施された見た目のかわいらしさといった中華コスメの特徴は、ユーザーが魅力に感じる大きな要因のひとつであるようです。
また特筆すべきは、LIPS内で大きな影響力を持つインフルエンサー集団こと『Project LIPS』のメンバーをはじめとした美容感度が高い人ほど中華コスメへの関心が高い傾向にあること。日本や韓国のアイテムにはない"中華コスメ独自の色味や発色"に魅力を感じている人が多い印象でした。
■2-2、ベースメイク編
ベースメイクについては、メイクの仕上がりを格上げしてくれるアイテムであるハイライト(23%)やフェイスパウダー(18%)が、それぞれ1位・2位という結果に。
「ハイライト」を選んだ人の声
ラメ・パール感のないマットなハイライトが多いイメージで日本のハイライトとは違う感じがする。(20代後半)
中華風メイクは色白で発光感があるイメージだから、きれいなツヤのハイライトがありそう。(20代後半)
ツヤですっ!!って主張の強いツヤ感は中華コスメの右に出るものはないと思っています。(30代前半)
ハイライトに人気が集まった要因として、現在トレンドの中華メイクが影響しているようです。そして、マットな質感に仕上げたベースの上から、ハイライトを重ねるのが主流のメイク法。
中華コスメのハイライトは、肌の内側から発光しているような肌を意味する「水光肌」の仕上がりを楽しめるアイテムが豊富であることから、多くの支持を集めたようです。
■2-3、スキンケア編
スキンケアに関しては、ポイントメイク・ベースメイクに比べると、まだ使用したことがない人は多いことがうかがえます。お試ししたことがある人に限ると、10代、40代以上を中心にシートマスクに支持が集まる結果となりました。
「シートマスク」を選んだ人の声
成分のこだわりだけでなく、香りなどにもこだわってる気がするので選びました。(20代後半)
中華美人のつるん、つんっ!としたお肌に憧れているから。(30代後半)
基礎化粧品を変えるのは不安なので、まずはシートマスクから試してみたい。(20代後半)
中華コスメのスキンケアについて、自然派で成分にこだわっているというイメージを抱く人が多いことがわかりました。また、第2の韓国コスメのシートマスクとなりうるアイテムを発掘するような感覚で、さまざまなシートマスクをお試しする人が一定数いるようです。
一方で、中華コスメのスキンケアについては、まだ日本国内のクチコミが少なく、少ない数量から購入できるシーとマスクをお試し的に購入したという声も挙がっていました。
3、続いて、「台湾コスメ」に対するリアルな意見をウォッチ!
「中華コスメ」と同様に、ポイントメイク・ベースメイク・スキンケアについてのアンケートを実施。また、各項目で「台湾コスメを使用したことがない」という回答が半数を超えているため、使用したことがないと回答した背景についても注目していきます。
■3-1、ポイントメイク編
全体の約3割の人がアイシャドウを選択。次いで、10代の若い世代を中心に、リップへの票も集まる結果となりました。
「アイシャドウ」を選んだ人の声
台湾のメイクは鮮やかで気が強そうな感じはするが、どこか儚い雰囲気に仕上がるから。(10代前半)
ラメ感がとても綺麗。大粒なのもいい。(20代後半)
カラー展開が好みのものが多い。日本や韓国などの定番であまり見ないような寒色系カラーもある印象。(30代前半)
アイシャドウを選んだ人は、台湾コスメの発色がよさが1番のお気に入り。次点で「大粒ラメ」を評価する声が集まりました。
また、現在は「水蜜桃メイク」など淡色がポイントとなるメイクが流行していますが、トレンドに左右されず自分好みのメイクを楽しみたい人に支持されているようです。
台湾コスメ(ポイントメイク)を使用したことがない人の声
台湾のメイクアップアイテムが出ているイメージが無く、使用したことがありませんでしたが、アイシャドウは気になっています。(30代前半)
使ってみたいが、売っているのを見たことがない。(40代以上)
ポイントメイクを使ったことがなくても、台湾コスメのアイテムに興味を抱く人は一定数いることがわかりました。
