Hyundai MotorがCES 2024でモビリティを超えた水素エネルギーとソフトウェアのソリューションのビジョンを発表
・「Ease every way」をテーマに、Hyundaiが水素エネルギーを活用した人間中心の主要なライフイノベーションおよびソフトウェアとAIへのコミットメントをアピール
・製造から貯蔵、輸送、利用までのHTWOの水素バリューチェーンソリューションを紹介
・グリーン水素製造のためのメガワット級PEM電解槽の開発と資源循環型水素製造法の詳細について説明
・Hyundai Motor Groupは2035年までに年間300万トンの水素をオフテイクする計画
・ソフトウェアとAIにより車両やフリート、輸送システムを定義する「ソフトウェア・デファインド・エブリシング」(SDx)戦略を導入
・車両開発プロセスにソフトウェア開発手法を取り入れることによるSDV開発を計画
・カスタマイズされた各種フリート管理サービスとリアルタイムのデータ分析を提供することで、フリート運用とインサイト獲得のためのソフトウェアソリューションをビジネス顧客に拡大
・SDxへの移行では最終的にユーザーやデバイス、街がすべて相互につながり、transportation-as-a-service(サービスとしての交通手段)が全員に提供されることを目指すとアピール
・Hyundaiは、1月9日から12日までラスベガス・コンベンション・センターにて、水素バリューチェーンや「廃棄物から水素」の手法、SDVテクノロジー、未来のモビリティを展示
ラスベガス、2024年1月8日発表–Hyundai Motor Company(以下、同社)は本日、CES2024にて、モビリティ用途にとどまらない、水素やソフトウェアを活用した変革のビジョンについて発表しました。「Ease every way」をテーマに、米国ラスベガスのマンダルレイ・ベイ・コンベンション・センターにてMedia Dayを開催し、水素エネルギーを活用したエコシステムの将来図とソフトウェアとAIのビジョンについて紹介しました。
ブランドビジョンである「Progress for Humanity」とも一致する「Ease every way」というテーマは、自由、安全、公正という3つの中核的かつ普遍的な価値をグローバルコミュニティに提供することで快適で平和な生活環境を創造するという同社の目標を反映したものになっています。物理的有用性という価値を超えてテクノロジーのさまざまな制限をなくし、ソフトウェアセキュリティによるコミュニティの安全確保や水素活用による温室効果ガス排出量の削減、クリーンエネルギーと各種関連サービスの公正な利用の実現など、多様な側面を持つ複雑な日々の生活に対応します。
「Hyundaiでは、科学と人間性は表裏一体であると考えています。つまり高度なテクノロジーは人々の生活をより良くするものでもあるべきなのです。クリーンな水素は、あらゆるものに電力を供給し、あらゆる場所で利用できる、すべての人のものであるべきです」と、同社President&CEOの張 在勲(チャン・ジェフン)は述べました。
「私たちは、人類に現実的かつポジティブな影響を与えているかどうかで進歩を測定します。CES 2024の当社のテーマである『Ease every way』は途方もない挑戦です。しかし、56年の歴史の中でチャレンジ精神が当社のDNAに埋め込まれています。この精神は、本日発表した水素とソフトウェアによる数々の変革を通じて今後も受け継がれていくでしょう」と、同社の社長兼グローバル最高執行責任者(COO)のJosé Muñoz(ホセ・ムニョス)は述べました。
水素の製造、貯蔵、輸送、利用のための革新的ソリューション
Hyundai Motor Group (以下、同グループ)は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するというコミットメントをすでに発表しています。これは同グループの海外工場では2045年まで、すべてのグループ企業では2050年までに100%再生可能エネルギーの使用を達成するというRE100達成に向けた明確なロードマップにより裏付けられています。水素エネルギーはこれらの目的を達成する上で重要な役割を果たしていきます。
創業から現在までの年数の半分近くの間、Hyundaiは水素エネルギーの利用に向けた動きの最前線に立ち続け、世界初の量産型燃料電池電気自動車(FCEV)など、多くの「世界初」を達成してきました。そして現在は水素自動車の分野で世界トップのシェアを誇っています。
水素は、燃料として使用する場合の副産物が水のみというクリーンなエネルギー源であり、Hyundaiの持続可能性ロードマップにおいて非常に重要な役割を果たしています。また、貯蔵と配電にさまざまな利点があり、世界中で再生可能エネルギーの利用を最大限に増やすことが可能です。Hyundaiは、クリーンで入手しやすい水素は持続可能な未来への道だと考えています。
