ライオンと日立がDXで製品開発時間を短縮ハミガキの製造プロセス上の課題を事前予測し、最適組成を自動提案するシステムを開発
ライオン株式会社(代表取締役社長 掬川 正純 以下、ライオン)と株式会社日立製作所 (執行役社長兼 CEO 小島 啓二 以下、日立)は、研究所で開発した新たなハミガキの組成をもとに、実際に工場で生産する際に生じる課題を事前に予測し、製造プロセス上最適な組成情報や物性情報の案を自動提案するシステムを開発しました。先進デジタル技術を活用した本システムをさらに他の課題にも適用して運用することで、最大約40%の製造プロセス検討時間の削減が見込まれるため、ハミガキの製品開発のスピードアップが期待されます。
ライオンは、本システムの運用により製品開発の効率化を図るとともに、効率化により創出された時間を、生活者のニーズ探索やそれに基づく技術・製品開発などに活用し、新たな価値を創造して参ります。日立は、ヘルスケアにおける製品の高付加価値化に貢献し、消費財産業などの幅広い業種への展開とDX推進を加速していきます。
■背景
ライオンは、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」をパーパスに掲げ、新たな価値創出に向けた取組みを推進しています。しかしながら、多様化する生活者のニーズに寄り添った高品質な製品の開発には、開発の中で蓄積された経験や知識と一定の時間が必要で、検討確度の向上や開発のスピードアップが急務な状況でした。
一方、日立は、コンピュータ解析により新材料や代替材料を効率的に探索するマテリアルズ・インフォマティクス(MI)を適用した「材料開発ソリューション※1」を、Lumada※2ソリューションの一つとして展開しており、化学・素材産業を中心に40社72事例の実績を有し、研究開発の期間短縮などに貢献してきました。
今回、ライオンの主幹事業であるハミガキの開発において、製造プロセス※3を開発する際に課題となる“移送性※4”の解決に向けて、日立の「材料開発ソリューション」を活用導入することによる、業務効率化に取り組みました。
※1:「材料開発ソリューション」:MIによるお客さまの新材料の開発を支援するサービス。材料開発に関する膨大なシミュレーションデータや実験データの可視化・高速な分析を容易に行うことができるクラウドサービス「材料データ分析環境提供サービス」、日立が材料データをお預かりして、お客さまの研究開発に最適なAIなどを開発し、分析を代行する「材料データ分析サービス」などを提供。https://www.hitachi.co.jp/app/mi/
※2:Lumada:お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進
的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。https://www.hitachi.co.jp/lumada/
※3:研究所において、ビーカーサイズで開発した組成を、工場の大型スケールでも生産できるように最適な製造プロセス条件を開発すること。
※4:製造プロセス中の配管や充てん機におけるハミガキの流れやすさを示す度合い。移送性が悪いと、ハミガキを製造した後に個々のチューブに充填されにくくなってしまう。ハミガキは複雑な物性を示すため、移送性を研究段階で予測することは難しく、工場での生産に向けた製造プロセス開発で初めて明らかになることも多かった。そのため、研究所での組成開発の再検討が多発し、時間を要していた。
■課題事前予測&最適組成自動提案システムの概要
ライオンが長年培ってきた「ハミガキの製品開発の知見」、「原料配合量の組み合わせ」や「物性測定データ」などのサンプルデータに、日立のMI技術を適用して物性を予測するモデルを構築しました。
本モデルを活用して、研究所で新たに開発したハミガキの組成や物性の情報から移送性を事前予測するとともに、移送性の情報などの目標とするハミガキの物性値から逆解析することで最適な組成情報や物性情報の候補を自動で提案するシステムです。
<特徴>
本システムの導入により、組成開発の初期段階で、製造プロセス工程の課題を事前予測することが可能となるため、製造の妨げとなる事象の発生率低下に大きく貢献することができます。さらに、他の課題についても適用範囲を広げていくことで、最大で従来の開発業務時間の約40%を削減できると見込んでいます。
■今後について
ライオンは、本システム導入によって新たな付加価値をつけた製品開発をさらに加速させます。また、本システムをより多くの生産課題や品質予測に活用するほか、他製品の製造プロセスへの応用を視野に検討を進めてまいります。今回の取り組みのように、ライオンの事業領域で培われた技術と、社外共創による新たな技術を融合することにより、当社ならではの新たな価値を提案してまいります。
日立は、本取り組みを通じて得た技術・ノウハウを活用して、化学・素材産業はもとより生活用品・医薬品産業など幅広い業種へ展開し、お客さまのDX推進支援により社会・環境・経済価値の向上に貢献していきます。
【企業概要】
◆ライオン株式会社
ライオングループは、「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を経営ビジョンに掲げ、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」を企業のパーパス(存在意義)として活動を行っています。今後も、先進的な技術の活用や社内外連携による共創の取り組みをさらに加速させ、当社ならではの新たな価値を創出し、社会に提供してまいります。
コーポレートサイトURL https://www.lion.co.jp/
研究開発サイトURL https://www.lion.co.jp/ja/company/rd/
◆株式会社日立製作所
日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。
ウェブサイトURL https://www.hitachi.co.jp/
■お問い合わせ先