また、試してみたいと思ってはいるものの、どこで購入できるのかがわかりづらく、使用機会につながっていないケースもあるようです。
■3-2、ベースメイク編
台湾のベースメイクについては、ファンデーション、フェイスパウダー、ハイライトなど、それぞれのアイテムに人気が分散する結果となりました。
その中で、僅差ではありますが1番人気に輝いたのはファンデーションでした。
「ファンデーション」を選んだ人の声
日本より高温多湿なイメージがあり、崩れに強そうだから。(30代前半)
使っていてファンデーションが落ちにくい。汗などに強いので困ることがあまりない。(10代後半)
カバー力があるけど厚塗り感が無いものが多くて魅力的だなと思います!(30代後半)
崩れにくさ・落ちにくさ・よれにくさを重視する人を中心に、台湾コスメのファンデーションが支持されていることが判明。また、日本よりもさらに高温多湿な環境である台湾発のコスメブランドということで、ベースメイクアイテムの機能性に期待する人は多いようです。
台湾コスメ(ベースメイク)を使用したことがない人の声
何が良いか分からず、イメージが湧かないため。(30代前半)
生活圏で取り扱いがなく実物を見たことがない、特徴がわからない。(40代以上)
「台湾コスメを使用したことがない」と回答した人の大半が、商品を実際に目にしたことがなく、ブランドやアイテムに対する理解が今ひとつであるようです。その結果として商品の魅力が認知されず、使用するきっかけがない人が多く見受けられました。
■3-3、スキンケア編
ベースメイクについては、お試しした人の中で、シートマスク(14%)、美容液(6%)の順に支持されているアイテムということがわかりました。
「シートマスク」を選んだ人の声
ヴィーガンコスメが多いから、軽い使い心地でベタつきにくく好みの使い心地だから。(30代後半)
スペシャルケアとして使用しています。敏感肌にも優しくてベタつかないのに保湿力があってメイク前にも使いやすい。(40代以上)
旅行に行った際にシートマスクを購入し、とても満足したので、そのブランドのシートマスクが日本で購入出来るようになったらいいなとずっと思っています。(30代前半)
台湾コスメのシートマスクについては、敏感肌の人たちからの支持が厚い印象です。「ヴィーガン」「ドクターズコスメ」の2点を押さえた「DR.WU(ドクターウー)」のアイテムがいいという声が集まりました。
また、旅行のお土産をきっかけとして、台湾コスメのシートマスクを愛用する人もいるようです。「我的美麗日記(ワタシノキレイニッキ)」は台湾コスメのシートマスク通の中では、定番のアイテムとして知られているようです。
台湾コスメ(スキンケアメイク)を使用したことがない人の声
気にはなっているがレビューが少なくて買うには至っていない。(30代前半)
台湾スキンケアをチェックしていないため分からない。(20代後半)
スキンケアは日本製か韓国製のものだけを使いたい。(10代後半)
台湾コスメのスキンケアについては、「DR.WU」「我的美麗日記」などの代表的なブランドでも、まだ名前を知らない人のほうが多数派であるようです。
そういった状況もあり、基礎スキンケアとして積極的に取り入れるべき理由が見当たらないことから、選択肢のなかでもっとも気軽に試しやすい「シートマスク」に票が集まったと推測されます。
4、まだまだ伸び代の大きい「タイコスメ」のリアルを調査
今回調査した3つの国の中で、もっとも「使用したことがない」という回答が集まった「タイコスメ」。その分、市場拡大の伸び代も大きいことがうかがえます。タイコスメについても、使用経験のない人のインサイトについて考察していきます。
■4-1、ポイントメイク編
中華コスメ、台湾コスメと同様に、ポイントメイクはアイシャドウ・リップの2アイテムに人気が集中する傾向にあるようです。
「アイシャドウ」を選んだ人の声
粉飛びすることなく、まぶたにしっかり密着してくれるから。(30代前半)
マスク生活がいくら緩和されたとしても必須な所はあります。1番目を引くのは目。その為、アイシャドウでパッと華やかな目元を演出したい!(40代以上)
