「次世代グリーンCO2燃料技術組合」への特別賛助員としての参加について
~第2世代バイオエタノール生産設備を活用した研究活動に協力~
日鉄エンジニアリング株式会社(代表取締役社長:石倭行人、本社:東京都品川区、以下「当社」)は、3月17日付で次世代グリーンCO2燃料技術研究組合※1(理事長:中田浩一、本部所在地:福島県双葉郡大熊町、以下「研究組合」)に特別賛助員として参加しましたのでお知らせいたします。
研究組合は、当社が納入した第2世代バイオエタノール生産設備※2を活用して、自動車用バイオエタノール燃料の製造工程におけるCO2排出量の低減や社会実装に向けた課題を明らかにしてその解決方法を研究するとともに、バイオマス利用・生産の際に水素・酸素・CO2を最適に循環させ、効率的に自動車用バイオエタノール燃料を製造する技術研究に取り組んでいます。
バイオエタノールは、ガソリンへの混合やバイオエチレンへの転換によるSAF・化学製品の製造などで脱炭素化への貢献が期待されています。また、エタノール発酵時に発生するバイオマス由来の高濃度CO2を利用した合成燃料の製造や、リグニン成分を多く含む残渣の利活用など、プロセス副産物の利用も期待されています。
当社は、第2世代バイオエタノール生産技術のプロセスオーナーとして、また生産設備の設計・施工者としての技術・知見を活かし、研究組合の活動に特別賛助員として協力してまいります。

※1 次世代グリーン CO2燃料技術研究組合の概要
設立日 :2022年7月1日
組合員 :ENEOS 株式会社、スズキ株式会社、株式会社 SUBARU、ダイハツ工業株式会社、トヨタ自動車株式会社、豊田通商株式会社、マツダ株式会社(五十音順)
特別賛助員:株式会社アイシン、株式会社デンソー、日鉄エンジニアリング株式会社(五十音順)
https://rabit.or.jp/
※2 第2世代バイオエタノール生産プロセスについて
(A)プロセス概要
本プロセスでは、セルロースやヘミセルロースなど分解困難な糖を主成分とする草本系の非可食性バイオマスを原料とするため、原料の前処理・糖化のプロセスが必要となります。第2世代バイオエタノール製造技術のプロセスは、大きく4つの工程に分けられます。
①前処理 :蒸煮・爆砕を組み合わせ、原料バイオマスを前処理
②糖化 :前処理したバイオマスを酵素で糖化
③発酵 :糖化液を酵母菌により発酵させ、エタノール発酵液を製造
④蒸留・精製:エタノール発酵液を蒸留・精製

(B)トヨタ自動車株式会社との協業による成果
非可食性バイオマス原料の前処理工程(図中①)において当社は、トヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ」)と様々な手法の評価・開発を通じて最適な前処理方法を確立しました。また、発酵工程(図中③)においては、トヨタが開発した TOYOTA XyloAce™を採用することで、自然界の酵母では発酵が難しい「キシロース」を高効率に発酵させ、草本系非可食性バイオマス原料(セルロース)由来の糖のうち大部分をエタノールとして利用できるようになりました。
(C)花王株式会社との協業による成果
糖化工程(図中②)において当社は、花王株式会社(以下「花王」)と非可食性バイオマスを効率的に分解できる酵素の生産菌を利用したオンサイト酵素生産技術を共同開発するなどの協業を行ってきました。本設備では、花王が開発した非可食性バイオマスを高効率で糖化することが可能なCRESCENTIS™が使用されています。
https://chemical.kao.com/jp/topics/news-152/
(A)に加え、(B)および(C)の取り組みにより、バイオエタノールの高収率化、製造コストの低減が期待されています。
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