Hyundaiの水素ソリューションは、乗用車やトラック、バスだけでなく、路面電車や特殊機器、船舶、発電機、高度なエアモビリティにも利用できます。Hyundaiは、水素オフテイカーの第一人者としてエネルギー転換を推進しています。
水素エネルギーに取り組んでいるのはHyundaiだけではありません。2023年6月に米国は、クリーン水素の製造、処理、配送、貯蔵、利用を加速するための国家クリーン水素戦略とロードマップを発表しました。また、12月のCOP28では、国際水素貿易フォーラムと水素評議会が、化石燃料からの移行に向けて水素の商業化を加速するための一連の最重要イニシアチブを立ち上げました。
Hyundaiは、水素に対するコミットメントをさらに強調するために、HTWOの範囲を、燃料電池システムのブランドから同グループの水素バリューチェーンビジネスのブランドへ拡大することをアピールしました。現在、同グループの事業と関連会社もHTWOに取り組んでおり、製造・貯蔵から輸送・利用に至るまでのクリーンな水素バリューチェーン全体の各段階に対処しています。HTWOは、Hyundaiの燃料電池事業の2本柱である「水素」(Hydrogen)と「人間性」(Humanity)を表しています。
HTWO事業では、自動車や部品、鉄鋼、建設、エアモビリティ、船舶、ロボティクス、未来テクノロジーなど、さまざまなセクターにおける同グループの多岐にわたる能力を活用し、水素バリューチェーンの4つのコア領域(製造、貯蔵、輸送、利用)に重点的に取り組んでいます。同グループの関連会社がバリューチェーン全体に配されており、エンドツーエンドのカスタマイズ水素ソリューションの開発を可能にする水素グリッドを形成しています。
これまで、自動車メーカーは車両の利用に重点を置き、エネルギーの製造や貯蔵、輸送は他の産業が担ってきましたが、この方法は、エネルギートランジションの過程を遅らせるだけでなく、難しいものにしてきました。そこでHyundaiは、こうした限界を克服する手段としてグループ全体が持つ水素を効率よく利用するための能力を結集・統合することで、エネルギートランジションに革命を起こし、水素社会の構築を加速させることを目指しています。
サステナビリティプレイヤーというHyundaiの新たなアイデンティティは、自動車会社というアイデンティティの上に築かれています。同社は、水素のオフテイクを奨励することで水素社会の構築に貢献することを目標の1つに掲げています。同グループは、HTWOブランドを通じて2035年までに年間300万トンの水素をオフテイクする計画で、クリーンロジスティクスやグリーンスチール製造、発電などの企業に電力を供給するとしています。
プレゼンテーションの中で、専務取締役兼水素燃料電池・バッテリー開発責任者の Chang Hwan Kim(キム・チャンファン)専務は、「Hyundaiは、グリーン水素製造のためにメガワット級の高分子電解質膜(PEM)電解槽製造機能も開発しており、これは今後数年以内に商業化される予定です」と説明しました。Hyundaiは燃料電池システムの部品を共有することで、既存のPEM技術より競争力のある価格を実現する計画です。現在のPEM電解槽の市場価格は、アルカリ電解槽のおよそ1.5倍ですが、部品の共有によりアルカリ電解槽の価格を下回ると確信しています。
さらに同グループは、環境汚染物質をクリーンな水素に変えることを目的とした、資源循環型水素製造技術にも注力しています。Hyundaiでは、「廃棄物から水素へ(Waste-to-Hydrogen)」(W2H)と「プラスチックから水素へ(Plastic-to-Hydrogen)」(P2H)という2種類の資源循環技術に取り組んでいます。W2Hでは、食品や汚泥、家畜の糞尿などの有機廃棄物を発効させてバイオガスを生成、このバイオガスを処理して二酸化炭素を取り除き、水素を製造します。一方のP2Hは、リサイクルできない廃プラスチックを溶かし、溶融したプラスチックをガス化して不要な元素を取り除き、水素を製造します。
Hyundaiは世界各国でさまざまな水素プロジェクトに積極的に関与していますが、最初に関与した国はインドネシアです。インドネシアでは、カーボンニュートラル達成のための極めて重要な道筋としての水素への関心が高まっています。まずはローカルで水素を採用することにより、この新たなエネルギー源を地方レベルで受け入れやすくし、インドネシア全体で水素エコシステムの確立を推進することが必要です。
