FromプラネットVol.169<ふるさと納税に関する意識調査>
国内1,400社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第169号として、ふるさと納税に関する意識調査の結果をご紹介します。未掲載のデータもご提供できますのでお気軽にお問い合わせください。
- 意外と少ない?経験者 若者は“積極姿勢”
まず最初に、ふるさと納税で寄付をしたことがあるかを聞いたところ(図表1-1)、「寄付経験がある」人(①+②)は22.8%と意外と少ない印象です。「寄付経験がない」人(③+④)は8割近くにのぼりますが、このうち「興味あり/やってみたい」人は28.6%と全体の4分の1と、潜在的な利用者はそれなりに多いようです。
そこで、ふるさと納税に対して積極的な意識を持つ人(①+③、図表1-2)を属性別にみると、年代別では20~40代で半数以上、寄付経験がある人も2割前後にのぼる一方で、高齢層では60代40.9%、70代以上32.5%と10~20ポイントも低くなっています。ふるさと納税に対する姿勢は若年層のほうが積極的だと言えそうです。職業別では、「公務員」の62.6%を筆頭に、「会社役員・経営者」「会社員」と、収入が安定している職種で高値なのは納得できますね。
- 制度改正後に6割が“寄付を開始”
なお、制度開始間もない「2010年以前」が10.1%、東日本大震災(2011年)の被災地支援で注目され、ポータルサイト開設が始まった時期にも重なる「2011~13年」が9.8%とほぼ同率なのは少し意外な気もしますね。
- 控除額を意識しながら寄付額と寄付先を厳選?
寄付した自治体数では(図表3)、最多は22.7%の「1自治体」、以下、「2自治体」19.7%、「3自治体」18.2%と、6割の人が3自治体以下と回答。「5自治体」(15.3%)が4位と、「4自治体」(9.7%)を上回っているのを不思議に思う人がいるかもしれません。ふるさと納税では前述のように、税金の控除を受けるのに確定申告が必要ですが、給与の源泉徴収を受けている人にはそれが不要になる「ワンストップ特例制度」というものがあり、その適用となる寄付自治体数の上限が「5」なのが背景にありそうです。
次に寄付総額をみると(図表4)、最多は16.4%の「1万円台」、これに「2万円台」が僅差の15.6%で続き、以下「3万円台」13.4%、「1万円未満」12.3%と、57.7%の人が“4万円未満”という結果に。日本人の所得金額の中央値は437万円(厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」)であることから考えると、全額控除となる寄付額の上限はおおむね2~4万円台(家族構成によって異なる)になることから、納得の結果ですね。また「10万円以上」もの金額を寄付している人も16.2%にのぼりました。
- 重視するのは、やはり“返礼品”
性別でみると、1・2位は男女とも同じ項目になっていますが、3・4位は男性が「寄付金の使い道」「訪れたことがある自治体」、女性は「被災地支援」「今後訪れてみたい自治体」と差が出ました。特に「被災地支援」は女性が5.9ポイント男性を上回っているのが目を引きます。
- 返礼品はやっぱり“肉”! 食品が上位に並ぶ
性別では、上位3項目は男女ともに同じですが、3位の「果物」は女性の方が10.3ポイント高くなっています。また女性4位、男性5位の「菓子・スイーツ」は女性が14.7ポイント高値であるのも、納得がいきますね。片や男性が高値の項目は「酒・アルコール類」と「電化製品、デジタル機器」で、各10.5ポイント、4.4ポイントの差がありました。
- 利用しない・やめたのは“面倒” “よくわからない”から
全体3位の「制度自体に反対」では男性のほうが12.9ポイント高く、特に男性40代以上では2割超にのぼりました。また同5位の「住んでいる自治体の税収が減ってしまう」も男性のほうが高く、男性70代以上では27.5%に。このことから男性は、「制度を理解したうえで寄付をしていない・やめた」人が多い、と言えそうです。なお、「その他」10.4%の自由回答をみると、「収入が減った」などの経済的・金銭的理由を挙げる人が多く見受けられました。
- 故郷への貢献、風土の多様性を知る契機にも
● いつもはなかなか買えないものを返礼品としていただける。1年に何度かは贅沢気分が味わえるので絶対に利用したい。(女性・40代) ● 昨年はおいしいお米といちごをいただいたので、今年は何にしようか、と家族で楽しみにしていることの1つになっている。(女性・40代) ● 節税対策もあるが、コロナ禍で旅行に行けない今、行ってみたい土地の名産物などを食べられるのが有難い。(女性・40代) ● (返礼品の)お米がおいしかったので、普段でも買おうとしたが売っていないので、毎年ふるさと納税を利用している。(男性・70代以上) 【うれしい・意外な返礼品・活用法も】 ● 障害者施設が生産しているトイレットペーパーを返礼品で選んだところ、一緒に同封されていた手書きのお礼ハガキが嬉しくて、冷蔵庫にずっと貼っています。(女性・50代) ● 絶対に「地域外では販売しない」と定めている産品を、通信販売で入手できる唯一の方法がふるさと納税、というものを利用している。これはとても良い。素晴らしい。(男性・50代) ● コロナが流行り始めた時期にふるさと納税をしたら、マスクも一緒に送られてきて、その気遣いが嬉しいなと思った。(女性・40代) ● 食べ物だけが返礼品かと思っていたが、某市の包丁が素敵でふるさと納税することにした。今まで使っていた包丁よりも軽くて切れ味もよく、お気に入りになった。(女性・20代) ● 兄弟が毎年、ふるさと納税の返礼品を贈答品として送ってくれるのがとても嬉しいです。(女性・50代) ● 色々な自治体へ寄付することで、子供と地図帳を見ながら話をしたりすることが増えました。(男性・50代) 【こんな “思い” で利用しています】 ● 実質2000円で豪華なものが買えると捉えており、非常にお得だと感じる。一方、自治体への寄付という側面も忘れないようにしており、特に地元への寄付は毎年行うようにしている。(男性・20代) ● 返礼品が気に入って毎年同じところに寄付をしている。その土地と繋がっているような気持ちになり心地よい。(女性・40代) ● 最初は東北の震災の支援で、地域の産業を応援したかった。内容にはあまり興味がなかったが、送られた品物を見て、送り手の温かさや心意気が感じられた。(男性・60代) ● 最初は欲しい返礼品で選んだが、その自治体に親近感を持つようになり、行ったことがなくても町の様子や特産物などを覚え、毎年ふるさと納税するだけでなくネットで探して購入したりするようになった。(女性・60代) 【ふるさと納税に物申す】 ● 故郷の発展の一助になりたいとの思いで寄付を実践しているので、その後の寄付金が生かされた取り組みを知りたい。(男性・60代) ● ふるさと納税が本当に節税になるのか、まだ勉強不足で良く仕組みがわかっていない。名前に【ふるさと】とつくので、自分の出身地以外の市区町村に納税することに多少違和感がある。(女性・30代) |
調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「ふるさと納税」に関する意識調査を実施。
期間:2021年10月12日~14日、インターネットで4,000人から回答を得ています。株式会社プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/
メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。
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