アンニュイな色気のある目元に仕上げてくれて、鮮やかな暖色が印象的で、気の強い女性像を演出するには必要不可欠なアイテムだから。(10代前半)
タイのアイシャドウの特徴として、高発色・独自の色味が挙げられます。
中には、どのアイシャドウを使用してもきれいに発色しないという悩みに対して、タイコスメのアイシャドウはしっかりと発色してくれることから、レスキューアイテムとして頼っている人も。
タイコスメ(ポイントメイク)を使用したことがない人の声
ポイントメイクを出しているタイのブランドを知らない。(30代前半)
東南アジアの濃いメイクが苦手で顔が薄いので合わなさそうだと感じたから。(10代前半)
私はあまりにも日本と気候や環境が違い過ぎる国での製品は肌に合うのかどうかが不安なので、手を出すまでに時間が掛かりそうです。(30代前半)
タイコスメはしっかりとした発色が長続きしてくれるアイテムが豊富である一方で、ビビッドな色合いのメイクを普段しないという人からすると、タイコスメの購入や使用には、ハードルを感じやすいようです。
■4-2、ベースメイク編
タイコスメのベースメイクの魅力は、「崩れにくさ」の一点に尽きるようです。実際にフェイスパウダー(12%)、ファンデーション(8%)に票が集まった理由として、崩れにくいうえ、メイクを長時間キープできるなどが挙げられています。
「フェイスパウダー」を選んだ人の声
実際に今使用してるのがタイコスメのパウダーなのですが、崩れにくさがだんとつで良くてお気に入りです。(20代後半)
タイの高温多湿な気候に合わせて作られているから崩れやメイク落ちの心配がとにかくないから!(20代前半)
白浮きせず肌をきれいに見せることができるから。(10代後半)
フェイスパウダーを評価する意見として、「崩れにくさ」が大多数を占めていました。
高温多湿のタイで生まれたコスメならではの、崩れに強くよれにくいアイテムへの信頼は厚いようです。
タイコスメ(ベースメイク)を使用したことがない人の声
タイコスメの、ベースメイクを店頭であまり目にしないため、比較参考にできていないため使用したことがない。(20代後半)
全成分を理解した上で使用したいから。(30代後半)
タイコスメは気にはなるが、他のアジア系コスメに比べて優先順位が低い。(30代後半)
一方で、崩れにくさをそこまで重視していない層にとっては、タイコスメの優先度は高くないことがわかりました。
また、店頭で見かける機会があまりないことから、ブランドやアイテムへの理解がいまひとつであることもうかがえます。
■4-3、スキンケア編
スキンケアに関しては、今回の調査の中で「使用したことがない」という回答が最多となりました。その中で、もっとも支持を集めたシートマスクについては、さっぱりとした使用感や美白ケアを魅力と捉える人が多い印象です。
「シートマスク」を選んだ人の声
独特な成分などが多いイメージで、使うのがワクワクします。(20代後半)
軽い使い心地で、フルーティな香りのものが色々あって選ぶのが楽しいから。(30代後半)
美白に特化したものが多くて、コスパも良いから最高!(20代前半)
タイコスメならではの独自成分や使用感を楽しみたい人に重宝されているようです。また、美白ケアに特化したアイテムが多いことから、タイコスメのシートマスクを頼っているという声も届いています。
タイコスメ(スキンケア)を使用したことがない人の声
タイコスメはボディケアが良さそうだと思っています。(30代前半)
スキンケアは日本製と欧米製が基準や認証がしっかりしていると思うので、そちらを使いたいです。(40代以上)
敏感肌のため、不安があり使用したことがない。(20代後半)
タイコスメのスキンケアならではの独自成分が魅力である一方で、敏感肌や慎重派の人にとってはやや使用ハードルが高いことがうかがえます。
日本でも広く受け入れられるには、「日本処方のものを作る」「日本人に対して肌テストを行ったことをアピールする」など、コミュニケーションの工夫が必要かもしれません。
5、日本市場拡大のカギは、「カテゴリ特化」「お土産コスメ」の2軸あり