インドネシアにおいてHyundaiは、ローカルコミュニティから出た廃棄物を活用する「廃棄物から水素へ(Waste-to-Hydrogen)」からスタートしています。この方法では、市ごとの水素製造ミニハブを構築できるため、水素を輸送・貯蔵する必要がなくなります。さまざまなオフテイカーが参入することで地域のハブ周辺に水素産業クラスターが形成され、その結果、水素社会の成長が促されるでしょう。
現在Hyundaiは、インドネシアと提携して、西ジャワ州でHTWOグリッドソリューションを展開するのに適した場所を積極的に探しています。このことはインドネシアだけでなく、長期的にはASEAN市場にも利益をもたらすでしょう。その中で水素は、カーボンニュートラルのムーブメントと経済発展の両方を推進する上で非常に大きな役割を果たす可能性があります。
Hyundaiは、米国において複数の水素関連実証プロジェクトにも積極的に参加しており、その中で、水素エネルギーの利用を中心としてHTWOグリッドソリューションを適用することを計画しています。北カリフォルニアのNorCAL ZEROプロジェクトへの参加もその1つです。このプロジェクトでは、Hyundaiの燃料電池トラックXCIENTが30台参加し、オークランド港の脱炭素化を支援します。さらに同グループは、米国政府による70億ドル規模の水素インフラ開発の取り組みの一環である「Regional Clean Hydrogen Hub(地域クリーン水素ハブ)」プログラムにも参加することになっています。
Hyundai は、個々の顧客のニーズに合わせた水素ソリューションを積極的に開発しています。ジョージア州では、Hyundai Motor Group Metaplant America(HMGMA)における水素モビリティバリューチェーンの開発を中心とした、Clean Logistics Project(クリーン・ロジスティクス・プロジェクト)に取り組んでいます。ジョージア州に建設中のこの電気自動車(EV)専用工場で、年間で最大30万台のEVを生産する見込みです。また、このプロジェクトを通じて、Metaplantは包括的な水素バリューチェーンを統合することになっており、まずはXCIENT燃料電池トラクターの展開から始めて同工場のロジスティクスを管理していきます。Hyundai は、水素インフラの基盤構築を目指し、グループのカウンターパートの支援を受けて、その利用を通じてこのプロジェクトを開始しています。
ジョージア州のさまざまな業界やセクターとHyundaiとの協業は大きな影響を与えるものと予想され、多様な利害関係者がこの水素バリューチェーンに参加を希望しています。この協業は、州内の経済成長を促し、雇用機会を創出すると期待されています。
「Hyundaiには水素に関する豊富な実績があります。そのためジョージア州の人々は目の前に提示されているこの素晴らしい機会をより明確に理解することができています。こうした進歩により、ジョージア州では経済成長が促進され雇用機会が創出されるでしょう。これから、さまざまな業界やセクターでクリーンテクノロジー拡大のために協力し合うことを楽しみにしています。Hyundaiはすでに、さまざまな形で実際にクリーンテクノロジーを利用しているので、ジョージアもそのようなHyundaiと未来を共にすることを嬉しく思っています」と、ジョージア州経済開発局のPat Wilson(パット・ウィルソン)長官は述べました。
※ここから先は添付のプレスリリースをご確認ください。
https://prtimes.jp/a/?f=d95868-113-c8f03ce80da5c9ba6f9433abb59fc91f.pdf
Hyundai(ヒョンデ)について
1967年に設立されたHyundai Motor Companyは、世界200ヵ国以上で事業を展開し、12万人以上の従業員を雇用しており、世界中のモビリティに関する現実的な課題に取り組んでいます。ブランドビジョンである「Progress for Humanity」に基づき、Hyundai Motorはスマートモビリティ・ソリューション・プロバイダーへの転換を加速しています。Hyundaiは、革新的なモビリティソリューションを実現するために、ロボティクスやAdvanced Air Mobility(AAM)などの先進技術に投資し、未来のモビリティサービスを導入するためのオープンイノベーションを追求しています。世界の持続可能な未来のために、Hyundai Motorは業界をリードする水素燃料電池と電気自動車技術を搭載したゼロエミッション車を導入するための努力を続けていきます。
Hyundai Motor Companyとその製品に関するより詳しい情報は、以下をご覧ください。
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