食品や日用品の裏に潜む児童労働・強制労働を調査したレポートを発表
アムネスティ・インターナショナルは2016年11月に、アイスクリームやチョコレート、スープ、歯磨き、化粧品、シャンプーなど食品や日用品の原材料であるパーム油生産最大手傘下のアブラヤシ農園を調査し、危険で過酷な労働を強いられている実態を告発しました。調査報告書の日本語版が完成しましたので、ご案内します。
調査では、インドネシアのカリマンタンとスマトラにある2つの子会社農園とサプライヤー3社の農園で働く120人に聞き取りを行いました。以下は、調査で明らかになった実態の、一例です。
●非常に高いノルマを課せられ、ノルマ未達は減給。そのため、長時間労働をせざるを得ず、時間外手当はほとんどない。1日12時間週7日働いても、法で定められた最低賃金に届かない労働者もいる。
●女性のほとんどが正規雇用されず、日雇い労働に従事。年金や健康保険もない。立場が弱いため、ノルマ達成まで帰してもらえなかったり、ノルマを達成できないと次の仕事をもらえなかったりする。一斉に解雇されたケースもある。不満を言うと賃金を引き下げると脅される。
●農場で働く親の低賃金を補うため、あるいはノルマ達成を助けるために、子どもが危険な重労働をしている。学校をやめて働いている子もいる。中には、8歳から働く子どももいる。
●パラコートと呼ばれる非常に毒性の強い除草剤が、EUや親会社が禁止しているにもかかわらず使用され、労働者は深刻な中毒症状を発症している。
この農園で生産されたパーム油は、世界的に有名なブランドでも使用されています。詳しくは、調査報告書をお読みください。
▽報告書『パーム油に潜むスキャンダル~世界的ブランドの裏に労働搾取』▽
http://www.amnesty.or.jp/library/report/pdf/palm_oil_201702.pdf
【この件に関するお問い合わせ】
アムネスティ・インターナショナル日本
info@amnesty.or.jp
03-3518-6777
すべての画像