株式会社日立製作所 公共システム営業統括本部
カスタマ・リレーションズセンタ [担当:猿田]
〒140-8512 東京都品川区南大井六丁目23番1号 日立大森ビル
https://www.hitachi.co.jp/public-it-inq/
以上
ライオンは、本システムの運用により製品開発の効率化を図るとともに、効率化により創出された時間を、生活者のニーズ探索やそれに基づく技術・製品開発などに活用し、新たな価値を創造して参ります。日立は、ヘルスケアにおける製品の高付加価値化に貢献し、消費財産業などの幅広い業種への展開とDX推進を加速していきます。
■背景
ライオンは、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」をパーパスに掲げ、新たな価値創出に向けた取組みを推進しています。しかしながら、多様化する生活者のニーズに寄り添った高品質な製品の開発には、開発の中で蓄積された経験や知識と一定の時間が必要で、検討確度の向上や開発のスピードアップが急務な状況でした。
一方、日立は、コンピュータ解析により新材料や代替材料を効率的に探索するマテリアルズ・インフォマティクス(MI)を適用した「材料開発ソリューション※1」を、Lumada※2ソリューションの一つとして展開しており、化学・素材産業を中心に40社72事例の実績を有し、研究開発の期間短縮などに貢献してきました。
今回、ライオンの主幹事業であるハミガキの開発において、製造プロセス※3を開発する際に課題となる“移送性※4”の解決に向けて、日立の「材料開発ソリューション」を活用導入することによる、業務効率化に取り組みました。
※1:「材料開発ソリューション」:MIによるお客さまの新材料の開発を支援するサービス。材料開発に関する膨大なシミュレーションデータや実験データの可視化・高速な分析を容易に行うことができるクラウドサービス「材料データ分析環境提供サービス」、日立が材料データをお預かりして、お客さまの研究開発に最適なAIなどを開発し、分析を代行する「材料データ分析サービス」などを提供。https://www.hitachi.co.jp/app/mi/
※2:Lumada:お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進
的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。https://www.hitachi.co.jp/lumada/
※3:研究所において、ビーカーサイズで開発した組成を、工場の大型スケールでも生産できるように最適な製造プロセス条件を開発すること。
※4:製造プロセス中の配管や充てん機におけるハミガキの流れやすさを示す度合い。移送性が悪いと、ハミガキを製造した後に個々のチューブに充填されにくくなってしまう。ハミガキは複雑な物性を示すため、移送性を研究段階で予測することは難しく、工場での生産に向けた製造プロセス開発で初めて明らかになることも多かった。そのため、研究所での組成開発の再検討が多発し、時間を要していた。
■課題事前予測&最適組成自動提案システムの概要
ライオンが長年培ってきた「ハミガキの製品開発の知見」、「原料配合量の組み合わせ」や「物性測定データ」などのサンプルデータに、日立のMI技術を適用して物性を予測するモデルを構築しました。
本モデルを活用して、研究所で新たに開発したハミガキの組成や物性の情報から移送性を事前予測するとともに、移送性の情報などの目標とするハミガキの物性値から逆解析することで最適な組成情報や物性情報の候補を自動で提案するシステムです。
<特徴>
<システム導入後の期待>
本システムの導入により、組成開発の初期段階で、製造プロセス工程の課題を事前予測することが可能となるため、製造の妨げとなる事象の発生率低下に大きく貢献することができます。さらに、他の課題についても適用範囲を広げていくことで、最大で従来の開発業務時間の約40%を削減できると見込んでいます。
■今後について
ライオンは、本システム導入によって新たな付加価値をつけた製品開発をさらに加速させます。また、本システムをより多くの生産課題や品質予測に活用するほか、他製品の製造プロセスへの応用を視野に検討を進めてまいります。今回の取り組みのように、ライオンの事業領域で培われた技術と、社外共創による新たな技術を融合することにより、当社ならではの新たな価値を提案してまいります。
日立は、本取り組みを通じて得た技術・ノウハウを活用して、化学・素材産業はもとより生活用品・医薬品産業など幅広い業種へ展開し、お客さまのDX推進支援により社会・環境・経済価値の向上に貢献していきます。
【企業概要】
◆ライオン株式会社
ライオングループは、「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を経営ビジョンに掲げ、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」を企業のパーパス(存在意義)として活動を行っています。今後も、先進的な技術の活用や社内外連携による共創の取り組みをさらに加速させ、当社ならではの新たな価値を創出し、社会に提供してまいります。
コーポレートサイトURL https://www.lion.co.jp/
研究開発サイトURL https://www.lion.co.jp/ja/company/rd/
◆株式会社日立製作所
日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。
ウェブサイトURL https://www.hitachi.co.jp/
■お問い合わせ先
株式会社日立製作所 公共システム営業統括本部
カスタマ・リレーションズセンタ [担当:猿田]
〒140-8512 東京都品川区南大井六丁目23番1号 日立大森ビル
https://www.hitachi.co.jp/public-it-inq/
以上
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