今回の調査では、中華、台湾、タイコスメいずれもポイントメイクでは「アイシャドウ」が人気トップ、そしてスキンケアはどのカテゴリにおいてもまだまだ伸び代が大きい状況のなかで「シートマスク」が選ばれる傾向にあることがわかりました。
カテゴリ特化が、"第一想起"獲得への近道
その国ならではの文化や色合いなどの特徴がしっかりと反映された商品が展開され、そして気軽に楽しみやすいアイテムであることが、今回の調査でアイシャドウに人気が集まった要因と考えています。
また「コスメをひとつだけ選ぶとしたら?」という質問に対し、特にアイシャドウについては、選んだ理由に特定のブランド名が挙げる回答が多く集まり、そして列挙されたブランド名は重複する傾向にありました。これらをふまえ、特定の"ブランドを代表するアイテム"をまずはしっかりと定着させることが、ブランド・アイテムのファンを獲得するための近道なのではないでしょうか。
"台湾のアイシャドウといえば〇〇"、"タイのリップといえば〇〇"といった形で、カテゴリに特化した定番アイテムへと育てるためには、ブランドやアイテムの訴求、およびアイテムをお試しする機会を創出することが重要であると考えます。
お土産コスメの機運ありか
今回の調査では、アジアンコスメを使用したことがないと回答した理由として「店頭で見かけないから使うきっかけがなかった」という声が多く集まりました。これらを受け、ブランドやアイテムの認知を得るには、店舗販売やテスターなど実際にお試しする機会が求められている状況であると言えます。
また注目すべきは、中華・台湾・タイ、いずれもスキンケアにおいてはシートマスクを使用したいと考えている人がもっとも多いということ。スキンケアのカテゴリではもっとも気軽に使いやすく、購入ハードルも低いことがわかりました。中には、旅行のお土産としてシートマスクを試したところ、とてもよかったといった理由で使い続ける人もいるほどです。
今後は円安の影響で、台湾などの近場への旅行が盛り上がることが予想されます。過去の韓流ブームが、歴史的ウォン安がきっかけのひとつとして大きな波がきたように、これからの経済状況は、アジアンコスメが日本市場を拡大するうえで追い風になるのではないでしょうか。今のうちからお土産コスメとしてシートマスクを充実させることは、ブランドやアイテムの認知獲得につながる有効な手段のひとつとなりうるかもしれません。
※こちらの内容は、『LIPS labo』のnoteからもご覧いただけます。
https://note.com/lips_labo/n/n5f09021881b4
(過去の調査についても、ぜひ合わせてご覧ください)
調査結果詳細
調査方法:アンケート調査
調査期間:2023年7月19日(水)~7月26日(水)
調査対象:LIPSユーザーである10代〜50代の男女
対象者数:1,470名
引用時のお願い
本調査分析を転載ご利用いただく場合は、出典元として下記のような記載お願いいたします。
例:「『LIPS』による調査」「『LIPS』調べ」など
LIPSについて
2017年1月にサービスをローンチし、2021年には「コスメ・メイクのクチコミ検索アプリダウンロード数No.1」(出典:App Annie 日本国内 iOS & Android、合計:2021年1月〜12月)を記録。2022年10月には「なりたい自分を、もっと自由に。」のコンセプトを体現するロゴへリデザイン。性別・世代を問わず、メイクや美容を通じて個々人の「幸せ」や「なりたい姿」を自由に追求できるプラットフォームに。さらに2023年1月には累計1,000万ダウンロードを突破。メイクやスキンケアに関する商品レビューやユーザー間コミュニケーション、人気ランキング、新商品情報やプレゼント企画など様々な機能やコンテンツを無料で提供しております。
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社名:株式会社AppBrew
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代表取締役:深澤雄太
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